本を読んだ。
★世界征服は可能か?
著者:岡田斗司夫
出版社:筑摩書房
論理の展開がちょっとめちゃくちゃではあるが、読んでいて面白い。世の中には面白い視点を持っている人がいるもんだ。「世界征服」なんて、めんどくさいことだとわかっているから、僕は考えもしないが、仮にそのような野望を抱いた場合、どんなめんどいことやリスクを背負うかを真面目に検証している。読んでいるうちに、やっぱりめんどいことだと確信する。
ヒットラーがあまりにも能力がありすぎ、全てを自分でこなすタイプだったそうな。おかげで働きすぎて過労死寸前だったらしいとか。
織田信長の経済自由化政策により、灯油が自由に売買され、安土城下の町は、夜でも灯油の灯で明るく、信長は天守閣に上り明るい城下の町を眺望したであろうとか。男の野望者はハーレムを作りたがるようだが、女の野望者の場合は、多数より一人の男にこだわるのではないかとか。などなど、結構、豆知識がちりばめられている。
でも、結局、「世界征服」は思ったよりは楽しいことでなく、苦労とリスクが多すぎるということらしい。また、仮に成就しても体制維持に莫大な費用と知恵と労力が必要であり、心労が絶えない馬鹿馬鹿しいことだということになる。でもその野望を抱いた者は歴史上次から次と登場してきたわけだから、「世界征服」は果てしないロマンの一つである。???。