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日々是好舌

青柳新太郎のブログです。
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行政が 部落差別を 助長する

2013年07月18日 15時34分35秒 | 日記
 ハローワーク(公共職業安定所)から電話があって、貴社の求人に応募希望者がきているからという。

 年齢は30歳で土木作業員の経験はある人だからどうだと畳み掛けてくる。職安も失業率を下げるのに必死である。

 それでは面接をしますから、職安さんの紹介状と履歴書を持参して来社させてください。そのときに家族の状況なども判るようにしてきて欲しい。と、言うと職安の人がそれは困りますという。

 何故ですかと訊ねると、家族の状況など、本人とは関係のないことを理由に採否を決めるのは規則に違反するからだという。

 詳しく訊ねると、本籍地なども訊いてはいけないという。出生地が判ると人権問題に発展すると困るからだという理由である。

 しかし、それでは採用する側は、どこの何方なのか、どういう人物なのかもろくに判らないままで採用せよということなのでしょうかと訊き返すと、兎に角、プライバシーの問題で採否を決めるのはよくないのでという一点張りだった。

 人権問題というのは所謂、被差別の問題だと思われるが、本籍地はいとも簡単に変更できるのだから、自分の本籍地に何らかの差障りがあるのであれば、さっさと変更したらよいのではないかと私は思う。

 私の場合は、人権問題には関係ないが、実家の長兄とは不仲であるし、自分名義の土地家屋に居住しているから、現住所を本籍地に決めた。この手続きは区役所の戸籍課へ申請するだけだからいとも簡単である。

 私の知り合いで静岡市葵区追手町1の1つまり静岡中央警察署の所在地を本籍地にしている者だっていた。このとぼけた男は昨年、古希を目前に亡くなったが妻と子供3人がいたのだから、妻子の本籍地は元のままになっているのではないかと思う。

 次に家族関係については、もし事故にでも遭って身寄りに連絡しようにも家族のことが分からないのでは連絡のしようがないから、困るというと、それは採用決定後に本人から訊いて欲しいという。話がちっとも噛み合わないのである。

 英国女性リンゼイ・アン・ホーカーさんを殺害して逃亡した市橋受刑者は大阪の建設会社の宿舎に潜伏していた。彼の場合は指名手配中に顔を整形していたりもしたが、我社とて何処の何者かも判らない者を闇雲には採用できないのである。因みに市橋受刑者を採用していた会社は事件後に労務管理に問題ありとして信用を失い不利益をこうむったらしい。

 雇用者側の立場としては、家族手当の支給や扶養控除など税務的な手続きもあれば、社会保険や健康保険の問題だってある。だから、家族の状況は採用する側からは事前に知りたい事柄である。

 職安の担当者は結局のところ原則論に終始してその辺の事情については最後まで理解してくれなかった。

 このときは、応募希望者という人物も約束の時間午後1時30分になっても現れず、結果的には狐に抓まれたような話だったのだが、日本の社会に今も根強く残る被差別問題は、見方によって一面では行政当局が助長しているのではないかという疑問さえも生じた。

 企業の採用担当者の心得としては、相手が嫌がるような個人情報は無理に訊き出そうとしないで、例えば、各種の免許類で本籍地を判断したり、面接の会話の中でそれとなく聴いたりして判断すればよいのである。

 「普通」の人であれば自分の生まれ故郷を隠す必要などあろうはずもなく、愛する家族もまた隠す必要もない事柄である。

 そうしたことに触れられるのが都合の悪い人物は最初から胡散臭い人物と見做して、採用しないのが賢明な判断というものであろう。これは自らの企業を防衛する手段であって差別でもなんでもないことである。
コメント (2)
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