金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【東京都知事選に注目】 選挙の行方を左右するのか⁉ SNSのパワー!

2024-06-29 01:25:25 | 金融マーケット

 7月7日が東京都知事選の投票日となります。

 

 過去の東京都知事選を振り返ると、1960年代~70年代には、美濃部都知事の革新都政時代などもありましたが、基本的には「保守」基盤が強くて、むしろ実質的には保守同士の争いになることが多い選挙であります。

 もっと具体的に言うと、「自民党中央執行部」「自民党都連」が対立して、大抵は「自民党都連」側が勝利するパターンが多く、鈴木俊一都政や石原慎太郎都政などは、その範疇に入るのだと思います。

 ただ、今の小池百合子都知事の場合は、東京都連のドンである内田氏の影響力を危険と見た、当時の自民党の二階氏(2016年の都知事選直後に党幹事長へ就任)と裏で手を組んで、「都民ファーストの会」ともども大躍進したのが8年前この時は、自民党・公明党の正式な推薦候補である増田寛也氏に大差で勝利しました。

 

 さて今回は?

 自民党中央執行部が「裏金」問題で国民の支持を失っている状況下、立憲民主党は元党首(民進党時代ではありますが・・)の蓮舫氏を対抗馬に出してきました。東京都民の保守層が、自民党中央執行部への支持を失くしている点を上手く活かして、女性票を含めて獲得票を増やそうという戦術なのでしょう。

 しかし、東京都民はけっこう冷静な有権者が多く、小池百合子知事と自民党本部との関係を問題視する人はあまりいません。むしろ、この4年間は「コロナ対策」「ビジットジャパン復活策」「子育て支援対策」などで、休暇もろくに取らずに働きづめだった小池知事を相応に評価している有権者が主流。この2人の比較でいうと、全く勝負にならないと思います。

 

 それより何より、台風の目になりつつあるのが、前の広島県 安芸高田市長だった石丸伸二氏の存在。

 

 石丸伸二氏は、広島県安芸高田市出身の41歳で、2006年に三菱UFJ銀行に入行後、ニューヨークで為替アナリストなどに従事。2020年に銀行を退職し、安芸高田市長選へ立候補し当選。この4年間、スキャンダルで揺れていた安芸高田市政を立て直した人物

 この間、SNSなどを活用して、市政をリアルタイムで市民に伝えるとともに、着実に実績が積み上がっている状況などもアピールこの試みは全国の市町村長やマスコミ等にも刺激を与えて、幅広く名前も顔も知られる存在になったようです。

 

 当然ながら、この石丸伸二氏の東京都知事選の選挙活動としては、現行の規制の範囲内での「SNS活用」が予想されます。一方で、もっと特筆すべきは、安芸高田市長時代の石丸氏の活躍ぶりに興味を持った全国の YouTuber やSNSインフルエンサーが、自らの発信ツールの場に石丸氏を積極的に取り上げて、連日のように石丸氏のこれまでの実績を伝えたり、彼への関心を促す記事を拡散しています

 これはもう、地上波TVや選挙カーなどの影響力を1000倍、いや10万倍以上も超越したものになっていると感じます。

 

 さすがに、現職の小池百合子知事に勝つまではいかないと思いますが、立憲民主党推薦の蓮舫候補を凌駕する可能性は十分にある気がいたします。

 

 今回の石丸伸二氏の選挙活動とその結果は、これからの日本の選挙のやり方を根底から変えてしまうトリガーになるかもしれません。

 

 


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【為替レートが再び160円超へ】 為替はどうなる⁉ ってよく聞かれるので・・ <再々掲>

2024-06-28 01:08:34 | 金融マーケット

 またまた円ドル為替が160円を超えてしまいました。

 ゴールデンウィークの時は、当局による大規模な為替介入が2回入った影響で一旦は沈静化しましたが、また騒ぎが始まってしまったようです。

 こういう状況になると、各方面から「これから為替はどうなる⁉」という問い合わせが数多く寄せられますが、大枠の外部環境についてはあまり変化していませんので、基本的な環境認識は「あの時と同じ」です。

 したがいまして、2024年5月1日と5月10日の当blogで申し上げた見解を、改めて再掲いたします。

 ちなみに、同じ記事を2カ月の間に3回も掲載するのは、初めてであります!

 

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 為替市場が大きく動いています。

 日本国内が休場だった4月29日(月)には、円/ドル相場が158円台⇒160円台⇒154円台⇒156円台と、短時間に目まぐるしく変動いたしました。急スピードで160円台に乗せたところで、恐らく日本当局による為替介入があったと考えられています。

 ところで、金融担当大臣がよく「投機筋の動きを注視。急速な相場変動には強い姿勢で臨む」と言って、マーケットを牽制していますが、ここまでの円安の動きは本当に「投機筋」が主導していたのでしょうか?

 

 少なくとも、マーケットを近くで見ている身としては、ほとんど「投機筋」が相場を作っている様子は感じられません。むしろ、国内の機関投資家や資産運用会社は、ここ10年以上、政府日銀から睨まれるような行動を一切控えているのが現実。そんなことはお構えなしの海外のヘッジファンドや機関投資家でさえ、為替相場を短期間で動かそうとしている気配はありません

 じゃなぜ、こんなに、しかも安定的に、円/ドル相場が円安に進んでいるかというと、これはもう「実需」が原因としか言えません。

 

 「実需」の意味、は2つに分類できます。

 まず第1の「実需」が、海外の原油や穀物あるいは製品・原材料を購入するために「円を売ってドルに換える」という動き。エネルギーや食料品などを海外に依存せざるをえない日本としては減らしようがない「円売りドル買い」行動であり、またコロナ禍やウクライナ戦争の影響で、原油や穀物が値上がりしたことも、この第1の「実需」が増加している要因となっています。

 次に第2の「実需」。これは、海外投資が盛んに行われることから発生する「実需」です。新NISAがスタートして、「オールカントリー投信」「SP500投信」に個人マネーが大量に流れ込んでいますが、これらは全て「円売りドル買い」の要因になっています。

 また同じく、海外の投資家たち(ヘッジファンドを含む)は、金利の低い円で資金を調達して、金利が高く成長率が高い海外への投資を盛んに行っているため、ここでも「円売りドル買い」が発生いたします。ちなみに、この動きは「投機」ではなく、当たり前の「投資」のプロセスであり、第2の「実需」の中に含まれるものであります。

 

 以上のように、今の円安の流れは「実需」が牽引している流れなので、これに対して「当局による為替介入」を行っても、一時的な効果しかありません。そのうち、また「実需」の「円売りドル買い」のパワーが溜まっていって、為替相場を動かすことになってしまうからです。

 

 この流れを本格的に止めようとすれば、北米並みに「金利水準を上げていくこと」と「名目成長率を上げていくこと」が必要。こうなってくれば、国内外の投資家たちも、ドルを売って円を買い、そして国内の株式や債券を購入する流れが出来上がり、今度は円高への流れが復活することになります。

 しかし、今は日銀も「金利を上げる速度には慎重な姿勢」を保っています。これは国内景気がまだまだ盤石ではないこと、および国の財政への影響があまりにも大きいから。特に後者については、少しでも市場の信頼が揺らいでしまうと、このリスク自体で「円安を加速する危険」があります。

 この話題は金融当局・財政当局も、けして口にすることはありませんが、日本の財政事情があるため、思い切った金融政策変更の舵が切れないというのが、今の為替相場の深層事情

 

 こうした状況下、上記の「実需」要因によって、着々と、そしてゆっくりと、円安が進んでいるということ。

 簡単には、この流れは止まらない気がいたします。

 

 

 


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【7月1日】 高級官僚の人事異動のタイミング! 無事に予定の人事が発令できると良いが・・

2024-06-27 01:21:10 | 金融マーケット

 

 7月1日というのは、高級官僚の人事異動のタイミングであります。

 

 それと同時期の重要人事として代表的なのは「上場企業の取締役人事」でありますが、上場企業の取締役人事は、6月の株主総会の決議事項になるケースが殆どなので、基本的に3か月程度前には候補者の発表がされます。一方、高級官僚の人事異動については、省庁の次官人事や長官人事であっても、直前まで表に出ることはありません

 むしろ、有力と見られていた候補が、直近の省内不祥事の責任を取って消えることもあって、最後の最後まで予断を許さない人事となっています。

 このあたり、若い時から、省庁のトップを目指して頑張ってきた超エリート官僚が、最後の最後で部下の不祥事などのために、確実と思われた「トップの座」に就けなくなるというのは、傍から見てても「本当に気の毒」としか思えません。もちろん、本人に関するスキャンダルが原因のケースもありますが、その「スキャンダル」といっても、単に週刊誌が報じただけという「憶測情報」で昇格人事が消えることも。これなどはもう「風説の流布」という犯罪行為に近い。

 

 特に誰の事とは申しませんが、TVや週刊誌で徹底的に叩かれるエリート官僚の実の姿は、週刊誌の記者やTVコメンテイターなどに判るはずはありません。むしろ、その当事者の高校時代の同級生や、学生時代に住んでいた隣近所のオジさんオバさん達に聞いた方がよっぽど正しい姿が伝わってきます

 こう言うと、悪がしこい週刊誌の記者などは、当事者を嫌っていた同級生だけを探し当てて、彼らの発言だけを報じて「ほら、同級生からだって、こんなに酷い評判が蔓延っている」と、「印象操作」紛いの報道を重ねたりします。本当に性質が悪い

 

 7月1日に向けて、各省庁の官僚人事が次々と発表されていきますが、この一つ一つの人事にも、上記のような事情が隠れている可能性があって、そのたびに「割が合わない仕事だなぁ。けっこうな激務をこなしてきたのに・・」と同情心をもって見てしまいます。

 ここへ来て、最優秀な学生たちが、昔のように上級公務員試験を受験しなくなった背景には、こうした現状も影響しているのだと思います。

 

 真に、国や地域のために身を粉にして働きたいという最優秀な学生たちが、官僚も、政治家も目指さなくなるなんて、本当に悲しい時代になったと思います。

 

 


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【続報】 もなか姫の様態が急速に悪化 5月初めの症状に戻ってしまった・・

2024-06-26 03:08:55 | 

 もなか姫の様態が、今週の月曜日から急速に悪化してしまいました。

 

 前回報告時(6月12日)からの経緯を申し上げますと、もなか姫が膵臓癌ではなくて「膵嚢胞」であると判ってから、ワタクシと嫁さんは、もなか姫が13歳と高齢であることも踏まえて、外科手術はしないと選択。このあとは、もなか姫がなるべく平穏に穏やかに過ごしていけるよう、いわゆる終末医療方式を施していくことにしました。

 そして、もなか姫の「膵嚢胞」ですが、その後の経過観察の結果、「1週間~10日間程度の周期で膨張と収縮を繰り返す」ことも判りました。この膨張のピーク時が近づくと、もなか姫の1回の食事の量を少なくするとともに、一定のインターバルを空けるように工夫を始め、この工夫を注意深くやっていけば、1週間~10日間程度の周期の膨張と収縮についても、ストレスなく越すことができることが判りました

 

 しかし、6月24日の月曜日になって、もなか姫の症状が急速に悪化何も食べることが出来ないだけでなく、水分を摂ってもすぐに吐いてしまう状態に。これは、5月初め、もなか姫の変化に最初に気づいた時と同じ状態であります。おそらくは、体内の「膵嚢胞」が急拡大して、胃などの消化器系を圧迫しているのだと思います。

 すぐに、近所の主治医のところへ連れていき、猫用のガスター10、吐き気止め、そして水分補給用の注射をして貰って緊急措置。帰宅後は、ベッドの上でジッと動かずに眠っています。

 

 主治医の獣医さんのお話では、「膵嚢胞」とはいっても、これが慢性に現れる症状の背景には、やはりかなり悪性の病気が潜んでいる可能性が高いと。大元の原因が体内で急速に進行している場合は、緊急の対処療法を繰り返しても状態は良くならないとのこと。

 もちろん、また「膵嚢胞」が破れて小さくなれば症状が軽くなり、また飲食が普通に出来ることもあるだた、これを繰り返しながら症状は急速に進む可能性が高いと。

 

 もなか姫の「終末医療」がもう、山場を迎えてしまったようです。

 6月に入ってからの3週間は、もなか姫にとっても「自宅で安寧な時間」を過ごすことが出来ていました。

 

 出来るなら、もう1~2か月くらいは、もなか姫が嫁さんと一緒に、安寧に穏やかに過ごせる時間が続くことを願っておりましたが、そろそろ覚悟をしなければいけない時が近づいているようです。

 

 

 

 

 


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【スーパー種牡馬比較】 ディープインパクト 対 サンデーサイレンス 2024年6月23日現在

2024-06-25 01:18:20 | 競馬

 

 前回ご報告(2023年12月28日現在)以来、だいぶ時間が空いてしまいましたが、大種牡馬であるディープインパクトとサンデーサイレンスの種牡馬成績比較の直近状況をブラッシュアップさせて頂きます。約半年ぶりのご報告となります。

 

 昨年末から2024年6月23日現在までのディープインパクト産駒の実績進捗を申し上げますと、

 

 まずは、①JRA通算勝利数 ⇒ +17勝2781勝 (JRA新記録を更新中)

 次に、 ②JRA重賞勝利数 ⇒ + 3勝292

 重賞勝利の内訳は、5歳牡馬プラダリアが2月11日の京都記念(GⅡ)を勝利

          6歳牡馬プログノーシスが3月10日の金鯱賞(GⅡ)を勝利

          6歳牡馬ヨーホーレイクが6月1日の鳴尾記念(GⅢ)を勝利

 

 また海外でも、4歳牡馬オーギュストロダンが、ロイヤルアスコット競馬場でプリンスオブウェールズS(GⅠ)を快勝して、

     ③海外重賞勝利数 ⇒ + 1勝51勝 (JRA新記録を更新中)

     ⑤海外 GⅠ勝利数 ⇒ + 1勝34勝 (JRA新記録を更新中)

 

 これに伴い、

     ⑨JRA+海外重賞勝利数 ⇒ + 4勝343勝 (JRA新記録を更新中)

     ⑩JRA+海外 GⅠ勝利数 ⇒ + 1勝106勝 (JRA新記録を更新中)

 となりました。

 

 

 

現役時代のディープインパクト

 

 ちなみに下の表は、サンデーサイレンスとディープインパクトのスーパー種牡馬比較です。

 (2024年6月23日 現在

 

       サンデーサイレンス ディープインパクト

①JRA勝利        2749勝       2781勝

②JRA重賞勝利      311勝       292勝

③海外重賞勝利※1      15勝         51勝

④JRAGⅠ勝利※2     71勝         72勝

⑤海外GⅠ勝利         3勝         34勝

⑥JRA3歳クラシック      23勝         24勝

⑦英仏愛3歳クラシック     0勝         8勝

⑧リーディングサイヤー    13回         11回

⑨JRA+海外 重賞勝利  326勝       343勝

⑩JRA+海外 GⅠ勝利   74勝       106勝

 

 ※1 ③海外重賞は、GⅠ/GⅡ/GⅢ格付のある重賞のみカウント。

 ※2 ④JRAGⅠ勝利数にはJGⅠも含みます。

 

 

 ちなみに、2024年のJRAリーディングサイヤー争いでは、ディープインパクト産駒のキズナがトップを走っており、2位のロードカナロアに2億円6千万円超の差をつけて独走中であります。

 サンデーサイレンスからディープインパクトへ連なる血の継承は、そのままキズナが引き継いでいくのか否か、このあたりも注目して参りたいと思います。

 

 引続き、この「スーパー種牡馬比較表」はブラッシュアップして、不定期ではありますが、当blog内で報告して参る所存であります。

 

 


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