昨日は「トランプ候補狙撃事件」を取り上げたので、本日は「都知事選第2位の石丸伸二氏」をテーマに致します。
都知事選が終わってから、石丸伸二氏の「誤解を与えかねない言葉遣い」がマスコミに取り上げられて報道されています。
ところで、「劇場型政治」の最初の担い手であった小泉純一郎首相(当時)は、記者からの厳しい指摘を受けても、「私はそうは思いませんね」と軟らかく短く切り返した上で「次の質問は?」と話をすり替えました。これが、地上波TVを見ている有権者たちからは「めったなことでは動じない頼もしいリーダー」と映り、高い支持率の理由の一つとなりました。
今の石丸氏について、切り返しの場面で少し「パワハラチック」になる点だけを切り取り、それをネガティブに報じる報道機関が多いと思いますが、あのような場面では、小泉さんのように「私はそうは思いませんね」「次の質問は?」とすり抜ける技量を身に着ければ、石丸氏は末恐ろしい政治家になっていく気がいたします。
いやひょっとすると、「パワハラチック」な部分を意識的に誇張することで、ギュスターヴ・ル・ボンの言う「群集心理」を操る政治家になる可能性もあります。そうなると「最恐の独裁者」として既存政治を吹き飛ばす存在になっていくのかもしれません。
そのような独裁者を生まないためには、われわれ有権者自身が「群集心理」をよく理解しておく必要があります。その趣旨で、本日は2022年11月15日付の当blog記事を再掲させて頂きます。
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19世紀の仏の社会心理学者ギュスターヴ・ル・ボンが著した『群集心理』という本には、民主主義の弱点とも言える、一般民衆が陥りやすい、危うい集団心理の本質を正しく捉えて論じています。
<民衆の集団心理あるある>
◎弱い権力には抵抗を示すのに対して、強い権力には盲目的に従う傾向がある。
◎個人として持っているはずの理性・知性が、集団になったとたんに徐々に消えて、単一の集団心理に染まっていく。
◎複雑な真理・真実は受けつけないのに、シンプルな嘘を真に受けて信じ込む。
ちなみに、このギュスターヴ・ル・ボンの『群集心理』を、深く読み込んで民衆統治に活かした人物がアドルフ・ヒトラーでありました。
民主主義を取り入れたけど上手く機能しなかったので、ここへ来て権威主義に舵を切ったロシアのプーチン大統領や、異例の3期目に突入した中国の習近平総書記も、この本は読み込んでいると思います。ひょっとすると、アメリカのトランプ前大統領も、この本を参考に支持者を煽る戦術を練っていたのかもしれません。Twitterを使って、国会議事堂を占拠した事件など、まさに『群集心理』に書いてあるとおりの企てと言えます。
さて、我が国、日本はいかがでしょうか。
2年目に突入した岸田政権の支持率が低くなったとたんに、弱い権力に見切りをつけようとする日本人が増えています。
今ここに、ヒトラーや織田信長みたいな強い指導者を標榜する政治家が現れたら、どうなるでしょうか?
日本人は、あっという間に、その政治家の虜になってしまうと思います。
何だか、嫌な時代が近づいてきている気がいたします・・