渡辺真知子さんの出現は
ひとつの転機の
象徴
「迷い道」で
頭角を現し
CBSソニーの戦略が見事に
当たった形だといえた。
僕は彼女のこのポップチューンなナンバーが好きだ。
「ホールド ミー タイト」
作詞作曲渡辺真知子
さすが
シンガーソングライターだと
彼女は歌番組に欠かせない
そんなあの頃だった。
ヒット曲を立て続けに出し
彼女には
太田裕美さんのポジションのような立ち位置を僕は見ていた
テレビ映えもし、
歌える
ソングライター
もう、テレビに出る事への
抵抗もなく
歌を披露することへ
集中した彼女の
姿勢は素晴らしかった。
1975年を境に
テレビでのフォーク系
アーティストへの影響力
が増してきていた。
時代の潮目が変わったことをうけ
もはや
イデオロギーや
個人のポリシーを盾に
テレビを拒否する
理由は
ナンセンスになってきている
ましてや、
テレビ映りを気にして
出たくないという
女性アーティストでさえ
もう、そんなに人前で見られない
ほど
美貌が悪い
女性アーティストなんて
女性歌手なんて
いなくなってきていた。
渡辺真知子さん自身もデビュー
まで
そのスタイルを変えられた
1人だ
ウルフカットで
ジーンズで
汚らしいスタイル
ロックっぽい
風貌だったという
それをスタイリッシュに
清潔感ある
テレビ映えする女性歌手へと
変え
テレビでその歌
その歌声で勝負するような方針だったという。
彼女が生き生きと
時間いっぱい歌う歌は
もう、フォークや歌謡曲や
ニューミュージックや
と区分けしてきた
人達にとっては
そんなことどうでも良く
思えて
聴こえてくるのだ
彼女自身も自分のスタイルを
変えられたが
その方針に従い
最終的には
歌える場所があれば
どこでもいいと
その方法にこだわらなかった。
やがてテレビでは
いい歌をランク付けする
ベストテン番組が全盛を迎え
お茶の間に
どんどん
ロック系
ニューミュージック系
フォーク系
それぞれのスタイルのミュージシャン達が
出演するようになった。
彼女の歌が
その全てを抱くように
抱き寄せ
全てを
強く
抱きしめて
歌だけを愛して。
あなたの後ろから 歩く海岸通り
光のつぶを まつげではじく
シャツの胸のボタンを 少し多めにあけて
心ざわめく 冒険気分
夏の吐息は恋 耳もとで受けたら
はりつめた心が はち切れてしまいそう
甘い Hold me tight 熱く Hold me tight
焼けた素肌を ゆれて Hold me tight
ビキニの女の子に ふいに声かけられて
粋なそぶりで ウィンクかわす
無邪気なあなたには 悪気などはないはず
だけど気になる あなたの仕草
あなた一人だけを 何度も愛してた
四次元の世界に 迷い込んだみたいよ
甘い Hold me tight 熱く Hold me tight
狂おしいほどに 強く Hold me tight
夏の吐息は恋 耳もとで受けたら
はりつめた心が はち切れてしまいそう
夕暮れの空に 星がまたたくわ
潮風の中 甘く Hold me tight