映画を観た。
★スラムドッグ$ミリオネア
監督:ダニー・ボイル
出演;デブ・パテル、フリーダ・ピント、マドゥル・ミッタル、他
2008/イギリス
英語名で「ボンベイ」と呼ばれていた街は、1995年に、現地語(マラーティー語)での名称にもとづく「ムンバイ」へと公式に変更された。インド最大の街であり、周辺の人口を合わせると1900万人にもなるという。多国籍企業の多くがこの街に拠点を置き、急激な経済発展をとげ、日々、変貌している街といわれる。が、街に住む人の半数近くはほぼスラム化した地域に生活しているという。とにかくインフラ整備が緊急の課題である。
インドへ行った人は必ず、この国の「混沌」について語ってくれる。この国の、「過密」というか、「濃密」さをうなされたように語ってくれる。同じアジアと一括りにされるが、ボクら「東アジア系」とは、文化の集積密度が明らかに違う。
この作品の主人公はこのスラムで生まれ、育ち、生きた男である。映画の中で描かれている「インド」は、当然、現実の社会とは違うであろうけど、びっくりするくらいの「貧困」であり、「混沌」であり、「対立」だった。
男の知識は全てが「生きた証」であり、その一つ一つの記憶が、ミリオネアの勝利へ導かれる。とても都合のいい脚本ではあるけれど、映画としては、誰にでも解りやすく、感情移入しやすい展開であり、鮮やかな救いが用意され、爽快感を与えてくれた。
ラストのダンスは、いかにもハリウッドと苦笑しながらも、いい気分に浸る事が出来た。劇場を出た時のこの「いい気分」とう感情は、相当の値打ちがある。