昨日に続いて、凱旋門賞特集【その2】であります。
まず気になるロンシャンの週末の天気予報ですが、10月1日(土)の降水確率は80%で、2日(日)の降水確率が60%とのこと。にわか雨の予報なので、金曜日の深夜から日曜日のレースの時間まで雨が降ったり止んだり、を繰り返す模様。今のところ、例年どおりの重馬場を想定しておくのが良い感じ。
次に、レース展開。
いつもの凱旋門賞というのは、前半1000mが超スローで、ラスト1000mのロングスパート合戦というのが定番。日本馬が苦戦するのは、前半の超スローペースで思い切り「引っかかって」エネルギーを使ってしまい、重い馬場でのラスト1000mのロングスパートについていけなくなって大敗、というパターン。日本馬が好戦できたレースというのは、エルコンドルパサーが自ら逃げて前半から流れる展開にした時、またオルフェーヴルが連続2着できた時も、欧州陣営がラビットと呼ばれるペースメイカーを出走させて流れる展開にした時。
という訳で、日本馬が良いレースをするためには、前半を引っ張るペースメイカーの存在が必要になります。今回で言えば、この役割を担うのが、矢作厩舎のステイフーリッシュ。もちろん、当馬自身も逃げ切り勝ちを狙っていますので、欧州馬が不得手な、スタートから流れるような淀みのないペースでレースを引っ張ってくれると思います。
そのすぐ後ろの位置につけたいのが、日本馬の大将格であるタイトルホルダー。抜群のスタミナを誇る日本の歴史的ステイヤーですから、2番手の位置から、残り800~1000mのロングスパート合戦に耐えきって何とか勝利を収めてほしい。そして、そのタイトルホルダーの前後の好位を取りたいのがディープボンド。昨年のフォワ賞を逃げ切ったように、このコースで前々から押し切る力を持っていますので、ステイフーリッシュの後ろの好位置さえ取れれば、制覇圏にある存在だと思います。
最後はドゥデュース。ニエル賞4着は正直ガッカリでしたが、この馬は叩き良化型ですので、次を信じたいと思います。ステイフーリッシュを先頭に、日本馬が前々から進むのであれば、愛チャンピオンS1~3着の3歳牡馬陣や、昨年の凱旋門賞を勝ったトルカータータッソ、GⅠ連勝中の名牝アルピニスタといった有力馬は、そのあとの中団を形成すると思いますので、その直後の中団後方の位置を取りたいところ。ステイフーリッシュのつくる淀みのないペースで、前にいる馬たちがロングスパートでバテてしまえば、後方にいる馬たちにチャンスが回ってきます。その時には、ドゥデュースが豪快に有力馬をすべて差し切って勝利する目が出てきます。
さて、今年の凱旋門賞は、Cルメール騎手が騎乗するステイフーリッシュがつくるペースが、レースの結果を左右することになります。もちろん、ルメール騎手は自らが勝ちつもりで騎乗しますが、もしペースが緩すぎれば、いつものとおり、欧州馬が有利になります。一方で、理想的な淀みのないペースがつくれれば、日本馬にチャンスが到来することになります。また、さらに、とんでもないハイペースで逃げた場合、中団馬群が混乱しますので、最後方からビックリするようなダークホースが飛んでくる可能性も否定できません。
なおタイトルホルダーの生産者である岡田牧雄氏は、「横山和騎手には、大胆な逃げ戦法を指示してある」と宣言されていますが、ステイフーリッシュが速いペースで逃げてくれるのなら、明らかに2番手の位置の方が有利ですから、無理はしないはずであります。
という訳で、基本的には日本馬の活躍を期待しておりますが、一方で、レース予想と馬券の買い方は、日曜日までジックリと考えたいと思います。大穴馬券を狙うには、これ以上ない舞台設定だと考えております。