アインシュタインのIf the bee disappeared off the surface of the globe then man would only have four years of life left “もしミツバチが地球の表面から消え去ることがあれば人類はたかだか4年もたたぬうちに滅びさるであろう”は有名な警句として、よく引用される。野外でのポリネータであり、農作物でも重要な人工送粉者として利用されているミツバチがいなくなると、植物の更新が行われれずに、地球環境が破滅するだけでなく、人類の食物生産も破綻し短期間で文明は破局にいたるだろうというのは、確かに“天才”アインシュタインの口から出た、それらしい忠告のように思える。
ミツバチの大量消失(CCD)が世界各地でおこり、その原因が地球温暖化や農薬汚染によるのではないかという、報道がなされるにつれて、この文言は拡散していった。
しかし、これはアインシュタインが亡くなった1955年から40年もたった1994年に、ブルッセルのとある養蜂関係の新聞に登場した文言で、それまでのいかなるアインシュタイン関係のデーターベースにも出てこない。すなわち出所がまったく分からない“名言”で、アインシュタインの研究機関はこれは彼のものでないとしている。そもそも、理論物理学者のアインシュタインがミツバチの生態を議論するなどは不自然なことと考えるべきであろう。
このようないいかげんな言葉や文言が、疑われずに人口に膾炙される理由は、その内容の感染力の強さ、すなわちもっともらしいさにある。気の毒なことに、アインシュタインはその度に利用されるようである。(参照https://www.snopes.com/fact-check/einstein-on-bees/)
あかんべのように師走のファクシミリ 小沢信男
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