N の 祝祭日

映画、読書などのメモ

パリ、恋人たちの2日間

2019-08-18 | chinema(欧米系映画)

 

★パリ、恋人たちの2日間
監督:ジュリー・デルピー
出演者:ジュリー・デルピー、アダム・ゴールドバーグ、他
2007/フランス=ドイツ


この映画はラテン系フランス人と
神経質系クマちゃん風ニューヨーカーの物語。
舞台はパリ。
刺激的で怪しくあぶない会話がボンボン飛んでくる。
フランスは成熟している。
これだけごった煮の雰囲気だと、
パリはとても刺激的で魅力的な街に写る。
昔から、愛情と皮肉を込めて語られてきたパリ中華思想。
京都にも同じ感覚がないわけではないけど、
パリほど堂々とはしていない。
パリはすばらしく堂々と個性的である。
何でもアリである。
個が全て。


この映画は、
「あっ、これは女の視点だ、女の脚本だ。」とすぐにわかる。
女性への深い洞察
(男にはわかりにくい心理)
ウイットに富むおしゃべり
(ちょっとお下品な会話であったが)
最後の一線を越えない
(女の冒険は恋)
最後はヒロインを守る
(女の味方だもん)
中性的に描く男象?
(女には男がそんな風に見えるんだ)
いやむしろ男は馬鹿みたい?
(女にはたぶんそう感じるんだ)
うむー、つまりは、
女性の皆さんには世の中こんなふうに見えているということでしょうか?

 

 

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八月の六日間

2019-08-03 | 

 

★八月の六日間
著者:北村薫
出版社: KADOKAWA/角川書店

 


本屋でたまたま眼に止めた本。
以前、新聞書評欄で好評だったのを思い出した。
ページをめくると、
かって若いころ登ったコースの地図が載っている。
おつ、これは!
自分の思い出をたどりつつ読んでみよう。

 


神々しい山のことが書いてあるかと思ったが
こそばゆいくらいのファンタジーな山の小説だった。
ちょっと危なっかしい山の小説だった。
作者の北村さんは、
実際に山に上った体験を書いているわけではない。
というか、
まったく上らずに、山のことを描いている。
作者の取材力は凄い。
読みながら自分も山の気分を味わった。

いろいろ小ネタを散りばめて飽きさせず、
ラストまで気持よく読ませてもらった。

《あずさ2号》問題のウンチクは面白かった。
男は別れた女に思いを残したりする。
だが女は、思い出を美化などしない
それはそれとして取っておこうーなんて考えないらしい。

 

しかし、この本の主人公は、その思い出に囚われ、
忘れるために仕事をし、
時間をリセットするために、
一人山に上る。

読みながら、
自分の登った山の道や、眺めた山の姿を思い出した。
蝶、常念、燕コースがなかなかの臨場感溢れる文章。

山へ行きたいなぁ。

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移動祝祭日

2019-08-03 | 

 

★移動祝祭日
著者:アーネスト・ヘミングウェイ
訳者:高見浩
出版社:新潮社

1920年代、パリでの創作?の日々を回想したもの。
ヘミングウェイの死後に発表されたので、
事実上の遺作といわれています。

内容は、ヘミングウェイの芸術論が時々展開されますが、
ほとんどは、パリでの放蕩生活の回想録みたいなもの。
何ぶん、年代が年代なので、ぴーんとくる感覚は少ないですが
青春ものはやはり気持ちがいい。

映画、《ミッドナイト・イン・パリ》を思いだしました。
映像がいろいろ浮かんできます。
また観たくなりました。 

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