美容外科医の眼 《世相にメス》 日本と韓国、中国などの美容整形について

東洋経済日報に掲載されている 『 アジアン美容クリニック 院長 鄭憲 』 のコラムです。

犯罪者、テロリスト、英雄

2010-09-13 12:49:40 | Weblog


犯罪者、テロリスト、英雄


今年7月、金賢姫 元北朝鮮工作員が、日本拉致被害家族との面会および情報提供の為、34日で訪日しました。韓国内では当初からやや冷めた目で、訪日の事実のみ報道していましたが、一方日本のマスコミは、大々的に注目して取り上げました。100名以上の犠牲者を出したテロ事件の犯人として捕らえられながら、恩赦により隠遁生活をしてきた彼女に、新しい拉致被害者に関する情報が得られる可能性が果たしてあるのかと考えれば、両国の政治的な意図による訪問と捉えるのが無難でしょう。また、日本での特別な待遇に対する批判的な報道や、韓国国内での冷めた視線も、事件そのものを考えた時やむを得ないものです。ただ彼女が事件直後に、自害していれば北朝鮮では、英雄と称えられたかも知れません。(北朝鮮では公式には関与を認めていませんが・・・)金賢姫にとって祖国、愛国心と言った言葉は、何を意味するのか聞いてみたい気がします。

チャップリンは1歳の時に両親が離婚、父親はアルコール依存症で亡くなり、母親は極貧の中、精神異常をきたし、彼は施設に預けられます。どん底の生活の中で、パントマイムをして生計を立て、徐々に子役として頭角を現したチャップリン。ハリウッドに進出し、多くの短編映画を世に送り出しましたが、二次大戦後の‘赤狩り’気運が吹き荒れる中、彼の作品が社会批判的、容共的だということで批判を受け、アメリカを追われます。結局彼が安住の地として選んだのは、祖国イギリスではなくスイスでした。彼は言っています。「私は、祖国を愛している。でも、祖国に愛せと言われたら、私は遠慮なく祖国から出て行く。」祖国というものに対するチャップリンの切ない愛憎が感じられる言葉です。

 

 

 

1人を殺せば犯罪者と言われるが、100万人を殺せば英雄と言われる。数が殺人を神聖化するのだ。」喜劇王チャップリンが、映画「殺人狂時代」のラストシーンでの有名な台詞です。恵まれたとは言えない環境で育ち、政府や支配層に対す風刺的な作品が多い半面、ナチス・ヒットラーに強い反感を持っていたチャップリンの思いが込められた台詞です。

アジアン美容クリニック
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする