金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【将棋 王位戦七番勝負が開幕!】 藤井聡太王位 対 豊島将之九段!!

2022-06-30 05:50:50 | 将棋

 6月28日(火)29日(水)の両日、将棋界注目の一戦、王位戦七番勝負第1局が愛知県犬山市の「ホテルインディゴ犬山有楽苑」で行われ、先手番の豊島将之九段が121手の熱戦を制して、まず1勝となりました。

 

 戦型は、先手番の豊島将之九段が角換わりを主張して、一気に駒組が進みます。この両者の対局では、相掛かりか、角換わりになるケースが殆どであり、両者が研究し尽くしている序盤は、猛スピードで進むのがいつものパターン。1日目の午前だけで48手まで進みました。そして、午後からは豊島九段が一気に急戦を仕掛ける展開に。まさか初日で終わってしまうのか? という状況になって、このまま終盤戦に突入か、というところで豊島九段が79手目を封じ手

 ちなみに、ここまでで残時間の差は3時間以上。終盤が強い藤井聡太王位に対して、残時間の差で均衡を保とうとする豊島九段の作戦だと思います。

 2日目に入っても、目まぐるしい攻防が続きますが、1日目の研究手順により残時間で大差をつけた挑戦者の豊島九段が、自分のペースを守り続けて徐々に優位に立ち、終盤もミスなく進めて寄り切り勝ち会心の1局となりました。

 

 第2局は、7月13日(水)14日(木)に北海道札幌市の「ぬくもりの宿 ふる川」で行われます。藤井聡太王位の巻き返しに期待いたしましょう!


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【初の女性プロ棋士誕生なるか!?】 里見香奈女流四段が棋士編入試験に挑戦を宣言!!

2022-06-29 05:47:26 | 将棋

 本Blogの今年の6月1日の記事でも紹介したとおり、里見香奈女流四冠がプロ棋士編入試験の受験資格を得ておりましたが、6月28日(火)に、ご本人から「棋士編入試験」に挑戦する意向を、日本将棋連盟を通じて明らかにしました。

 

 このあたり、もう1回、基礎からお話いたします。まず、『女流棋士』『プロ棋士』とは異なります。現在まで、女性の『プロ棋士』は誕生しておりません

 もともと、プロ棋士の世界とは、男女の区別なく、奨励会に入った上で各ステージのリーグ戦を勝ち抜いて、奨励会 最上位の三段リーグの上位2名しか、毎半年にプロ棋士には成れない仕組み。そして、26歳に到達すると三段リーグから去らなければならず、年齢制限により、プロ棋士になるのは諦めなければなりません。

 ただし例外措置として、26歳超となっても、アマチュア棋士、あるいは女流棋士として、公式戦でプロ棋士と対局する機会を得て、「最近の公式戦で10勝以上、かつ勝率6割5分以上」の条件が満たされれば、プロ棋士編入試験の受験資格が得られるのです。

 里見香奈女流四冠は、直近公式戦において男性のプロ棋士相手に10勝4敗の成績を残し、この基準を今年5月にクリアしていたのです。

 ただし、あの時にも申し上げましたが、私は「受験はしない」という見方をしておりました。すでに女流トップ棋士として、タイトルも収入も、相当に得られる立場にあるため、その立場を捨ててまで、敢えて男女の区別のないプロ棋士を目指すモチベーションが湧きづらいと思ったからです。

 

 それでも、彼女は敢然として、棋士編入試験に挑戦することを選択いたしました。ジェンダーの旗手として、女性として初めて、「『プロ棋士』という男社会の壁」を壊すことに、命を賭ける覚悟を決めたのでしょう。しかし、この棋士編入試験は一筋縄ではいかないハードルであります。

 

 この棋士編入試験は、5人の試験官=プロ棋士(四段・五段棋士の中から選ばれる)との対局で決まる試験先に3勝すれば合格。3敗してしまうと不合格となります。今まで、男性の中には、この編入試験を経て、プロ棋士になった事例がいくつかあります。直近では、30歳でプロ編入試験に合格してプロ棋士となった折田翔吾四段の例があります。

 この時、試験官として選ばれる四段・五段の棋士たちは、正直に言って、やりづらい立場です。相当年上の、しかも三段リーグの先輩が、ようやくラストチャンスを掴んで、プロ棋士になろうという試験ですから、やりづらい。もちろん、本気で勝負に臨む訳ではありますが、殆どの将棋ファンは挑戦者を応援しますので、試験官側が悪役になりきれずに負けるケースが散見されます。

 ただし、今回は異なります。相手は、すでに女流棋士としてトップに立っているスター。しかも、プロ棋士のタイトル戦予選を勝ち抜いて、本戦トーナメントに出てくるほどの実力の持ち主。もし、試験に失敗したとしても、今の女流棋士の立場に戻れば良いだけで、失うものがない立場。こうなると、若手の四段・五段の棋士たちも、試験官として絶対負けられないという決意をもって、勝負に臨んでくるものと思います。

 

 このあたり、里見香奈女流四段としても、よくよく判っているだけに、「全力を尽くしますので、静かに見守っていただけると幸いです」とのコメントを出しています。

 

 私個人としては、里見香奈女流四段の挑戦を、全面的に応援したいと思います。女流棋士の想いを一身に背負って、また、全てのジェンダーの想いを背負って、この強固な「男社会の壁」をぶち壊そうという勇気に、心から拍手を贈りたいと思います。

 五番勝負は、8月頃からスタート。原則として月1局のペースで行われる予定。

 

 頑張れ! 里見香奈‼


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【激しく動き続ける 円/ドル相場】 円安はどこまで続くのか⁉    再掲載

2022-06-28 05:44:57 | 金融マーケット

 以下は、今年の4月21日に当Blogで掲載した記事です。お問い合わせが多いので、あらためて再掲載いたします。

 

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 長らく100円~120円の間で安定していた「円/ドル」の為替レート。ここへ来て、一時129年台に入るなど、一貫して円安の方向へ動き続けています。

 

 今の円安の原因は、アメリカと欧州の中央銀行が、金融引締めへ舵を切っているのに対して、日本の中央銀行、すなわち日銀が、金融緩和の方向性を変えていないこと。長らく足並みを揃えていた先進国中央銀行のスタンスの違いが際立っているため、そこを突いて、ゼロ金利通貨から、金利上昇通貨へ資金の流れが勢いづいているのです。

 ところで、為替レートには、ベースとなる価格形成の理論はあるのでしょうか?

 例えば、同じ相場ものとして、株式や債券には、当然のように価格形成の理論は確立しています。債券で言えば、将来発生する利払いと元本償還のキャッシュフローを、今の金利水準=イールドカーブで現在価値に割り引いたものが理論価格になります。信用力が劣る債券であれば、割り引くイールドカーブに、その分、信用スプレッドを足して割り引くことで理論価格が計算できます。また、株式も基本は同じ。将来生み出される配当金と株式の解散価値を、現在のイールドカーブで割り引いたものが理論価格になります。ただし、株式は日々の価格変動リスクが大きいため、そのリスクプレミアムを価格に換算する必要があり、これも現在のイールドカーブにリスク分を上乗せして現在価値を割り引くことで、理論価格を計算することができます。

 もちろん、理論価格と実勢価格はズレます。それは、日々の価格には、売りと買いの需給バランスが大きく影響するからです。しかし、これが大きくずれた時には、投資家にはチャンスが到来する訳です。いずれかのタイミングで、実勢価格は理論価格に近づいていくはずだからです。

 

 それでは、為替レートに、価格形成の理論はあるのでしょうか。古典的には「購買力平価」という理屈があります。各国で同じものを買ったらいくらか。例えば、ビックマックをNYで買うと3ドル、東京で買うと360円だとします。であれば1ドル=120円が適正レートだということになります。これはシンプルで分かりやすいのですが、あらゆる消費財や間接財を合算すると、各国でバラバラな税制や優遇制度があったりして、とんでもない「適正レート」になったりするのが、この購買力平価。まぁ、10年とか20年単位で見れば、相応に使える指標なのですが、短期的な為替レートの理論値としては、まず役に立ちません

 では、為替レートを見る上で、需給要因以外に、何が為替の「適正水準」を決めてきたのか。誤解を恐れずに申し上げれば、これは「政治」が決めてきたと言えると思います。特に、資本主義経済を支配してきたアメリカの政治です。

 1986年のプラザ合意によって、円/ドルレートが240円から一気に120円まで突き進んだのは、当時のアメリカのレーガン政権の意志です。また2016年~2020年のトランプ政権時代も、120円を超えていた円/ドルレートを100円近辺まで押し下げたのも、当時のトランプ大統領の強い意志でした。

 

 今回の円安局面では、黒田日銀総裁が「急激な円安は経済にマイナス」と抑制を図ったものの、市場はこの発言を無視。まぁ、こういう局面では日銀総裁くらいの意志は無視されるもので、市場はもっぱら、アメリカのバイデン政権の意志を推し量っています

 バイデン政権からすると、国内経済が過熱気味で、国民の第一の不満は「国内のインフレ」。ウクライナでの失態もあって、このままでは中間選挙は大敗を喫するリスクがあるため、せめてインフレだけでも早急に火消しをする必要に迫られています。すなわち、FRBの金利上昇スピードの加速と併せて、ドル高施策による輸入物価沈静化が急務ということ。という訳で、急激なドル高に対して、一切否定的なコメントが出てこない訳です。

 投機筋「バイデン政権の沈黙」を理由に、新たな水準へ円/ドルレートの切り上げを仕掛けています。ちなみに、この水準になると、プラザ合意で240円から120円へ急落したレンジに入りますので、チャート上の「節目」はほぼありません。敢えて言うと、150円周辺180円周辺だけです(当時、私は日本株のファンドマネージャーだったので、よく覚えております)。

 

 何もしないで、ボーと眺めていると、一気に150円、180円という水準も見えてきてしまいますよ。黒田さん‼


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【GⅠ回顧】 上半期の総決算 宝塚記念を勝ったのは、ドゥラメンテ産駒タイトルホルダー‼

2022-06-27 05:55:07 | 競馬

 上半期の総決算 宝塚記念を制したのは、ドゥラメンテ産駒タイトルホルダー。一言で言えば、もの凄いレースでした!

 好スタートから、逃げるパンサラッサを行かせて、絶好の2番手を獲ります。パンサラッサの前半1000mのラップは57秒6のハイペース。これにたじろぎもせずに追走していきます。淀みのない、息を入れる間もない消耗戦のまま、直線に入っていきます。粘るパンサラッサを早めに交わして先頭に立ちます

 6番手からハーツクライ産駒ヒシイグアスが差してきますが、これを寄せ付けず、2馬身差のまま完勝勝ちタイムは、2分9秒7のコースレコード2着はヒシイグアス、3着はラストでディープボンドを差し切ったデアリングタクト

 2着ヒシイグアスは、この厳しい展開の中で6番手からよく2着に迫ったと思います。GⅠ制覇までもう少しの状況。3着デアリングタクトは、これで完全復調が成ったと言えると思います。お見事なレースでした。4着ディープボンドも力を発揮しましたが、GⅠ制覇には一歩、何かが足りない感じ。5着マイネルファンロンは、素直に参ったという言葉。地力があることを証明しました。

 

 勝ったタイトルホルダーは、これで現在の日本最強馬となったと言えるでしょう。そして、是非に秋の凱旋門賞へ挑戦してほしいと思います。しかも、逃げて押し切る競馬が出来る最強馬による凱旋門賞への挑戦なので、ディープインパクト、オルフェーヴルと並ぶほど、期待が持てる挑戦になると思います。

 ただし、騎手は横山和騎手ではなく、Cルメール騎手か、現地のCデムーロ騎手、あるいはRムーア騎手あたりを早く押さえておくべきと考えます。

 

 最後に、1番人気のエフフォーリアについて。早熟とか、エピファネイア産駒の限界とか、ネットが騒いでいますが、そうではなくて、問題はメンタルだと思います。3歳時に限界まで調教を頑張り過ぎて、走る楽しさとか、喜びを置いてきてしまった感じ。

 中学受験で魂の抜け殻になってしまい、その後、頑張るエネルギーを失ってしまった人に近い症状だと思います。もう一度、生きる喜びや走る楽しさを思い出させることから始めるべき。僕ら人間が抱えている問題と同じ症状に見えてきます。


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【2歳戦回顧】 6月25日~26日

2022-06-26 16:00:57 | 競馬

 土曜日は函館1R芝1200mを勝ったキンシャサノキセキ産駒ミシュラドラータ5番手追走から、4コーナー手前から前に進出、直線では早め先頭に立ってそのまま押し切りました。勝ちタイムは1分10秒4。2着は後方から外を差してきたディスクリートキャット産駒べべ、3着は4番手から内を差してきたキンシャサノキセキ産駒トラネスハープ

 

 阪神1R芝1600mを勝ったヴィクトワールピサ産駒コスモサガルマータ後方6番手で脚を溜めます。直線に入っても、外に持ち出すのに時間がかかり、先に抜け出したゴールドシップ産駒マイネルメモリーをラスト100mのところから追いかけてクビ差だけ差し切ったところがゴール。1分34秒9の勝ちタイム。2着はマイネルメモリー、3着は最後方から追い込んできたハーツクライ産駒ビューティーワン上位3頭は、今後も楽しみな存在なので、3頭ともに覚えておきましょう。

 

 東京1R芝1600mを勝ったバゴ産駒スズカダブル好スタートから3番手追走へ。直線に入ると、馬場の中央を堂々と抜け出して早め先頭に立ち、そのまま後続を3馬身離して完勝。勝ちタイムは1分34秒8。2着は最後方から追い込んできたロードカナロア産駒スティルディマーレ、3着は2番手から粘り切ったトーセンホマレボシ産駒トーセンサウダージスズカダブルはレベルの違いを見せつけるレース内容でした。中京6月4日のダイヤモンドハンズが勝った新馬戦のレベルの高さを裏付ける勝利でもありました。

 

 函館5R芝1200m新馬を勝ったジャスタウエイ産駒フミサウンド好スタートから2番手追走へ。直線では逃げ粘るビッグアーサー産駒イコサンを追いかけて、最後の最後で差し切ってハナ差の勝利。勝ちタイムは1分10秒1。2着はイコサン、3着は6番手から差してきたビッグアーサー産駒ベッラフロー

 

 阪神5R芝1400m新馬を勝ったイスラボニータ産駒オリオンネビュラ中団待機で脚を溜める選択。直線では、2番手から抜け出していたアメリカンペイトリオット産駒セミマルを追いかけて、外から豪快に差し切ったところがゴール。勝ちタイムは1分22秒7。2着はセミマル、3着は最後方から追い込んできたハーツクライ産駒ルクスドヌーヴ

 

 東京5R芝1800m新馬を勝ったエピファネイア産駒シャンドゥレール好スタートから2番手追走へ。前半1000mは1分3秒1のスローで、先行馬有利の展開に。直線に入ると早めに先頭に立って、そのまま1馬身3/4差で完勝。勝ちタイムは1分50秒0。2着は3番手から粘り切ったドゥラメンテ産駒エバーハピネス、3着も同じく3番手から外を差してきたオスカーパフォーマンス産駒マイネルビジョン。前半のスローから、前に居た馬が残った競馬。後続の有力馬にとっては参考外のレース。

 

 日曜日は函館5R芝1200m新馬を勝ったエピファネイア産駒カワキタマックス好スタートからマイペースの逃げへ。前半3ハロンを36秒3のスローに落として、そのまま直線でも押し切り勝利。勝ちタイムは1分11秒7と平凡。2着は5番手から外を鋭く差してきたネロ産駒ニシノピウモッソ、3着は3番手から内で粘ったレッドフォルクス産駒オボロヅキヨ勝ち馬はスローペースのおかげで、むしろ2着のニシノピウモッソの方を注目

 

 東京5R芝1600m新馬を勝ったダノンバラード産駒ミシシッピテソーロ中団後方に待機して脚を溜めます。直線では、馬場の外側を選択して追込みに賭けます。2番手から先に抜け出していたダイワメジャー産駒サイモンオリーブを、ゴール前100mのところで豪快に差し切り、また中団から伸びてきたデクラレーションオブウォー産駒サトノヴィレの追い上げを抑え切って勝利。勝ちタイムは1分35秒7。2着はサトノヴィレ、3着にサイモンオリーブ

 種牡馬ダノンバラードは豪州から再輸入されての第一世代が今年の2歳。新馬戦で活躍が目立ちます。故 岡田繁幸氏の相馬眼の凄さが、ここにも顕れています。

 

 阪神5R芝1800m新馬を勝ったシルバーステート産駒カルロヴェローチェ好スタートから3番手追走へ。直線に入ると、早めに先頭に立って、そのまま後続を寄せ付けず、2馬身差の完勝。時計は1分50秒2。2着は6番手から外を差してきたエピファネイア産駒チャンスザローゼス、3着は2番手から内で粘り切ったシルバーステート産駒ゴッドファーザー

 素質馬が揃った注目の新馬戦でしたが、勝ったのはカルロヴェローチェシルバーステート産駒らしく、先行できるスピードと鋭い差し脚が目立ちました。2歳重賞路線で楽しみな馬だと思います。


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