★造形思考-小牧源太郎展
中信美術館
小牧源太郎は
《日本におけるシュールリアリズムの草分け的作家》である。
初期の作品は京都市美術館が所蔵しているが、
今回はそのうち、
《民族病理学(祈り)》、
《多義図形》の2点が展示されている。
2点とも好きな作品で、久しぶりの対面に少し興奮した。
戦後の作品は、
民族的なものから、
宗教的要素の濃い、
密教性の濃い世界観が描かれている。
色彩が強烈であり神秘的であり、
《強靱な精神》を感じさせる。
ぼくが初めて小牧源太郎の名前を知ったのは、
中村義一著作《日本の前衛絵画ーその反抗と挫折ーKの場合》だった。
作品より、書物で知った画家である。
その後、何度か直接お会いした。
ほとんどは酒宴の席ではあるが、
物静かなお姿が印象的です。
久しぶりに観たが、個性的な作品である。
迷いがなく、
情感に溺れることなく、
《強靱な造形力》
が鮮やか。