顔の対称性と表情について
ご自分の写真を見て、実物よりよく撮れていると感じることよりは、本当は、もう少し美人なのに、もう少し男前なのにと、やや不満に思う方が多いのではないでしょうか。勿論、カメラの性能や、撮った人の腕まえ?のせいにできますが、それ以上に、自分自身の顔と言うのは、かなり主観的な意識の中で見ているとも言えます。一方、モデルや女優といった‘撮られるプロ’たちは、さすがに、どの表情、どの角度でより綺麗に写るかと言うことを熟知しています。そのその彼女らが、顔は、やや左斜めからの角度を好んでポーズを選ぶことが多いのです。
あまり意識することは無いかも知れませんが、厳密言えば、人の顔は左右対称ではありません。職業柄、相手の顔を見る時、顔の左右差、バランス、輪郭のラインなどに目が行ってしまうのですが、完璧に対称な顔を持つ方には、未だお目にかかれません。顔の表情に関するところでは、相対的に 右に比べ左側の目がスッキリ、輪郭も明瞭で、口角も左側が挙がり、口元のラインもシャープに見える様に感じます。実際、日本の研究グループが、生後一ヶ月の乳児に対して、泣き顔の写真を撮り、顔の左右を正中から分割して、顔右半分だけ、左半分だけで合成した写真を作成したところ、ほぼ全員で左半分だけで合成された写真の方が、強く表情が出ていると判断されました。これは左右の表情の違いが後天的ではなく、先天的なものであることを示すものと言えます。人間は圧倒的に右利きが多いことも首から下の運動機能は、左右脳が逆に支配している為ですが、顔の表情の豊かさの違いも、左右脳の働きの違いが影響しているのでしょうか。
一方、ヒトは先天的な表情の左右差の範囲とは別に、口を片側だけ捻じったり、への字に曲げたり、片目だけ強く瞑るなど不自然な左右非対称な表情を作るときがあります。これは、情緒的な心情というよりは、不満や、あざけり、苦笑いなど意図的な感情表現のときに表れます。ウィンクもその一つと言えますが、日本人や韓国人、中国人などモンゴロイドは、白人種(コーカソイド)と比べ、自然に上手にできる人は少ないようで、民族的な目の片側運動の能力の違いがあるようです。
若い女性に ウィンクされて、鼻の下を伸ばしていたら、相手の意図に嵌ってしまったということがないように・・・
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