まずは、ダート1200mのドバイゴールデンシャヒーン(GⅠ)。勝ったのは、米国の5歳騙馬シベリウス。中団待機で脚を溜めます。直線に入ると、先行した米国の2頭、ガンライナー産駒ガナイトとクオリティロード産駒ホプキンズが抜け出して激しい競り合いに。その内側からシベリウス、外側から地元UAEのスペインタウン産駒スイッツァランドが鋭く伸びてきて、シベリウスがハナ差だけ前に出たところがゴール。勝ちタイムは1分10秒69。2着にはスイッツァランド、1/2馬身差の3着にガナイト。
日本馬では、後方から追い込んだリメイク、レッドルゼルが5着と6着。中団から進んだレモンポップは10着、ジャスティンは12着。フェブラリーS勝ち馬のレモンポップは、やはりレース間隔を開けられなかったのが敗因でしょう。ここでユックリ休養をさせて、秋に備えて欲しいと思います。
次は、芝1800mのドバイターフ(GⅠ)。勝ったのは、英国の7歳騙馬ロードノース。中団待機で脚を溜めます。直線に入るとまず、2番手から地元UAEの4歳牡馬ネーションズプライドが先頭に立ちますが、その横からロードノースが並びかけて抜け出します。そのまま後続に3/4馬身差をつけて快勝。1分47秒39。2着には最後方から追い込んできた日本のハーツクライ産駒の4歳牡馬ダノンベルーガ、アタマ差の3着にはネーションズプライド。
勝ったロードノースは、これでドバイターフ3連覇。デットリー騎手共々、お見事と言うしかありません。ダノンベルーガは最後方から豪快に差してきましたが、惜しい2着。仕掛けた時に前が塞がらなければ・・という悔しい内容。
5着のセリフォスは、途中突き抜けるか?という気配も見せながら、伸びきれず。距離が少し長かったか。ヴァンドギャルドは後方のままで14着。昨年・一昨年のような元気はありませんでした。
そして、芝2410mのドバイシーマクラシック(GⅠ)。勝ったのは、日本からの4歳牡馬のキタサンブラック産駒イクイノックス。好スタートからマイペースの逃げへ。直線に入るとスピードを加速して、後続を3馬身1/2差、突き放して圧勝。2分25秒65のコースレコードのオマケ付き。2着には、6番手追走から差してきた英国の4歳牡馬のフランケル産駒ウエストオーバー、2馬身1/4差の3着には、2番手から粘った仏の4歳牡馬ザラック産駒ザグレイ。日本のシャフリヤールは中団から伸びきれず5着、ウインマリリンも同じく6着。
日本の天才馬イクイノックスが、世界を相手に持ったままの大楽勝を演じました。この馬には「燃え尽き症候群」などは無縁でありました。そう言えば、先日亡くなったハーツクライのドバイシーマクラシックを彷彿させる先行逃げ切り劇。そう言えば、あの時も鞍上はCルメール騎手でした。このような先行競馬が出来るのではあれば、ぜひ欧州遠征をしてほしい。ロイヤルアスコットのキングジョージ&クイーンエリザベスSで3着に入ったハーツクライのように、先行力を活かした競馬で世界制覇を成し遂げて欲しいと思います。
いや~「モンスター・パフォーマンス!」と叫ばれるほど強かった。これで世界ランキング1位の地位に就くのは確定だと思います!
ラストは、ダート2000mのドバイワールドカップ(GⅠ)。勝ったのは、日本の6歳牡馬、オルフェーヴル産駒ウシュバテソーロ。最後方待機で脚を溜めます。逃げを狙ったパンサラッサに地元UAEのリモースが競りかけたため、前半のペースがかなり速くなりました。直線に入ると先行馬が後退、5番手から英国の6歳騙馬のシャマーダル産駒アルジールスが先頭に立ちます。そこに、大外からウシュバテソーロと、内側からテーオーケインズの2頭が襲い掛かり、ウシュバテソーロが豪快に突き抜けて2馬身3/4差で完勝。勝ちタイムは2分3秒25。2着にはアルジールス、アタマ差の3着には、後方から追い込んできた米国の5歳牡馬のクオリティロード産駒エンブレムロード。
日本馬のテーオーケインズは4着、後方から差したクラウンプライドは6着、逃げたパンサラッサは10着、中団から伸びきれなかったジオグラフが11着、同じくカフェファラオが12着、ヴェラアズールが13着、ジュンライトボルトが15着でした。
勝ったウシュバテソーロは、6歳馬ながら、これで5連勝でドバイワールドカップ制覇となりました。しかも、東京大賞典⇒川崎記念⇒ドバイWCとGⅠ級を3連勝。ここへ来て一気に覚醒した感がありますので、この勢いで秋の米国BCクラシックへ向かって欲しい。今年の舞台は西海岸なので、日本馬にとっては遠征距離が短縮されているのでチャンス。
オルフェーヴルの闘争心溢れる血脈が、ウシュバテソーロをダート世界一の座に押し上げてくれると信じます。
【おまけ】
おまけで、日本馬が出走した次のレースも簡単に振り返ります。
まず、ダート1600mのゴドルフィンマイル(GⅡ)。勝ったのは、地元UAEの5歳牡馬アイソレート。好スタートからスピードを活かした逃げへ。直線に入ってもスピードは緩まず、そのまま後続を突き放して圧勝。2着は中団から差してきたUAEの6歳騙馬ローオブピース、3着はウルグアイの6歳牡馬アトレティコエルクラーノ。2番手追走したバスラットレオンは、ラストまで粘りましたが4着。同じくウインカーネリアンは6着、ラウダシオンは後方のまま11着。
そして、ダート1900mのUAEダービー(GⅡ)。勝ったのは、日本のマインドユアビスケッツ産駒デルマソトガケ。好スタートからスピードを活かした逃げへ。直線に入るとスピードを加速、そのまま後続を突き放して完勝。2着は2番手追走の日本のドゥラメンテ産駒ドゥラエレーデ、3着は3番手から日本のドレフォン産駒コンティノアール、4着も日本のヘニーヒューズ産駒ペリエール。
デルマソトガケは、全日本2歳優駿(GⅠ)の勝ち馬で前走のサウジダービー(GⅢ)は3着。これでケンタッキーダービーへの出走権を獲得。2着ドゥラエレーデはホープフルS(GⅠ)の勝ち馬、3着コンティノアールはカトレアSの勝ち馬、4着ペリエールはヒアシンスS(L)の勝ち馬。何と1~4着まで日本馬が独占しました。なお、JBC2歳優駿の勝ち馬ゴライコウは後方ままで12着でした。
芝に続いて、ダートの世界も日本馬が世界を席巻する日が近い気が致します。米国のケンタッキーダービーやBCクラシックで日本馬が上位を独占するところを是非見てみたいと思います。