A&K の NOTES

あちこちスケッチ行脚 。映画館で映画を見ることが楽しみ。いつか何処かでお会いしましょう。

ヒューゴの不思議な発明

2017-10-31 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★ヒューゴの不思議な発明
原題:Hugo
原作:ブライアン・セルズニック
監督:マーティン・スコセッシ
2011/アメリカ

映像、音楽が美しい、とてもファンタスティック!
《映画への情熱》を感じさせてくれます。
アカデミー賞5部門(撮影賞、美術賞、視覚効果賞、録音賞、音響編集賞、)に輝いた作品として納得。制作スタッフはいろいろご褒美をもらっていい、それに値する作品です。僕が見たのは2D映像ですが、この作品は3D映像で見るべきかなと思いました。スタッフは《3Dでよりすばらしい物語映像を》との情熱で創っています。《ああ、これは3Dでみたら美しいいだろうな》と思わせるシーンがあちこちあり、挑戦的スタイルを感じます。
僕が一番注目したのは、実はこの人形の表情。
見た瞬間、《あつ、舟越 桂だ!》とおもわずつぶやいてしまったのです。

さらに気になったのは、子どもたちの着ている上着です。
とてもクラシカルで上品で。
こういう感覚のブレザーは昔から大好きなんです。
二人とも、上着の中のセーターも素敵です。

さて、この作品は《現在と過去》が実に巧妙に設定されています。
主な舞台が駅であり、時計台であるというのが《時間の象徴》のような気がしました。

前半は子どものファンタスティックな冒険物として進行、まるで少年少女物語のようにパリの街での二人の躍動感を描く。イザベルは《ジャン・ヴァルジャンみたい》と可愛くはじゃぎまわり、時に、ヒューゴは、《父親と一緒に読んだジュール・ヴェルヌの物語》を思い出し青い瞳を潤わせる。子供中心の描写には刺激過剰状況にある大人の映画ファンには少し退屈かもしれない。が、常にミステリーっぽくさせているのが《謎の機会人形》の存在。この人形が《舟越 桂 の彫刻》を強くイメージさせてくれるのです。人形の表情を大きく写した時は《憂いの謎》が怪しく魅力的です。この人形が《現在と過去》を繋ぐキーアイテム。

後半は、この人形が《秘められた過去》を明らかにする。映画ファンも唸る《ジョルジュ・メリエスへのオマージュの世界》、ベン・キングズレー演じるメリエスが主役です。テンポが良く、ノスタルジーと尊敬をこめて、微笑ましく愉しいシーンがたくさん描写されています。

作品全体が《これは子供向けか?》と思わせる脚本、演出のようでしたが、
観た後はたっぷりほっこり感を味わわせて頂きました。

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クリスマス・ストーリー

2017-10-30 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★クリスマス・ストーリー
原題:UN CONTE DE NOEL
監督:アルノー・デプレシャン
撮影:エリック・ゴーティエ
音楽:グレゴワール・エッツェル
キャスト:カトリーヌ・ドヌーヴ、マチュー・アマルリック、アンヌ・コンシニ、他
2008/フランス

こういうの、まさに「家族の愛憎劇」っていうのかな、と思いつつ、
何処かでみた顔がぞろぞろ出てくるのにはびっくり。
それぞれがお互いにうまく感情を重ね合えない、
砂を噛むような苦々しい場面には、
観ているこちらの感情もうまく整理がつかずどうも落ち着かない。
フランスの知性は鋭い変化球となってこちらの脳髄をずりずりえぐる。
落とし所の予想がつかない。
結局、ユダヤ教を信じる女性の言動が一番まっとうな姿として写った。
ただ彼女はこの愛憎劇の単なるスパイスにしかすぎないのに。
ああ、僕の感受性が硬直しているんだろうか。

この家族はどうしてこんなに煙草をすぱすぱ吸うのだろうか。
ドヌーブ演じる女は癌だというのに。
今時珍しいくらいの煙草劇。
フランス人はアホか?と呆れたところで、
物語はニーチェの「道徳の系譜」の言葉が引用されていたことに気づく。
どんな意味を持つ比喩なのか? 
いいかげんな連中がほんとに活き活きとしているから不思議な世界である。

ドヌーヴおばさんお元気じゃない?

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ドライヴ

2017-10-29 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★ドライヴ
原作:ジェームズ・サリス
原題:Drive
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル
キャスト:ライアン・ゴズリング、キャリー・マリガン、ブライアン・クランストン、クリスティーナ・ヘンドリックス、他

これはフランス映画かな期待して観たんです。
タイトルが、《ドライヴ》、《ドライブ》ではなく《ドライヴ》。
いかにもフランス映画風のタイトルでしょう。(邦題名付け親の勝利!)

《甘さとクールとバイオレンス》の三つの味がする刺激的作品でした。
ドラマ性よりも、《ビジュアル的に感じる》ことを狙っているようです。

男の表情は優しく甘いが、孤独の表情にも映る。過去に何があったのかはわからないが、彼の孤独についてはは詳しく述べられていません。この作品はできるだけ物語の説明を省略しよう、省いてしまおう、いや削ぎ落してしまおうという意図がある。削ぎ落した後に何を残すのか、そこがこの作品の見所。描かれたのは、《男の無償の愛》と《虚無的とも言える孤独》とそして対峙するかのように《鋭利なバイオレンス》。僕の初期印象とは方向の違う心理的に相当圧迫内容でした。痛いんです。

男は楊枝をくわえているんで、珍しいキャラだなぁと。
《木枯し紋次郎》を思い出しました。
ラスト、男は瀕死の状態ですが生き続けるんでしょうか。
最期の《ドライヴ》になるんでしょうか。
そこが一番気がかりなところ。

ライアン・ゴズリングの活躍はこの後、スターの座へとまっしぐら、

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ミッシングID

2017-10-29 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★ミッシングID
原題:Abduction
監督:ジョン・シングルトン
2011/アメリカ

邦題は《ミッシングID》、直訳すれば《失われたID》となり、
原題は《Abduction》、直訳すれば《誘拐》でいいのかな?
映画は、高校生役の二人が主役であり、《若々しい爽快感》ある娯楽作品だった。

ちょっとマッチョなテイラー・ロートナー、そして魅惑的な濃い眉毛のリリー・コリンズという見た目にはかなり濃い二人のキャラ。しかし魅惑的な取り合わせでした。そこにアルフレッド・モリーナ、マリア・ベロ、シガニー・ウィーバー、ミカエル・ニクヴィストと、どこかで観たことがある顔が並び、妙に安心して見れる。そつのない運びで、ある意味予定調和的な展開ではあるが、適度なスピード感にアクション、ビジュアル的に好感度良しというのは、適度に心地よい。

お話の展開では、この続きがありそうです。

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グランド・イリュージョン

2017-10-28 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★グランド・イリュージョン
原題:Now You See Me
監督:ルイ・レテリエ
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、マーク・ラファロ、ウッディ・ハレルソン、メラニー・ロラン、モーガン・フリーマン、アイラ・フィッシャー、他
2013/アメリカ

NOW YOU SEE ME!
はい、私をよく見て!

《くそ!  悔しいな!  こいつら、一体、何を求めて、何をしているのか》
正直よくわからないまま観ていた。
めまぐるしい展開についていくのがやっとだった。
だが、途中から、
《誰かが騙されている》とは思ったが、、、。
何処か変だな、
ちょっと消化不良気味のところで、
まさかの結末。
セール河にかかる金属性の橋 ポン・デ・ザール。
いまや《恋人たちの聖地》らしい。
この映画でまた人が増えそうだ。
これ以上しゃべると、ネタばらしになるので、おしまい、おしまい

NOW YOU SEE ME!
ジェシー・アイゼンバーグの早口台詞炸裂、聞き取れません。

この二人の表情が、妙におとぎ話っぽく感じさせた。
二人とも僕のお好みです。

はい! 私もよくみてね。
メラニー・ロランはヨーロッパ、パリの香り。

はい! 俺もよくみてね。
モーガン・フリーマンこそ本物のマジシャン。

この2人の登場で、僕はとっても気分が良かった。

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砂漠でサーモン・フィッシング

2017-10-26 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★砂漠でサーモン・フィッシング
原題:Salmon Fishing in the Yemen
監督:ラッセ・ハルストレム
キャスト:ユアン・マクレガー、エミリー・ブラント、クリスティン・スコット・トーマス、アムール・ワケド、トム・マイソン、他
2011/イギリス

映しだされた全ての映像が適度に美しく、そしてゴージャス感、ミステリアス感、エキゾチック感などの雰囲気が丁度いいさじ加減で付け加えられ、観る者を物語のラストまでとても心地よく連れてってくれる作品。
よどみなくスッキリ。
こういうのを 《脚本が素晴らしい》 というのでしょうか。

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スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜

2017-10-25 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜
原題:The Ides of March
監督:ジョージ・クルーニー
2011/アメリカ

ネスプレッソのCMでおなじみのジョージ・クルーニーとあの《ドライブ》でおなじみのクール男ライアン・ゴズリングの競演です。監督、制作はョージ・クルーニーですから、いわゆる自作自演という作品。

オハイオ州での大統領選を題材にして、なかなかシリアスな展開です。《政治家という者はこうも不徳な者か》と言いたげな展開なんですが、どうもそれだけではないように思えます。最高の権力者である大統領の資格は、《信念やモラルの問題はもちろんだが、それ以上に、ミスをしない潔癖さ、仮にミスをしても隠し通す戦略家でもある》と言いたげです。《ミスをした者は退場》ということ。洋の東西を問わず、政治家という者は所詮腹黒いのです。権力を掴む為には裏切りも手段の一つ。しかしだよ、《下半身スキャンダルに恐れる男とそれをネタに脅す男のコンビに国を任せていいのか?》

ジョージ・クルーニーはスマートでありクールな表情ですが、ライアン・ゴズリングの甘いマスクが政治の世界では生き抜けない甘い人間の弱さをうまく表現してみせる。二人の対照的な表情が面白い。シリアスでシニカルな題材ですが《何処か切ない》。表れる作品の質感は《何故か刹那的》です。

ジョージ・クルーニーは第85回アカデミー賞作品賞を獲得したベン・アフレック監督の『アルゴ』のプロデューサーです。ハリウッドではかなりの政治活動家なようで、オバマ支持者、ここらへんも興味深いこと。

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ルビー・スパークス

2017-10-24 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★ルビー・スパークス
原題:Ruby Sparks
監督:ジョナサン・デイトン、バレリー・ファリス
2012/アメリカ

『(500)日のサマー』のスタジオが贈る。
というわけで、これは飽きずに楽しませてくれta.
巧みな脚本にコミカルな演技。

タイプライターで叶えてしまった彼女の物語。
妄想なのか?
リアルなのか?
こういうのは罪作りだなとは思いながらも、
《人生とは、所詮、妄想かもね》
とシニカルにも思ってしまいました。

主人公の若き小説家の飼い犬の名前が『スコッティ』
スコット・ フィッツジェラルドの名前からとったもの。
《アメリカ人はスコット ・フィッツジェラルドが好きだ》

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バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3

2017-10-23 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3
原題:Back to the Future Part III
監督:ロバート・ゼメキス
製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ
キャスト:マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド、他
1990/アメリカ

1885年へとタイムトラベルしてしまいました。
余談ですが、
リビアの強権政治(カダフィー体制)が、反体制勢力によって倒されようとしています。
フィクションの世界では、政治がらみで未来を予見することは危険ですが、
今の時代に、《アラブ春》と言われる状況が訪れようとは。

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ハード・ラッシュ

2017-10-21 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★ハード・ラッシュ
原題:Contraband
監督:バルタザール・コルマウクル
出演:マーク・ウォールバーグ、ケイト・ベッキンセール、ベン・フォスター、他
2012/アメリカ

ニューオリンズの下町が舞台。
男はかって密輸の仕事をしていたが、今は何とも美しい妻と二人の子どもと一緒に堅気な仕事。しかし、ドジな義弟に巻き込まれ、再び密輸の世界に引きこまれるという物語。犯罪の臭いのプンプンする男たちの世界。ブルーカラーっぽい男気を感じさせる俳優ということでマーク・ウォールバーグが選ばれたとか。ほんまかいな。

PS3にBlu-rayを入れて、寝っ転がってみる。
お家で観るには最適な作品でした。
話はどんどんスピーディに転がる。
ヒーローは迫り来る難題を次から次へ、パズルを解くが如く見事に解決。
悪いことなのに悪事だと思わせない幸せな作品。
ベン・フォスター演じるセバスチャンの陰影が一人目立ったくらいで、
他の皆さん、妙に生き生き楽しそうでした。。

偽札を大量密輸に成功、大金持ちへ。
さらに、思いがけず、
何と、《ジャクソン・ポロック》の絵も手にしてしまうというおまけ付き。
下町を脱出し、ハイクラスゾーンへ。

闇の世界では2千万ドルくだらないという《ポロックの抽象画》
どんな作品だったのか?
ちらちら見えたアクションペインティング絵画。
キャンバスに張った絵画が観たかったです。

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ボビー・フィッシャーを探して

2017-10-19 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★ボビー・フィッシャーを探して
原題:Searching for Bobby Fischer
監督:スティーヴン・ザイリアン
キャスト:マックス・ポメランク、ジョー・マンテーニャ、ジョーン・アレン、他
1993/アメリカ映画

タイトルの《ボビー・フィッシャー》とは。
アメリカ人として初の世界チャンピオンとなった伝説のチェス・プレイヤー

>goo解説によると
7歳のチェスの天才少年と、その才能を信じて心血を注いで育てた父親の姿を描いたドラマ。スポーツ・ライターのフレッド・ウェイツキンが、実子ジョシュの少年期を描いたノンフィクションを、「シンドラーのリスト」の脚本家スティーヴン・ザイリアンが脚色と初監督を兼ねて映画化。製作は「アダムス・ファミリー」のコンビ、スコット・ルーディンとウィリアム・ホーバーグ。エグゼクティヴ・プロデューサーは「ザ・ファーム 法律事務所」の監督シドニー・ポラック。撮影は「テキーラ・サンライズ」のコンラッド・ホール、音楽は「心の扉」のジェームズ・ホーナーが担当。主演はオーディションで数千人の中から選ばれた8歳のマックス・ポメランツ。共演は「バグジー」のジョー・マンティーニャ、「タッカー」のジョアン・アレン、「デーヴ」のベン・キングスレイら。

少年の眼の透明感がこの作品の全てを象徴している。その他、登場人物たちの眼に焦点を合わせた表情の捉え方が美しく、映画全体に知的な雰囲気が漂う。そして単にゲームの勝負事に囚われず、対戦者への思いやりも含め、大いなる優しさに溢れた作品だった。

カメラの光の捉え方、遠景、近景のぼかしの効果が巧み。
柔らかい世界に誘い込まれた。

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カイロ・タイム〜異邦人〜

2017-10-19 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★カイロ・タイム〜異邦人〜
原題:Cairo Time
監督:ルバ・ナッダ
出演:パトリシア・クラークソン、アレクサンダー・シディグ、他
2009/カナダ=アイルランド

雄大なナイルのほとり、悠久の都市カイロが舞台。
美しいピアノの旋律とロケーションの素晴らしさに魅了される。
主題は、時間がゆっくり流れる、《カイロ・タイム》。
この地域周辺に多くの問題を抱えつつも、カイロで生きる人の時間はゆっくり。
映画の中では、政治や社会事情は描かれるが、
不穏な空気感を描きながらもほとんど深入りしない。
《異邦人の眼で感じたカイロ・タイム》

何とも言いがたいプラトニックな現地人男と異邦人女の物語である。

ストイックで謙虚でいい男を演じていたのはアレクサンダー・シディグ。
上司の妻にカイロ案内をしているうちに、しだいに女の魅力に惹かれてしまい、
とうとうその気になってしまった男。
最後に、突然、元上司の夫がカイロにやってきてハイ終わり。
《とんびに油揚げをさらわれた》感じで、、、、。(言い方が古いね)
茫然自失。

時間とともに変わる女の心情をうまく演じていたのは、パトリシア・クラークソン。女の孤独感や、老いて行く寂しさや、そして人生への名残や焦りなど、なかなかの演技ではある。それなりの結構なお年であるのに、《まだあがくか》とちょっと冷めた視線で観てしまいました。スミマセン。戻ってこないと諦めつつあった夫の登場に、茫然自失。

結末はなかなかのビター味。
かけがえのない時間が一瞬に過ぎ去る虚無感を味わわせる物語でもあった。
見つめ合った時間はいったい何だったんだろう?

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華麗なるアリバイ

2017-10-19 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★華麗なるアリバイ
原題:Le Grand Alibi
原作:アガサ・クリスティ
監督:パスカル・ボニツェール
2007/フランス

タイトルと物語とがどう結びつくのかよくわからない作品。
でも確かにゴージャス感はたっぷりである。
それがクリスティー。

アガサ・クリスティの世界は色彩鮮やかで、ファッショナブルで、そしてゴージャス。富裕層がわんさか出て来て、愛憎劇を繰り返す。生活に余裕があるんだから、そこまでガツガツ漁らなくてもいいのにと思うくらい、女アサリ、金アサリ、地位あさりなどなどととにかく浅ましい。これは持たざる者のひがみかとも思うが、金持ち人間の愛と欲望を題材にしたサスペンスがクリスティーの世界である。それを映画化するんだから、「華麗なるアリバイ」がモチーフとなる。

今回はいつものポアロさんは出てこない。いかにも庶民的いらいら刑事が出て来て難問にチャレンジ。華麗さとほど遠いところが対照的に描かれ、第二の殺人が起こる。おなじみの事件進行スタイルである。

さて、クリスティー、生誕120年だということ。彼女のサスペンスの記憶は、今となっては、本で読んだのか、映画で見たのかほとんど思い出せないくらいである。本で読んだとすれば20歳前後のことだが、、、、、、。映画記憶と小説記憶がごちゃまぜである。それほど彼女の作品は多数映画化されているということの証明でもある。クローズドサークル的な物語が多く、何処か奇異な印象を与えて、僕としては余り好みではないが、映画化されるとつい見てしまうのがクリスティーである。初めてみたのが「そして誰もいなくなった」1974年、「オリエント急行殺人事件」、 その後いろいろ、最近では「ゼロ時間の謎」かな。

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愛のむきだし

2017-10-17 | chinema(日本映画)

映画を観た。

★愛のむきだし
原題:Love Exposure
監督:園子温
音楽:原田智英
主題曲/主題歌:ゆらゆら帝国
キャスト:西島隆弘、満島ひかり、安藤サクラ、尾上寛之、清水優、渡部篤郎、他
2008/日本

手の動きが美しいのです。
この絵を観た時、ローラスケートでもやるんかと思ったんですが、
な、なんと、盗撮ポーズでした。
まさにカブキモノです。
やられるほうはまったく気にかけない凄い早業と芸術的ポーズに変態を通り越して、
アートを感じます。
この作品の本気度はこのポーズで早わかり。
たぶんこの盗撮ネタだけでも作品になったんでしょうけど、
これじゃサブカルチャーの領域範囲内です。
でも、園子温のもっともらしい哲学で、面白いモノができたかも。

スピード感あふれる魅力を見せつけたのは、西島隆弘くん。
彼は北海道出身のミュージシャンだそうな。

このパンチラ画像にこの作品のエッセンスがつまっています。
(怪しい画像を拾ったかな)
がんばってくれたのは、満島ひかりさん。
ものすごくパワー溢れる子で、その後もずっと注目、がんばっていますね。
彼女も沖縄出身のミュージシャンだそうな。

安藤サクラさん、この人の演技力はさすが。親からしっかりDNAを受け継いでいる。
助演屋さんです。
私生活も輝いていますね。

どーでもいいシーンだったけど、海辺という設定がいい。
ラストはちょっとありきたりのメロドラマになったが、
これだけ長時間作品でしたので、すかっと終わってすっきり爽快。
「無敵の純愛物」です。

園子温監督。いかにも怪しい雰囲気。
しかし、このカリスマ的表情がいいですね。

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しゃべれども しゃべれども

2017-10-15 | chinema(日本映画)

映画を観た。

★しゃべれども しゃべれども
原作 : 佐藤多佳子
監督 : 平山秀幸
主題歌:ゆず「明日天気になぁれ」
キャスト: 国分太一、香里奈、 松重豊、八千草薫、伊東四朗、他
2007/日本

国分太一さんがものすごくいい味をだして好演。口跡のよさ、着こなし、歩き方などは落語家の立ち振る舞いそのものであり、まさに東京に生きる現代の噺家の姿のようであった。寄席の雰囲気、東京下町の風土、落語「火焔太鼓」の世界など、スタッフの表現力もすごく熱っぽく巧みである。落語家のいわゆる「化ける」瞬間がいい。

関西弁のイジメラレっこの少年、ネクラの謎のような若い女、不器用な野球選手といった人間のからみが面白い。またベテランの八千草さん、伊東さんがどっしりとした存在感を示し、東京下町の風土感を淡々と漂わせている。

ラストの場面がすこし淡白であり、もう少し観客をゆさぶる仕掛けがあってもいいかなと思ったが、ゆずの「明日天気になぁれ」がエンディング曲として流れ、爽やかで鮮やかな印象を残した。
落語は「間」が全てである。人生も「間」、そして人の出会いもまた「間」である。

 

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