金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【トランプ候補狙撃される!】 背景には、「勝つためなら何をしても良い」という伝統が・・

2024-07-16 01:58:47 | 金融マーケット

 

 すでに地上波TVや新聞各紙でも報道されているとおり、共和党のトランプ候補が現地13日に、ペンシルベニア州で演説中に狙撃され右耳を負傷トランプ候補の命に別条がなかったことは不幸中の幸いでありましたが、聴衆1名が死亡、2名が重体という被害が出ています。容疑者の20歳男性は現場で射殺されたとのこと。

 良識ある米国のマスコミや政府関係者からは、「言論の自由を暴力で抑え込む行為は断じて許されない」と強いメッセージが発せられてはいますが、一方で、覇権国であるアメリカという国の根底には「何があっても負けてはならない」「勝つためならば何をしても良い」という伝統、あるいは文化が根強くこびりついています。

 

 建国から約250年間、他国との戦争で負けた経験がなく、第一次世界大戦以降は覇権国として100年以上も世界に君臨している国ですから、当然といえば当然なのですが、これは国対国の闘争というフィールドだけでなく、ビジネスの世界でも、スポーツの世界でも、すべて同じことが言えます。ですから、他国が一度でも米国の威信を傷つけるような勝利を収めたとしても、そのあとでトンデモナイしっぺ返しを受けるのが常であります。

 そんな国ですから、絶対に避けなければならないのが『米国内での内戦』であります。「何があっても負けてはならない」「勝つためならば何をしても良い」と考える人間同士が戦うのですから、悲惨で残忍な闘いになります。南北戦争を取り上げるまでもなく、戦いは相手を完膚なきまで叩き潰さないと終わりません

 

 2020年の大統領選、2024年の大統領選については、実質的に「何があっても負けてはならない」「勝つためならば何をしても良い」という『内戦』が続いていると考えると判りやすい。そしてそれを仕掛けたのは、今回狙撃されたトランプ候補その人なのであります。

 今回の狙撃事件が示しているのは、2024年の大統領選で、共和党が勝とうが、民主党が勝とうが、どちらにしても、「何があっても負けてはならない」「勝つためならば何をしても良い」という『内戦』が継続するということ。

 

 選挙が終わったら、敗者が勝者を讃えて、アメリカを一つにまとめ直すような古き良きデモクラシーの儀式は消え去り、恨み辛みが増幅し続ける時代へ突入するということであります。世界の民主主義の終焉が始まってしまったようです。

 

 


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