以前2018年このブログを始めて4ヶ月目に
「恋するカレン」で音楽日記を書いた。
基本的には
同一作品の再、改書のブログはしないことにしているのだが
最近
この「恋するカレン」の作品の奥深さ、尊敬する
大瀧詠一さんを知れば知るほど
魅力に引き込まれて
唸るのだ。
この
「恋するカレン」に関して言えば
名曲中の名曲で
多くの方がcoverしてる。
稲垣潤一さん
ケメストリーさん
辛島美登里さん
BEGINさん
つじあやのさん
はじめ、カバーされている。
名盤『A Long vacation』
に収録され
シングルカットにもなってる。
このアルバム制作には
相当な時間と手間がかけられている
情報は知るところだけれど
この
「恋するカレン」は
お蔵入りになる
寸前だった曲だという。
レコーディングを重ねるたびごとに
納得できない
大瀧詠一さん自らのボーカルの点数は一桁から
50点までをウロウロ
100点満点のボーカルをいれれることはむしろ、ないに等しい
までの完璧主義な職人的な
アーティストの大瀧詠一さんゆえ、
「恋するカレン」は
音入れの際
作り上げたオケが完璧すぎて
そのオケにボーカルが負けて
何回チャレンジしても
自らのボーカル点数が上がっていかなかったらしい。
もう、諦めて
この曲じたいお蔵入りにする寸前。
なんとか
60点…それでも60点のボーカルだったが多分泣く泣くOKで通した作品
だったようだ。
作り込んだアルバムだけに
何回も何回も聴けば聴くほどに
味がでてくる
そんなアルバムだけに
名曲揃いの名盤なのだ。
「恋するカレン」
は作詞松本隆さん
好きな人にフラれる瞬間
スローモーションのように
その心の描写を見事に描いていて
この歌のコンセプトは
大瀧詠一さんを師匠としてみていた
山下達郎さんに
エッセンスは受け継がれているような気がします。
ここまでのLove song
詩の内容
ウォールサウンドの奥深さ
隙のないコーラスワーク
山下達郎サウンド、ワールドに
大きく影響を与えるところが
あるように思えてならないのだ
大瀧詠一さんのスピリットを
伝承していって欲しいし、
J-popというジャンルにふさわしい
曲調、作品群は
アルバム ロンバケ 以前、以後で明らかに風向きは変わっていった。
松本隆作品の中でも
ワンシーン、情景描写の妙を堪能
できる。
共感を得るのが
フラれる経験のある人(僕を含めて)は
この歌詞にあるように
♪フラれるとわかるまで
何秒かかっただろう
と目の前に起こっている事実が
非現実、スローモーションの中にいるかのように
心が飛んでしまってる
あの感じを
サラリと表現。
♪誰か話しかけても僕の目は上の空
君に釘付けさ
事実確認のための
いわゆるガン見ってやつ…
目線をはずせない
彼女の一挙手一投足を見逃せない
ところで自分の無意識の領域で
目が釘付けになっている
その描写。
幻、妄想を笑ってくれと
砂浜で抱き合うそんな妄想。
詩の世界は
アメリカ映画によくある
片思いの青年が思いを寄せる
女性とのシーン、映画のワンシーンに近い。
♪淋しい片思いだけが
と叶うことのない片思いだと
認識できるし、
砂の上で抱き合う幻を見る
ことを淋しいこの胸を自分で
責めていたりもする
ふと、彼女と目が合うたびに
まぶたがせつない色になってる彼。
せつない色って…??
♪ふと目が合うたび せつない色のまぶたをふせて
頬は彼の肩の上〜
このあと
ウォールサウンド全開の間奏にはいり盛り上がっていく中
彼に身を任せ踊っている
彼女カレンを見つめる彼
この対比
コントラストが無情に切なさを
倍加させる
そして
間奏から立ち上がり
この歌のキモの歌詞
『カタチのない優しさ それよりも見せかけの魅力を選んだ』に続く。
見せかけの魅力ってなんだよ!
そんなに女って節穴なのか?
もっと本質を求めて
それをもっている男性と一緒に
ならないのか?
見せかけの魅力になびいてしまうのか?
ハッピーエンドを好む日本人には
期待外れの展開に流れるカレンとの関係
♪誰より君を愛していた
心を知りながら
捨てる
フラれた僕より悲しい
そうさ、悲しい女だね
君は…
でこの歌は終わる
誰よりも愛していた女が
節穴で見せかけの魅力へなびいたことへの精一杯の皮肉
(悲しい女)という称号
心を知りながらすてる
その事も
(悲しい女)でもあるわけで…
単なるフラれるだけのみならず
愛しの片思いに終わった女性の悲しさまで
みてしまう
ダブルパンチトリプルパンチの
打ちひしがれた
失恋ソングでもある。
深い悲しい詩なのに
ポップなサウンドに仕上がっているゆえ
悲しみの深さを感じさせない
いわゆる洋楽的な仕上がりにもなっている
(恋するカレン)
60点のボーカルが
聴き手が回数を重ねていくたびに
色んな思いで
色んな状況をもって
この曲を聞くたびにごとに
その点数は上がっていくんじゃないかと
そう思ってしまうのです。
大瀧詠一さんは亡くなってしまったけれど
レコード音源のあの時代の風と
今も 色褪せない曲の素晴らしさを
実感しつつ
ライブ音源で
改めて
難しい曲でもあると認識しつつ
名曲をかみしめながら
聴くほどに…
「恋するカレン」
良いです。
すごく良かったです。今日みたいな夏の終わりを感じる日には特に。
生まれて初めて借りたLPレコードが大瀧さんで。
CDコーナーのある電気屋でのバイトで、最初に買ったのも大瀧さんで。
(そのわりに、あまり詳しくないのですが…(笑))
聖子さんとのコラボ話あたりから、また、久しぶりに聴き始めています。
ロンバケ以後好きになって聴くようになり過去を辿り…大瀧詠一さんの魅力を少しずつですが理解するものです。まだまだ上っ面のファンであっても
大瀧詠一さんの音楽知識の豊富さと職人的な音作りへのこだわりと遊び。仕掛け。
ちょっとした音の手品師の様で
あとからあとから
種明かしがわかってくると楽しみが増えていくのですね😊
こんな歌も作りながら
FUN X 4
なんて曲もあって楽しいですよね〜
音作りにも工夫と仕掛けが、
読んで字の如く
音は楽しい
音楽になってますよね☺️