はるみのちょっとTea-time

日々の暮らしのなかで感じたこと、市民運動のことなどわたしのことばで、つづります。

日本で【両胸切除し乳がんを予防】できるようになるのはいつ?

2009-01-13 | 医療と健康関連

2009年1月13日(火曜日)
AERA最新号から
「乳がん」についての記事を紹介します。
アメリカでは、いまや乳がんは予防する時代。
とくに「家族性乳がん」の場合、
非常に高い確率で遺伝するといわれています。

自分にその遺伝子が見つかった場合、
予防のために、おっぱいをとってしまう
という選択・・・
あなたはできますか?

ただしこれは、あくまでもアメリカでの事例。
日本では07年からやっと、遺伝子判断が
開始されたばかり・・・
しかもいまだ、保険診療にはなっていないのです。

乳がんを発症していないのに
おっぱいを切除するには、
実費(自費で)が必要というのが、日本の現状なのです。

ハーセプチンという治療薬も
実は、術前の乳がんを小さくする効果が
絶大といわれながら、日本では
術後にしか認められていないのです。
じっさい、アメリカでは、このハーセプチンを
術前につかい、乳がんが消えてしまったという
症例も多く報告されているというのにです。

厚生省のお役人はいったい何してるんだ!
と、頭に血が上るばかり・・・

おっと、血圧をあげちゃあ元も子もありません。
右側の脳底にひそむもう1個の動脈瘤が
大きくなっちゃ、たまりません。
このへんでカッカするのはやめにしましょう。


さて、07年8月24日のブログでも紹介しました、
【乳がんリスク遺伝子診断、
   親族と比較 日本でも開始
】のニュース
からどうぞ・・・

http://blog.goo.ne.jp/aran1104/c/cc8b26d901fd4230a105bc3114afdb62/10

自分が遺伝的に乳がんや卵巣がんになりやすいか
どうかを調べる検査が国内で受けられるようになった。
国立がんセンターなどの臨床研究で、
米国で普及してきた遺伝子検査の有効性が確認された。
リスクが高いとわかれば
検診を欠かさないなどの対策がとれる。
ただ、将来の発症におびえることにもなりかねないため、
精神的サポートを含めた遺伝カウンセリングが
必須条件となる。

両親や兄弟姉妹らの血縁者内で多く発症しているがんは
「家族性腫瘍(しゅよう)」と呼ばれる。
このうち乳がんや卵巣がんの一部には、
「BRCA1」「BRCA2」という
遺伝子の変異が原因で起こるものがある。

この遺伝子を血液から採取し、変異の有無を調べる検査は
米国で約10年前から一般に行われ、
のべ約100万人が受けている。
変異がある人は将来、5~8割が乳がんに、
1~3割が卵巣がんになるとされている。

この検査が日本人にも有効かどうかを調べるため、
国立がんセンターほか4病院(癌研有明病院、
聖路加国際病院、慶応大病院、栃木県立がんセンター)が
03年から臨床研究を実施。

家族性の乳がん・卵巣がんが疑われた
計135人のBRCA遺伝子を調べた。

変異があったのは36人(27%)。
血縁者の乳がんの発症年齢が若い場合に変異率が
高いなど結果は米国の傾向とほぼ同じで、
研究の総括責任者をつとめた栃木県立がんセンターの
菅野康吉医師らは、日本人にも検査は有効と判断した。

検査を受けたい人は、
まず乳がんや卵巣がんの病歴がある血縁者の
情報を医療機関に提供。
家族性腫瘍の疑いが強いと判断されれば受けられる。
血縁者と本人のBRCA遺伝子を調べ、
遺伝的な発症リスクが高いかどうか診断される。

検査会社ファルコバイオシステムズ(京都市)が
検査の特許をもつ米企業と提携し、遺伝カウンセリングの
態勢がある医療機関にサービスを提供する。
遺伝子検査の費用は1人38万円、血縁者は6万円。
すでに関東、東北、中部地方の6医療機関が
同社と契約しているという。

 検査を受けられる医療機関名などは同社
(電話075・257・8541)へ。

〈日米で遺伝カウンセリングの経験がある
    田村智英子・お茶の水女子大准教授の話〉
自分ががんになるリスクを知って納得する人もいれば、
ショック状態になってしまう人もいるだろう。
検査を受けるメリット・デメリットは人によって異なり、
自分にどんな意味があるのかをよく考えて判断してほしい。
国内にはがんの遺伝相談に乗れる医師やカウンセラーが少なく、
検査を受ける人を支える態勢づくりも必要だ。

   

ここからが、AERAの記事です。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090113-00000003-aera-int

【両胸切除し乳がんを予防】
AERA1月13日(火) 12時58分配信 / 海外 - 海外総合

――祖母も母親も乳がんだったら。
私も?と不安になるのは自然。
米国などでは遺伝子変異の有無を見つけ、
発症前に乳房を切除する予防治療が広がっている。――

ホワイトハウス近くのレストランで昼食中、
Vネックのセーターから胸の谷間をのぞかせた
ティナ・カールセンさん(30)が、
少しおどけて言った。
「この胸は実は作り物よ。
私は『家族性乳がん』だとわかって、両胸を切除したの」
昨年10月から11月にかけて、アメリカ国務省主催の
「乳がん啓発プログラム」に参加する機会があり、
世界15カ国から集まった15人の医師や
NGO活動者らと共に、全米各地の病院や患者団体を回った。
参加者の一人、デンマークで小学校教師として働く
ティナさんの、突然の告白だった。
がんは、環境や生活習慣など様々な要因が重なって発症する。
ただ、乳がんや卵巣がんの5~10%は、
遺伝が関係すると言われる。
ティナさんは15歳のとき、
まだ38歳だった母親を乳がんで失った。
6年後には、叔母も祖母も乳がんで亡くした。
「私はがん家系なのかもしれない……」
 ちょうどそのころ、「BRCA1」「BRCA2」
という遺伝子の変異が、乳がんや卵巣がんの
発症に関係があることがわかってきた。
米国の研究では、変異がある人は、
将来36~85%の確率で乳がんになり、
16~60%の確率で卵巣がんになると言われている。
ティナさんが母親から変異を受け継いでいる確率は
50%。遺伝子検査を受けるべきか。
迷っていた彼女の背中を、
当時のボーイフレンド(現在の夫)が押してくれた。
「変異がないとわかったら、安心できる。
もし変異があったとしても対処法はあるだろう?」

■病気と死ばかり考える

1999年、遺伝子検査を受けた。
「変異なし」という検査結果を受け取り、有頂天になった。
しかし1カ月後、再び病院から手紙を受け取り、
今度は奈落の底に突き落とされた。
「検体を取り違えていました。
残念ながら、変異保持者です」
いつがんになるのだろう――。
脅える日々が始まった。
年に一度の検診を受けるたびに、
「今回こそは見つかる」と覚悟した。
がんらしき組織が見つかり、精密検査を2回受けた後は、
もう普通の生活は送れなくなった。
自ら殻に閉じこもり、病気と死のことばかりを
考える日々が続いた。
そのころ、息子のトビアスくんを授かった。
ずっと子どもが欲しかった2人にとって、
久々の幸せな瞬間だった。
母乳で育てたいという願いもかなった。
そして考えた。
「もし私が若くして亡くなり、
この子が私と同じ思いを味わったら……」
27歳のとき、将来がんになるのを防ぐため、
両胸の乳房を切除する手術を受けることを決めた。
予防的切除術を受ければ、
将来乳がんになる確率は10%以下になる。

■切除と同時に再建手術

「女性の象徴がなくなる寂しさはあったけど、
夫とトビアスのために生き続けるという選択の方が、
私には大切だった」
切除手術と同時に、乳房の再建手術も受けた。
今、両胸にはシリコーンが挿入され、
入れ墨で描かれた乳首もある。
「乳首が性的に感じることはないけど、
見た目はそっくり。
私は80歳のおばあちゃんになっても、
垂れたりしないで美しい胸のままなのよ」
自らのウェブサイトでは、乳房再建までの過程を
写真付きで公表している。
今回の米国務省のプログラムに参加する直前、
2人目の妊娠がわかった。
予定日は今年5月。
もし娘だったら、乳がんになる確率は高い。
「でも将来は遺伝子治療の可能性も
広がっているはず。心配していません」
子育てが一段落したら、
卵巣の予防的切除術も受けるつもりだ。
家族性乳がんの最大の特徴は、
若くして発症する例が多いことだ。
米国では96年から遺伝子検査が始まり、
昨年は約30万人が検査を受けた。
米国では検査で変異が見つかった場合、
乳房や卵巣の予防的切除術が行われるのが一般的だ。
乳房が温存できる場合でも全摘したり、
発症を予防するために抗がん剤「タモキシフェン」を
服用したりといった治療の選択肢がある。
ゴールドマン・サックス証券で
日本株チーフ・ストラテジストを務める
キャシー・松井さん(43)は7年前、
米国で予防的切除術を受けた。
キャシーさんは、米国生まれの日系二世。
その5年前に母親が乳がんになり、
2人の祖母も乳がん患者だった。
右胸にしこりを見つけ、日米複数の病院で
セカンドオピニオンを受けた。
米国の大学病院で初めて、遺伝子検査のことを耳にした。
「治療の選択に役立つなら」と、迷わずに検査を受けた。
結果は、陽性だった。

■変異率高い日本人

2人の子どもの母親として「生きる」ために、
両胸を切除することに迷いはなかった。
1年半後には、卵巣も切除した。
「私のやり方は、日本人から見ると極端かもしれない。
でも、私にとってはこのほうが精神的に楽。
全く後悔していません」
現在8歳の娘には、もう少し大きくなったら、
事実を告げるつもりだ。
「日本では欧米に比べ、多くの若い人が
乳がんで亡くなっている。
もっと検診の受診率を上げ、
遺伝子検査が普通になれば、
たくさんの命を救うことができると思います」
従来、日本人は欧米人に比べ、
BRCA遺伝子変異がある人が少ないと考えられていた。
しかし、最近まとまった研究によると、
日本人135人の遺伝性乳がん・卵巣がん患者のうち、
BRCA変異がある人は27%。
米国人平均の20%に比べ、高いことがわかった。

■検査は十数万~40万

こうした研究結果をもとに、日本でもようやく、
一昨年7月から一般の病院で遺伝子検査を
受けられるようになった。
臨床検査会社「ファルコバイオシステムズ」
(京都市)によると、現在、
検査が受けられる施設は国内15カ所。
今後2年以内に、全都道府県に
1カ所以上の配置を目指している。
血縁者の乳がん罹患状況などから、
家族性乳がんの可能性があると考えたら(表参照)、
まず遺伝カウンセリングを受ける。
検査を受け変異があるとわかった場合、
検診を欠かさないなどの対策が取れる一方、
発症のリスクを知り精神的にショックを受ける場合もある。
検査は血液を7ミリリットル採取するだけ。
約1カ月後に結果が出る。
公的医療保険が利かないため、
費用は十数万~40万円に上る。
同社によると、この1年半で、
検査を受けた人は「ようやく2ケタにのった状況」。
同社の担当者はこう嘆く。
「検査には乳腺外科医の先生の理解が必要不可欠だが、
忙しくて時間がないのと、家族性乳がんへの理解不足で、
なかなか患者さんに説明してもらえない」
聖路加国際病院(東京都中央区)は、
日本で最もBRCA遺伝子検査に力を入れている。
2003年に臨床試験に参加して以降、
46人が遺伝子検査を受け、うち10人に変異が確認された。
一昨年4月からは、乳がん手術を受ける全患者に、
家族性乳がんに関するパンフレットを渡している。
しかし、同病院でも患者が検査を受けるのは乳がん手術後。
米国のような予防的な意味は小さい。
変異が見つかっても予防的切除は行わず、
年に一度のマンモグラフィー検査と、
半年に一度の超音波やMRI検査を欠かさないよう
患者に求めるにとどまる。

■日本では治療も自費

中村清吾ブレストセンター長は、
「米国では遺伝子検査が一般的なため、
カウンセリングにそう時間がかからないが、
日本では3~4カ月かけて結論を出すため、
どうしても術後になる」と説明する。
保険診療の壁もある。
日本の公的医療保険では、予防的切除術も
抗がん剤の予防的服用も認められておらず、
これらの治療を行うと、すべて自費診療になってしまう。
中村さんは日本でも治療の選択肢が広げられるよう、
来年早々に研究会を立ち上げる予定だ。
編集局 岡崎明子
(1月19日号)

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