アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

追憶の東北ブルトレ~EF81「鳥海」

2019-02-20 20:00:00 | 鉄道写真(EL)

JR化後、北行きのブルートレインは、北海道へ渡る「北斗星」に代表されるが、本州内でも「あけぼの」をはじめ数々の夜行列車が存在していた。関西からは「日本海」が2往復あり、「はくつる」それに「鳥海」と青森を目指すブルトレの多いこと。これが毎日運転されていたのだから、今から思えば隔世の感がある。知らないうちに、随分と寂しくなったものだ。

掲載写真は、数ある東北旅行でも思い出の多い94年ものから1枚。

大釈迦で狙うつもりでいた夕刻の列車たち。案の定、不安定な雲が沸き撃沈の様相を呈しており、イチかバチかで弘前まで下りていくことに。しかし仮にこちらで晴れても、季節を考えればシーズンは終わっているはず・・などと分からないなりに考慮して賭けに出ることとなった。写真のように、何とか山の稜線に吸い込まれる寸前で、パーイチが轟音とともに現れたのだった。何度もこんな機会には遭遇するが、大抵直前で曇るパターンが多い中、逆のパターンもあるという話。まあ長い体験の中ではこういうこともあるということだ。

1994-08-14    2022ㇾ  EF81133 鳥海 JR東日本/奥羽本線:川部付近

 

 


伝説の上野駅地上ホームにて

2019-02-19 19:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

今でも上野駅を北の玄関口なんて例えるのだろうか・・

湘南新宿ラインが走り出し、そして上野東京ラインがもう当たり前のように行きかっている。都心で乗り換えなしに移動でき、乗車時間も圧倒的に短縮された現在の路線図。まあ便利になった。楽になったと言えよう。これで良いのかもしれない、良いんだ。しかし鉄道を愛する者からすれば、詰まらまい時代になったとつくづく思ってしまう。普通に乗る電車さえ無個性だし、どれも同じに見える。でもそれが時間とともに普通の事となり、そして懐かしく思える時代が来るのだろうか。昭和~平成と鉄道を感じ、そしてこの春平成も終わり、新たな時代へ・・・

今も残る、上野駅地上ホーム。夜行列車そのものが消えてしまったが、当時の面影は、まだ何となく残っている。掲載写真は、信越線経由で福井まで行く急行「越前」。碓氷峠を越えて長野へ入るから、けん引機は当然ながらEF62だ。この日はそのトップナンバーがその任に当たっていた。特に調べていた訳でもなく、1号機だからといって必死になることは皆目なし。そんな時代だった。まだ鉄道全盛時代、夜行列車増発時代なのだ。ホームに所狭しと座り込む乗客、ホームから車内へ窓越しにたたずむ若者。その全てが、伝説の上野駅の象徴だった。

1980-07-25     603ㇾ  急行「越前」 EF621        上野駅14番線ホームにて

 

 


新日本フィルのオラトリオ「四季」

2019-02-17 19:00:00 | 音楽/芸術

新日本フィルハーモニー交響楽団によるオラトリオ「四季」を鑑賞してきた。

ハイドンのオラトリオと言えば、「天地創造」の方が先に来てしまうアントンKだったが、今回はもう一つの「四季」をたっぷりと聴いてきた。なかなかハイドンまでは、普段鑑賞する間もなく、不勉強の続くアントンKではあるが、生演奏では滅多に聴けないであろう楽曲を、いつもの新日本フィルの定期演奏会で演奏するとあれば行かない手はない。尊敬しているコンマスの崔氏も乗っているとあらば、迷うはずもないのだ。

オラトリオというと、宗教性が高く教会音楽に寄ったもののように思われがちだが、この「四季」に関しては、神の創造物というよりは人間界の自然がテーマになっているようだ。アントンKがハイドンを聴いたのはいつ以来のことだろうか。ハイドンと言えば、交響曲がやはり一番思い入れがある。学生時代に勉強した82番の「熊」は、当時の教授がハイドン研究家の中野博司氏だったこともあり、多々思い出も多いのだ。昔は、朝比奈隆もハイドンの交響曲をよくやっていて、実演で何度も聴いたが、まともに鑑賞するのは、そこまで遡ってしまうだろうか。

さてどんな演奏かと言えば、まずソリスト達の心のこもった歌声に圧倒されてしまった。3人のソリストそれぞれが楽曲を楽しみ、そして慈しむかのように囁き、時に熱唱するのである。またそれにつられてか、合唱団も各声部が雄弁に響き、聴いていて心地よい。それもそのはず、指揮者のイェアンニン氏は、合唱指揮のスペシャリストなのだそう。明快な指揮ぶりに表れた音楽は、明るくそしてどこまでも深かった。ハイドンの素直で美しいメロディが、久々にアントンKの心に響いたのである。全奏でも、各声部がきっちり聴こえるバランス感覚は、ここ最近の新日本フィルの真骨頂。弦楽器をはじめ、木管、金管、そしてティンパニに至るまで好調を保っていたと思う。演奏比較までは語れないが、古典から近現代まで幅広い音色を奏でる新日本フィル。また一段と磨きがかかったようである。

   新日本フィルハーモニー交響楽団 定期ルビー公演

ハイドン オラトリオ「四季」

指揮  ソフィ・イェアンニン

ソプラノ 安井 陽子

テノール 櫻田 亮

バス   妻屋 秀和

合唱   栗友会合唱団

合唱指揮 栗山 文昭

コンマス 崔 文洙

2019-02-16   すみだトリフォニーホール


東北電機の主~ED71

2019-02-15 20:00:00 | 国鉄時代(カラー)

東京に生まれ育ち、興味を持った最初の鉄道は地元の電車だった。幼児の時代から電車で通園していた時代だから、毎日乗る電車に興味をもつのは当たり前かもしれない。今でも不思議とその当時の光景が思い出せるから、やはり自分には強烈な印象だったのだろう。そんなおぼろげな想いから鉄道模型へと興味が移り、そして写真の世界へ向かっていった。蒸機には間に合わなかったが、当時の機関車や電車には全て興味があった。当然ながら身近な鉄道は、直流区間だったから、初めて交流機を見た時はとても新鮮に感じたことが思い出せる。真っ赤な機関車が重連で目の前を駆け抜ける姿は、アントンKを一気に虜にしたのだった。それ以来、機会を見つけては交流機も大事なターゲットに変わった。

今回は、そんな想いが心を支配し始めた、80年代初頭に撮影したED71を掲載してみる。この時代は、ED71 にとっては最後の活躍を見せている時代で、その後ダイヤ改正ごとに運用が減少していった記憶が残っている。北陸線を走ったED70には間に合わなかったが、その面影の残るED71は、ちょうど直流機のED60とかED61のようなスタイル。端正な顔立ちが好きで、屋根上の機器も目一杯にぎやかでとても魅力的だった。写真は、貝田の坂を下りてきたED71重連の貨物列車。

1982-03-17     5680ㇾ  ED7152+11    東北本線:貝田-藤田


御召機の牽く団臨は垂涎の的

2019-02-14 15:00:00 | 鉄道写真(EL)

前回、御召列車第一号編成を掲載した繋がりで、今回は御召機EF5861の臨時列車を掲載。

アントンKも鉄道写真を撮影し始めてから、40年以上の歳月が経ったが、その間御召列車の撮影の機会は思った以上に少なく数えるほど。御召機とされたEF5861号機の御召列車は、何回撮影出来ただろうか。旗をたなびかせ黒光りさせながら走るロクイチの御召列車は、確かに鉄道撮影の中では最高峰の被写体と言える。しかし地方で運転された、御召仕様の特別に磨かれた機関車も、とても魅力的だったと思っている。追々忘れないうちにご紹介したいところ。今回はロクイチの臨時列車牽引の姿だ。この当時は、ネット環境などないから、人ずてでしか情報などないが、何も知らず突然現れるロクイチの姿ほど惚れ惚れすることはない。

この時も長いレンズを使用している。(MF Nikkor 500mm F4P)

超望遠レンズの圧縮効果を狙って、機関車と客車のカラーリングのコントラストを狙ってみたが、思いのほか良くなかった。それより、ネガカラーフィルムの劣化に辟易してしまっている。どうしてこんなに粒状性が荒く見苦しいのだろうか。PC上で何らかの加工を施さないと厳しい状況で現在難儀している。汚い画像、お許し下さい。

1991-02-14    9302ㇾ  EF5861    12系オク座  JR東海/東海道本線:函南付近