パリ郊外の荒れた団地を舞台に、
可笑しく切なく儚く、
慈しみに満ちたオムニバス。
★アスファルト
原題:Asphalte
監督:サミュエル・ベンシェトリ
キャスト:イザベル・ユペール、ギュスタブ・ケルバン、バレリア・ブルーニ・テデスキ、ジュール・ベンシェトリ、他
製作国:フランス(2015)
それぞれの物語に繋がりはないが、
不器用で、見栄っ張りで、そして精神不安定な寂しがり屋さんたちが登場する。
落ちぶれた女優と鍵っ子の高校生
自称カメラマンと夜勤の看護師
移民の女性とフランスに不時着してしまったNASAの宇宙飛行士どれも可笑しいが、NASAの宇宙飛行士はほとんどシュール。
英語とフランス語のやりとりがユーモアたっぷりに展開。
クスクス料理には興味津々。
《そうか、これはメルヘンなんだな》。
趣味的なメッセージがあちこち散りばめてある。
eaglesのTシャツ、
マルセイユのユニホーム。
なんなのこれ?ッて感じです。
変な可笑しな話しが続くが、
違和感なく、
つい引き込まれた。
自称写真家と看護師のロマンスがじんわり。
出会いは荒涼とした雰囲気だったが、
ラストの二人は見事に綺麗だった。
人物描写が細やか。
それぞれのお話が進むにしたがって、
それぞれの人が、純になっていく。
人はこんなにも純になるのか。