昨日に続いて、地上波民放TVに苦言を申し上げたいと思います。
コロナ関係報道で、東京都の「新規感染者数」を速報で伝えるのは良いですが、まずは生数字だけではなく、「7日平均ベース」で報じるべきです。これは各曜日により特性が違うため、前日との比較はあまり意味を持たないから。政府でも、東京都や大阪府でも、公式な機関は「7日平均ベース」の数字で、状況を判断していますから、報道機関も同じベースで報じるべきだと思います。
(地上波TVの意図は、激しい変化の方が視聴者のショックが大きいので、ワザと生数字で報じている気配すらあります。そのスタンスは言語道断だと思います)
また、高齢者へのワクチン接種が進む中で、より重要なのは、「新規感染者数」ではなく、「重症者数」と「病床使用率」です。こちらの数字をより大切にして報道すべきです。
ちなみに、東京都の新規感染者数(7日平均ベース)は、今年の1月11日に記録した1815名が、これまでの最大値でした。これが28日の直近値(7日平均ベース)は1954名、過去最大値を上回るものとなっています。この数字だけを報道して「このままで大丈夫か!」というのは、単に不安を煽るだけの報道であり、衝撃を与えて視聴率を稼ごうという、サモシイ報道に過ぎません。
ちなみに、東京都の重症者数は、今年の1月20日に記録した160名が、ここまでの最大値。ちなみに7月28日の直近値は80名で、また同じく、東京都の病床使用率は、今年の1月12日に記録した57%が最大値で、データが発表されている直近値(7月20日現在)では40%となっています。
このように、重要な指標を正しく伝える意味は2つあります。第1に、当然ながら「意味なく不安を煽ることは絶対に避けるべき」であるから。第2に「本当に深刻な事態が発生していても、誰も正しく認識が出来なくなる」から、であります。
例えば、上記の数字を申し上げた趣旨は、まずは「現在の状況は、年末年始の第三波ほど深刻ではないこと」。一方で、「重症者数が急速に80名へ増加、また病床使用率が40%に達してきたという状況は、非常警戒モードであること」。
ちなみに、20代30代の主な世論は、「報道機関の垂れ流す新規感染者には意味がない」「祖父や祖母世代はワクチン接種がほぼ終わったので、重症化リスクはもう問題なし」という感じ。地上波の垂れ流す「新規感染者数」には反応しません。
彼らに、今の状況を正しく認識してもらい、やはり「非常警戒モード」に戻ってもらうには、「重症者数」「病床使用率」の現状とその意味を、正しく伝える必要があります。それこそ、報道機関たる、地上波民放TVの皆さんのお仕事ではありませんか!
「手のひら返し」で、メダルラッシュで浮かれるのはホドホドにして、宜しくお願い致します。