金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【アメリカ人の多くは他国の歴史に関心がない!】 トランプ大統領も同じです・・

2025-01-31 04:16:34 | アメリカ文化

 本日は、「アメリカ人の多くは他国の歴史に知見も関心もない」というテーマ。

 

 以下は、2017年のトランプ第一次政権の時の話

 トランプ大統領と日本の安倍晋三首相が会談をしている際、トランプ大統領から「シンゾー。日本は昔、中国と戦争をしたことがあったそうだな?」と質問があり、「日清戦争ですね。そう、戦いました」安倍首相が答える。さらにトランプ大統領「それは大変だったろう」と聞いてきたので、「ええ。でも日本が勝ちました」と説明すると、「それは本当か‼」と、かなりビックリしたらしい。

 さらに、安倍首相がこれに続いて、「日本はロシアとも戦争したことがあったのですよ」と言うと、トランプ大統領は、いかにも気の毒といった顔をして「それは本当に大変な戦いだったな」と返してきたので、安倍首相「ええ。でもロシアにも勝ったのですよ」と説明すると、「え~‼」と叫びながらビックリ仰天となったとのこと。

 近くにいたスタッフが、さすがにこれはマズイと思ったらしく、その次の会談からは、日本の歴史を事前レクチャーで勉強させたとの逸話が残っています。

 

 まぁ普通の大統領ならば、もう少し近代の戦争史くらいは勉強していると思いますが、一般アメリカ人の他国の歴史に関する知識および関心は、上記の逸話とほぼ同じ程度と思って間違いありません。

 ちなみに、アメリカのハイスクールの歴史授業は、「世界史」「アメリカ史」アメリカ史は実質250年しか期間がないので、けっこう詳細に学ぶようですが、世界史については、日本みたいに年表的に知識を詰め込むような授業ではなく、ポイントになりそうな世界史の事象を深く掘り下げる授業なので、網羅的で時系列的な一国の歴史を学ぶことはないとのこと。したがって、アメリカ以外の国の歴史について、ほとんど知見も関心もないのが当たり前のようです。

 

 これが世界の覇権国であるアメリカ国民の実態であります。

 さすがに、歴史上の覇権国である『ローマ帝国』『モンゴル帝国』、また七つの海を支配した『大英帝国』の歴史くらいは勉強した方が良いと思いますが、そういう大切なポイントは、アメリカのエリートたちがきちんと学ぶので、一般のアメリカ人には必要ないと考えているのですかね。いかにも、アメリカらしい合理主義の考え方であります。

 

 いずれにしても、GDPが世界の4%に過ぎない日本の歴史なんて、世界最強のアメリカ人にとってはどうでもいいこと彼らに日本を理解してもらうためには、そのことを念頭に入れながら、彼らに対する発信内容を考えていかねばならないのです。

 いつかトランプさんと会談することになる石破茂首相には、ぜひこの点をご認識頂ければと切に願っております。

 

 


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【昭和歌謡曲の歌詞】 令和のコンプライアンスでは、怖くて歌えない・・

2025-01-30 03:54:06 | トレンド

 

 年末年始の地上波TVで、昭和の歌謡曲を紹介する番組が多かったせいなのか、あるいは「不適切にもほどがある」の再放送を観ることが出来たせいか、懐かしの昭和歌謡曲を思い出すことが多くなりました。

 そういえば、ワタクシが大学生だった頃、あるいは社会人1~2年目の頃、当時のスナックカラオケでよく歌っていたのが、以下の2曲

 

カサブランカ・ダンディ 歌:沢田研二

 ききわけのない女の頬を

 ひとつふたつ はりたおして

 背中を向けて 煙草をすえば

 それで何も いうことはない

  ~ 後略 ~

 

我が良き友よ 歌:かまやつひろし

 下駄を鳴らして奴がくる 腰に手ぬぐいぶら下げて

 学生服にしみ込んだ 男の匂いがやってくる

  ~ 中略 ~

 男らしさと人が言う おまえの顔が目に浮かぶ

 力づくだと言いながら 女郎屋通いを自慢する

  ~ 後略 ~

 

 

 まずカサブランカ・ダンディ

 阿久悠作詞、大野克夫作曲の歌手沢田研二さんの代表曲の一つであります。

 冒頭の歌詞のところ、「女性の顔を張り倒した」時点で、令和の時代ではもう立派な暴力事件。逮捕されるのは当たり前で、さらには、むこう10年から15年くらい、仕事も干されてしまう大事件になってしまいます。

 この歌詞は、1970~80年代の男性が、1950年代のハンフリーボガードの男っぷりを懐かしがって歌う設定ですから、そのまま1980年代で許されていた行為ではありませんが、令和では「懐かしがる」だけでもアウト。それにしても、今となっては「怖い歌詞」であります。とても会社の仲間同士と行くカラオケで歌う勇気はありません酔っぱらった勢いでも歌ってはダメでありましょう。

 まぁもっとも、この頃TVで大人気だった「太陽にほえろ」「大都会」などの刑事ドラマでは、容疑者を捉まえて警察署内で取り調べをする時、刑事たちが替わりバンコに容疑者を殴りまくって自供させるシーンが当たり前でありました(そりゃ、再放送できない訳ですよね)

 何ごとにも寛容な昭和の時代を映す歌詞であります。

 

 次が我が良き友よ

 こちらは、1970年代の吉田拓郎作詞作曲のヒットソング歌手かまやつひろしさんの代表曲であります。

 問題なのは「力ずくだと言いながら 女郎屋通いを自慢する」というところ。けして実際の行動ではないのですが、古い学生時代の友達が得意げに話していた内容を懐かしむ歌詞。それでも、女性を力づくで何とかすることを自慢するメンタリティ自体、令和のコンプライアンスであれば、生涯を通じて許されない内容ですから、ましてやこれを懐かしむとは・・と呆れられてしまうでしょう。さらに「女郎屋通い」というのは、1970年代でも違法である「赤線の利用」を指しますので完全に法令違反行為

 ワタクシのようなおじさんが、この曲を若い女性の前で歌ったりしただけで、もう翌日には社内中に広まってしまいますとんでもない「セクハラ」「パワハラ」「モラハラ」親父ということになるでしょう。

 

 

 あぁ~ ボギー!

 あんたの時代は良かったぁ・・

 


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【キリスト教福音派】 欧州と米国で、ユダヤ教の位置付けが異なっている! <再掲>

2025-01-29 03:17:55 | 金融マーケット

 

 2025年1月21日の当blogで「トランプさんの真の狙い」について私見を申し上げましたが、その際「キリスト教福音派」の名を挙げて、ウクライナよりもイスラエル、すなわち中東和平の方が優先度が高いと書きました。

 そしたら「キリスト教福音派」って? という問い合わせが幾つかあったので、2024年1月19日の当blogで書いた記事を再掲いたします。少し参考になる内容だと思いますので。

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 前回「欧州の世論は、イスラエルの強硬姿勢への拒絶反応が膨らみつつあるのに対して、米国の世論の多くは、むしろイスラエル強硬姿勢を支持している」状況をお話ししました。そして、そうした国際世論の左右のブレが、ガザ地区の戦乱を収拾させるパワーを削いでいると申し上げました。

 

 今回は、「なぜ同じキリスト教圏である欧州と米国で、そのような世論の違いが生まれているのか?」について、ワタクシの見解を述べてみたいと思います。

 

 この違いの原因は、そもそも「キリスト教にとってのユダヤ教の位置付け」の違いがあるからだとワタクシは考えています。

 ご案内のとおり、キリスト教は、2000年前にユダヤ教から生まれた新興の宗教であります。ユダヤ教徒であったイエスが、十字架に架けられあとに復活を遂げたことから、「イエスは救世主である」と信じたイエスの弟子たちがイエスの教えを布教し始めました。これがキリスト教の起源であります。

 

 問題は、「救世主であるイエスが十字架に架けられた経緯」。ローマ帝国支配化にあった当時のエルサレムにおいて、「イエスを十字架に架けよ」と強く迫ったのは、ユダヤ教保守派のユダヤ人自身でありました。このあたりは、マタイ福音書第27章第25節にあるとおり、イエスの処刑を躊躇するローマの総督に対して、「その血の責任は、我々と我々の子孫の上にかかっても良い」と、ユダヤ教の祭司長と長老たちが群衆を促して処刑を求めさせたとなっています。

 マタイの福音書は新約聖書の一部であります。ローマカトリックでも、宗教改革後のプロテスタントでも、欧州大陸のキリスト教徒たちは、当然ながらキリスト教の聖典を暗唱できるくらいに繰返し繰返し頭に刻み込むことになります。結果として、欧州大陸のキリスト教徒の潜在心理の奥底には「イエスを十字架に架けたのはユダヤ人」という想いが強く刻まれていきます。これが、2000年の間、欧州大陸に蔓延った、陰湿かつ根深い「ユダヤ人差別」の原因と考えられています。

 そして、今の欧州大陸のキリスト教徒の潜在意識には「ユダヤ人は『あの時と同じようにやり過ぎている』のではないか?」という想いが根強くある気がいたします。

 

 一方で、建国から約250年しか経っていない米国。アメリカのキリスト教には、欧州のキリスト教内にあるような古くからの因習や恨みにも似た偏見はなく、それとは無縁の新しい風が吹き込まれており、ユダヤ教は、キリスト教が生まれるための「親」のような存在(=キリスト教福音派)と理解されています。すなわち、お互い同族に近く、双方は繋がっている存在という感覚です。したがって、神が創った国であるイスラエルが苦しんでいる状態、あるいは誰かから傷つけられている状況をキリスト教徒は見過ごすべきではない、という想いがまず先に立ちます。

 この違いが、今回の欧米の世論の違いを生んでいるというのが、ワタクシの見解であります。そう考えると、根が深い問題であるため、なかなか事態収拾に向けた糸口が見つからないのも頷けるというもの。

 

 ちなみに、ユダヤ教にとって「キリスト教」はどう見られているのでしょうか。

 ユダヤ教にとってイエスは救世主ではなく、一人の預言者に過ぎません。したがって、キリスト教のことは「ナザレ派」と呼ばれ、ユダヤ教から派生した一派と看做されています。当然ながら、救世主の誕生を祝うクリスマスという習慣はあり得ません。

 

 最後になりますが、今回のガザ地区の戦乱は、イランとハマスが企図した軍事作戦にイスラエルがまんまと嵌って、中東情勢がもとの混迷時代に戻されてしまったという事象です。

 本来ならば、「過去よりも未来を見据えて新たな時代の幕開け」となるはずだった中東地域。我々日本人は、目の前の惨状をただ嘆いたり、「平和をただ祈る」というだけで思考を止めてしまいがちですが、それだけでは何も解決いたしません。実現直前だった中東地域の新しい未来のために、今の日本に何が出来るのかという視点から、この状況をあらためて考察していくことが重要であります。

 

 


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【第59回 スーパーボウル】 出場2チームが決まる!

2025-01-28 02:38:05 | アメリカ文化

 

 第59回スーパーボウルは、現地の2025年2月9日(日)にニューオリンズのシーザース・スーパードームで開催されますが、スーパーボウルに出場する2チームが決定しました。

 

 現地1月26日(日)に行われたAFCチャンピオンシップでは、カンザスシティ・チーフスバッファロー・ビルズを32-29で破り、一昨年昨年に続いて3年連続7度目のスーパーボウル出場を決めました。

 

 

 また、同じくNFCチャンピオンシップでは、フィラデルフィア・イーグルスワシントン・コマンダーズを55-23で破り、2年ぶり5度目のスーパーボウル出場を決めました。

 

 

 チーフスが勝てば3年連続5回目の優勝イーグルスが勝てば8年ぶり2回目の優勝となります。伝統を誇る2チームによる世界一決定戦であります。

 

 実はこの2チーム、2年前のスーパーボウルでも対戦しており、前回はチーフスが38‐35で接戦を制しました。王者チーフスが3連覇を果たすのか? あるいはイーグルスが2年前の雪辱を果たすのか?

 注目の一戦は、現地2月9日(日)、日本時間では2月10日(月)であります。熱戦を期待いたしましょう!

 

 


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【重賞回顧】 AJCC・プロキオンS・小倉牝馬S

2025-01-27 01:26:51 | 競馬

 まずは小倉牝馬S

 勝ったのは、ゴールドシップ産駒の5歳牝馬フェアエールングとロードカナロア産駒の6歳牝馬シンティレーションが同着勝利。フェアエールングは中団9番手待機、シンティレーションは後方12番手待機で脚を溜めます。逃げたベリーヴィーナスの前半1000mのラップは57秒7とかなりのハイペースの流れに。直線に入るとまず、1番人気クイーンズウォークが先頭に立ち、そのまま押し切りを図ります。しかし残り50mのところで、フェアエールングとシンティレーションの2頭が前を交わして並んだままゴール。写真判定の結果、同着で2頭勝利となりました。良の勝ちタイムは1分58秒4。1馬身差の3着には、後方12番手から差してきたゴールドシップ産駒コガネノソラ、1/2馬身差の4着には、最後方16番手から追い込んできたサトノダイヤモンド産駒オーロラエックス

 フェアエールング、シンティレーションともに、嬉しい重賞初勝利。2頭とも、これまで重賞2着はありましたが、JRA重賞勝利は格別のものでありましょう。今回は前が速くて止まる展開で、中団から後ろにいたことが一番の勝因ですが、地力がついてきたことも確か。今回のような消耗戦になれば、またチャンスがあると思います。

 3着コガネノソラ、4着オーロラエックスも、後方に位置を取ったことが好走の第1の要因。またこの2頭も、切れ味というよりは、長く良い脚を使うタイプなので、これもハマった感じ。

 一方、1番人気で6着に敗れたクイーンズウォークですが、ハイペースの中で好位から早め先頭で勝ちに行った競馬ですから、止む無しと言えます。GⅡGⅢの重賞ならば、これからも十分に主役を張れる馬だと思います。

 

 

 次は中京のプロキオンS。

 勝ったのは、スズカコーズウェイ産駒の5歳牡馬サンデーファンデー。好スタートからマイペースの逃げへ。前半1000mのラップは1分1秒2と平均ペース。直線に入ると、サンデーファンデーがスピードを加速、そのまま押し切りを図ります。残り100mのところからキズナ産駒サンライズジパングが猛然と追い込んできますが、アタマ差届かずにサンデーファンデーが逃げ切り勝利。ダート良の勝ちタイムは1分50秒6。2着サンライズジパングからクビ差の3着には、3番手から粘ったドゥラメンテ産駒ドゥラエレーデ

 勝ったサンデーファンデーは嬉しい重賞初勝利絶好のペース配分で逃げ切り勝利となりました。2走前から見違えるように、逃げてからの粘り強さを見せるようになっており、地力がついてきた証拠。本番のフェブラリーSでもレースの流れを牽引する存在になると思います。

 2着のサンライズジパングは惜しいレースではありましたが、本番への試走としては十分な内容。これは3着のドゥラエレーデも同じ。(と思ったら、サンライズジパングの次走はサウジの芝3000mになるとのこと!)

 また、6着カズペトシーンは最後方待機からの差しを試し、7着オメガギネスは2番手からの粘り込みを試してのレースが出来ました。いずれも本番の府中ダート1600mを想定した試走が出来たと思います。

 

 

 そして中山のAJCC

 勝ったのは、エピファネイア産駒ダノンデサイル。7番手追走で脚を溜めます。逃げたアウスヴァールの前半1000mのラップは1分0秒6と平均ペースに。直線に入ると、後方14番手からマクリ気味に前進してきたアルアイン産駒コスモキュランダが先頭に立ちます。そこに最内からハーツクライ産駒マテンロウレオが迫り交わしますが、さらに大外からダノンデサイルが差し切って3/4馬身差をつけて勝利。良の勝ちタイムは2分12秒1。2着にはマテンロウレオ、ハナ差の3着がコスモキュランダ。さらに2馬身1/2差の4着がボルドグフーシュ

 昨年のダービー馬が鮮やかな勝利を飾りました。有馬記念3着のあと放牧に出るはずが、安田翔伍調教師の判断でAJCCに出走。調教方法を変えることで、ダノンデサイル本来の力を引き出す試みに踏み切りました。今回の勝利が調教師の思い通りの結果だったかどうかは判りませんが、新たな一歩を踏み出したことは確かなようです。

 2着マテンロウレオは、3番手の内で脚を溜めて、最短コースを上手く立ち回った横山典弘騎手の好騎乗が好走理由。一方、3着のコスモキュランダは勝ちに等しい強いレース内容でした。やはり、中山でのコスモキュランダは強い

 なお、2番人気で12着に敗れたレーベンスティールは敗因が判らず。ルメール騎手によると少し筋肉がつき過ぎたことで距離が長すぎたかも・・とコメント。ここからは、距離を詰めてくるかもしれません。

 

 


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