学名Cymbidium floribundum。ラン科シュンラン属で東洋蘭の一種。中国原産で、日本には、江戸時代に渡来したとされる。明治時代に、これの品種改良が行なわれ、様々な品種が作られた。寒さや乾燥、直射日光にも強く、旧家の庭に、先祖代々のランが置いてあれば、これの系統である可能性が高い。
春から初夏にかけて開花し、ランとしてはさえない赤褐色の小輪花を多数つける(1枚目写真)。花を嗅ぐと、鉄サビのような匂いがするが、ニホンミツバチの働き蜂や雄蜂(2枚目写真)、分蜂群などを誘因する事が知られている。セイヨウミツバチは誘因しない。
春先、蜂寄せに、これを分蜂群の待ち箱の側に置く人がいる。さらに最近では、キンリョウヘンのハチ誘因化学物質を使い、ニホンミツバチの”待ち箱ルアー”と称した物が、販売されている。このような操作は、生態系の人為撹乱になる可能性があり、好ましくないと思える。ニホンミツバチは、このランなしで日本列島において、今まで生きてきた種なのだ。待ち箱を置く位置さえ適切であれば、分蜂群はかなりの確度で入るという経験から、庵主は蜂寄せに、このランを使わないようにしている。
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