京都楽蜂庵日記

ミニ里山の観察記録

高橋和巳の風景(III)

2014年03月03日 | 日記

 

(京大旧教養部の正面入口。木造の門扉はいまもそのまま保存されている)。

授業が始まり十月になって、旧三高の木造の物理学教室で、文学サークルが結成された。最初の集会には、約三十名が集まったが、人数は会を重ねるにつれて減り、結局、高橋を含めて十名ほどになった。このサークルは、最初、京大文人同好会と称していたが、後に京大作家集団と改称された。これは、五号まで作品集を出すが、途中で小松実(左京)などの共産党の学生メンバーが加入し、引き回しを謀ったため解体してしまう。この辺りの話は「小松左京自伝」(小松左京、日本経済新聞社出版:2008年)に詳しく書かれている。高橋和巳は、三号誌に「片隅から」というはじめての小説を発表している。この頃、教養課程で、桑原武夫の授業を受け「文学は人生にとって必要か」というレポート課題が出され、呻吟したといわれる。

 

 


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