「宣誓
良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、
偽りを述べないことを誓います。 今大地晴美 」
民事訴訟で、生まれて初めて証人尋問を受けた。
映画やドラマで観るように、
証言台に立ち、「宣誓書」を読み上げた。
右手は挙げなかったけれど・・・
裁判官からは、
「虚偽を述べた場合は、偽証罪に問われます。」
との注意を受けた。
多くの裁判を経験し、意見陳述も行ってきたが
証人尋問は初体験である。
原告側の証人だったので、
原告の代理人である弁護士が最初に尋問し、
続いて被告側の代理人の弁護士が尋問。
もう一度、原告側の弁護士の尋問があり、
最後に、裁判官からも何点かの尋問を受けた。
被告側の弁護士とは、かなり激しいバトルとなった。
原告側を貶め、
被告側に有利になる証言を引き出そうとしているのが
あからさまにわかってしまう質問をぶつけてくるからだ。
しかもジェンダーやマイノリティーへの理解と配慮は、ほぼゼロ!
「その言葉は使わないでください!」
と、ついつい声が尖ってしまった(頭も尖ってるけど・・・)。
わたしが、生まれて初めて、裁判所へ行ったのは
かれこれ30年近く前だ。
我が家の隣の土地が、裁判所で競売になり
その入札に行ったのが裁判所とのお付き合いの始まりだ。
提示されていた競売金額に、「1円」をプラスして入札した。
健さんやその父は、「1円」だけなんてみっともない、
恥ずかしい、お金を出すから「1円」はやめてくれ!
と、言い張ったが、たぶん誰も入札しないのに
もったいないからプラス「1円」を断行した。
健さんは、恥ずかしいから裁判所へ行かない・・・
と、言うのでわたし一人で、入札してきた。
開札日もわたし一人・・・他の入札者はいなかった。
裁判所の担当者も笑いをかみ殺しながら
プラス「1円」の金額を読み上げるのが分かった。
健さんの父が出すといってくれたお金を
わたしにちょうだいとお願いしたけど
それは、もらえなかった・・・
あれから30年・・・
わたしって、裁判所が似合ってる?