人の若さと国の若さ
平均的な英国人は、「若さ」は36歳で終わり、「老い」は58歳で始まると考えていることが、欧州21カ国に対する最近の調査結果でわかりました。回答者の年齢によって、‘若い’と感じる年齢も異なるでしょうから、あくまで平均値ですが、40代後半、まさに中年の私の立場からも肯ける数字かと思います。勿論これは現代での社会的年齢で、生物学、医学的な意味での老化、例えば皮膚の老化現象は女性なら、ホルモン分泌がピークを超える25歳前後から始まるとも考えられていますから、36歳の肌は既に老いの過程にあることになります。ゆえに激しい運動量が要求されるプロスポーツでは、30歳で既にベテランと言われてしまい、そろそろ引退も考える時期となってしまうわけです。
一方最近‘国の若さ’という表現を目にすることがあります。成熟した国家というと政治、経済、福祉、文化など近代化した国々をイメージする反面、先進国病といわれる少子高齢化と社会保障の負担が増加している‘老いた国’とも言えます。一方、発展途上国の中には、制度面などはまだ不完全な部分もあり、様々な社会的問題は抱えていても、豊かな労働人口と、高度成長を目指す活気を持った‘若い国’があることも事実です。韓国の毎日経済で、日本、韓国、中国の人に、「自国を年齢で評価したら何歳か?」というアンケートをしました。その結果は、日本45.9歳、韓国33.3歳、中国36.5歳というもので、自国評価では韓国より中国が年上です。しかし、日本人は勿論、韓国人も中国を自国より若いと考えているとのことでした。
毒舌家でも名が知れた作家のバーナード・ショーが「若さを若者に与えるにはもったいない。」と言ったのは、経験のなさが、その若いエネルギーを浪費することを指摘したものでしょうが、老人の若者への憧れ、妬みのようにも聞こえます。国にも同じことが言えるかも知れません。