本を読んだ。
★竜は動かず 奥羽越列藩同盟顛末 (上、下)
著者:上田秀人
出版社:出版社: 講談社 (2016/12/7)
江戸から明治への動乱の時代。
視点を変えると、こんな歴史が生まれるのか。
自分の浅はかな歴史感覚の見直しをせまってくる本でした。
一気読みです。
仙台藩下級藩士の玉虫左太夫が主人公です。
この名前からして、初めての世界。
幕末の時代は、
薩摩や長州などの倒幕の志士、
松蔭や竜馬や海舟などのヒロイズム、
あだ花としての新撰組の動きなどが中心に語られることが多い。
倒幕の動きから遠く離れた奥州の動きはほとんど知りませんでした。
そもそも視線が向いていなかった。
時代の波は、日本全土を覆いつくし、
人々の人生にのしかかった。
それぞれの幕末、それぞれの明治維新があった。
それを読み知ることが新鮮でした。
筆者である上田秀人さんは、
スピード感溢れる幕末の時代を描き、
玉虫左太夫の鮮烈な生き様を紹介してくれました。
《竜は動かず》のタイトルは空しく響きます。