井上陽水というアーティストの
底知れないポテンシャルは
この
アルバム「二色の独楽」である程度
輪郭が見えていた
その前
「氷の世界」で
大ブレークしてから
等身大から
虚像の存在へと進み始めるところ
74年
ポリドールレコード在籍最後に
このアルバムを発表して
フォーライフレコードへと
設立に携わり
移籍するのだが
よくよく見ると
フォーライフレコードの四名の
アーティスト
小室等
吉田拓郎
泉谷しげる
井上陽水
とそれぞれ
セルフプロデュースできる
能力がもう充分備わっていた
わけだから
第一期と言うべきか
それぞれのピークを迎えつつ
フォーライフレコードの立ち上げに
重なって
新しい出発点を
自らの
レコード会社で発表していく
形となっていたのだろうと
思うのだ
フォーライフ移籍前
までの作風は
可愛い歌も
チラホラ作っていた
比較的、ありきたりな日常に
深く影を落としながら
井上陽水的な視点で
コトバを切り取って
歌にしていた。
フォーライフ前
と
移籍後とは
明らかに作風は
変わったと思えるのだ
しかしながら
ボーカル、声質は
ほとんど
今この時代になっても
変わっていないように思える。
伸びがあり、
ハリのある
艶っぽいボーカルは
特に
陽水さんは
アカペラで演られる時に
その力をみせつけてくれる
それに
少し抑え気味に
歌う時
また、なんともキュートで
説得力のある
バラードに聞き惚れてしまうのだ
アルバム【二色の独楽】に収録
されている
【野いちご】は
そんな
可愛いらしく
歌う陽水さんの
お茶目さと…
言うほど
暗い人じゃない人柄を
垣間見るように
歌っている。
ある意味癒される
陽水さんのボーカル
名曲
野いちご。