JR東日本では唯一残った寝台列車「カシオペア」。もともとは、青函トンネルを通り渡道していた列車だが、現在は東日本管内で団体ツアー列車として、不定期運転となっている。デビューしたのが1999年の夏だから、一番新しい列車と思ってもすでに20年以上の歴史が出来ている。
当初はまだ団体専用の客車が残っていて、アントンKには、そんな列車の延長線上の列車のイメージが強かった。東日本の「カシオペア」に対し、西日本にはすでに「トワイライトエクスプレス」がデビューしており、その豪華さを競った訳だが、このトワイライトEXPの方は、登場が早かった分、先に引退していった。後年、こうした豪華列車は、JR九州の「ななつぼし」に始まり、西日本の「瑞風」、そして東日本の「四季島」とバラエティに富んだ個性的な列車へと繋がっていく。時代の変化とともに、旅への考えも変わり、列車の旅も随分と様変わりしたものだ。こうして考えると、アントンK自身、列車や旅への想いは少しも変わっていないことに気づく。すっかり取り残されてしまった感がしている。
掲載写真は、阿武隈越えに挑む寝台特急「カシオペア」。ちょうど朝日が、背景に差し込み、しかし被写体にはまだ射していないという夜明けを感じさせる画像。たまたま全検明け間もないようなパーイチがやってきたが、淡い朝日が反射して息を飲む美しさだった。
2008-03-06 8010ㇾ EF8199 JR東日本/東北本線:黒田原付近