年末年始の地上波TVで、昭和の歌謡曲を紹介する番組が多かったせいなのか、あるいは「不適切にもほどがある」の再放送を観ることが出来たせいか、懐かしの昭和歌謡曲を思い出すことが多くなりました。
そういえば、ワタクシが大学生だった頃、あるいは社会人1~2年目の頃、当時のスナックカラオケでよく歌っていたのが、以下の2曲。
【カサブランカ・ダンディ】 歌:沢田研二
ききわけのない女の頬を
ひとつふたつ はりたおして
背中を向けて 煙草をすえば
それで何も いうことはない
~ 後略 ~
【我が良き友よ】 歌:かまやつひろし
下駄を鳴らして奴がくる 腰に手ぬぐいぶら下げて
学生服にしみ込んだ 男の匂いがやってくる
~ 中略 ~
男らしさと人が言う おまえの顔が目に浮かぶ
力づくだと言いながら 女郎屋通いを自慢する
~ 後略 ~
まず「カサブランカ・ダンディ」。
阿久悠作詞、大野克夫作曲の歌手沢田研二さんの代表曲の一つであります。
冒頭の歌詞のところ、「女性の顔を張り倒した」時点で、令和の時代ではもう立派な暴力事件。逮捕されるのは当たり前で、さらには、むこう10年から15年くらい、仕事も干されてしまう大事件になってしまいます。
この歌詞は、1970~80年代の男性が、1950年代のハンフリーボガードの男っぷりを懐かしがって歌う設定ですから、そのまま1980年代で許されていた行為ではありませんが、令和では「懐かしがる」だけでもアウト。それにしても、今となっては「怖い歌詞」であります。とても会社の仲間同士と行くカラオケで歌う勇気はありません。酔っぱらった勢いでも歌ってはダメでありましょう。
まぁもっとも、この頃TVで大人気だった「太陽にほえろ」「大都会」などの刑事ドラマでは、容疑者を捉まえて警察署内で取り調べをする時、刑事たちが替わりバンコに容疑者を殴りまくって自供させるシーンが当たり前でありました(そりゃ、再放送できない訳ですよね)。
何ごとにも寛容な昭和の時代を映す歌詞であります。
次が「我が良き友よ」。
こちらは、1970年代の吉田拓郎作詞作曲のヒットソング。歌手かまやつひろしさんの代表曲であります。
問題なのは「力ずくだと言いながら 女郎屋通いを自慢する」というところ。けして実際の行動ではないのですが、古い学生時代の友達が得意げに話していた内容を懐かしむ歌詞。それでも、女性を力づくで何とかすることを自慢するメンタリティ自体、令和のコンプライアンスであれば、生涯を通じて許されない内容ですから、ましてやこれを懐かしむとは・・と呆れられてしまうでしょう。さらに「女郎屋通い」というのは、1970年代でも違法である「赤線の利用」を指しますので完全に法令違反行為。
ワタクシのようなおじさんが、この曲を若い女性の前で歌ったりしただけで、もう翌日には社内中に広まってしまいます。とんでもない「セクハラ」「パワハラ」「モラハラ」親父ということになるでしょう。
あぁ~ ボギー!
あんたの時代は良かったぁ・・