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映画、読書などのメモ

シルビアのいる街で

2017-05-01 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★シルビアのいる街で
仏題:DANS LA VILLE DE SYLVIA
英題:IN THE CITY OF SYLVIA
監督・脚本:ホセ・ルイス・ゲリン
撮影:ナターシャ・ブライエ
キャスト:グザヴィエ・ラフィット,ピラール・ロペス・デ・アジャラ
2007/スペイン/フランス

呆然と映画を見つめ続け、そして果てしなく彼方を彷徨した。
こういう映像作品を見せつけられると、
小さな平面の世界でごちゃごちゃやってる事自体がつまらない仕事のように感じたが、
表現スタイルが違えば狙う獲物は当然違うのだという確信も得た。
映画は「如何に感情を揺らすか」であり、平面は「如何に感情を定着させるか」である。
そしていずれも最も大切なものは「時間の弁証法」である。
「過去と現在を繋ぐ感情」をどう表現するかである。

この作品では、「時間を繋ぐ感情」が唖然とするシンプルさで表現されていた。
余計なイメージは全てといっていいくらいカットされ、
本来は偶然の産物である光と影までコントロールされたような合理的映像。
計算しつくされた街のノイズの演出。
しかし生み出される感情は繊細でしかもトリッキーな感覚。

僕の大好きなビクトル・エリセは、
ホセ・ルイス・ゲリン監督を「現代スペインで最も優れた映画作家」と評している。
「映画作家」としたところがいいではないか。


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