猫
本を読んだ。
★猫
・著者:有馬頼義/猪熊弦一郎/井伏鱒二/大佛次郎/小高京子/
坂西志保/瀧井孝作/谷崎潤一郎/壷井栄/寺田寅彦/柳田邦男/
クラフト・エヴィング商會
・出版社:中央公論新社
僕はがちがちのネコ派です。
猫の姿を観るだけで幸せなります。
猫に触るだけで体調が良くなります。
外で野良に声をかけると、たいてい彼らの方から寄ってきます。
どうやら仲間だなと感じるようです。
さて、今日の本、
猫好き作家の愛情たっぷり文章が味わえます。
作家のそれぞれの個性があり、
それぞれの時代があるんですが、
それぞれの猫に対する滋味あふれる心情が綴られています。
中でも、
猫を異常なほど溺愛していると思われたのが、
文豪、谷崎潤一郎でした。
ただならぬ愛で方です。
まず、文章を紹介。
ねこ
動物の中で一番のきりょう好しは猫族類でせうね。猫、豹、虎、獅子、みんな美しい。美しいがどれが一番いいかといえば猫ですね。第一眼がいい、それから鼻の格好が素的だ。獅子や虎や豹は、鼻筋が顔面に比べて長過ぎます。だから間がのびてきりつとしたところがない。そこへいくと猫の鼻は理想的です、長からず短からず、ほどよき調和を保って、眼と眼の間から、口もとスーッと伸びる線の美しさは何とも言えない。中でもペルシャ猫のが一等よろしい。あんなにキリッと引き締まったいい顔をした動物が他にあるでしょうか。
と、まず顔の賛美からはじまり、
猫の媚態の限りを尽くした甘え方まで見事に表現している。
猫ちゃんの美しさを的確にとらえています。
さすが文豪と唸ります。