アンコール・ワット(1)・・・カンボジアの誇りと悲しみ
夏の休暇を利用して、かねてから一度は訪れてみたいと考えていたアンコール遺跡に行ってきました。成田からバンコク経由で、アンコール地方の都市シェリムアップまで、乗り継ぎの時間まで含めると9時間ほどで到着しました。韓国、ソウルからは、直行便が出ているため、3時間半しかかかりません。これは、観光以上に、韓国企業の積極的なカンボジア進出が背景にあるようですが、距離的な身近さ、便利さからか、カンボジア外国人観光客の3分の1は韓国人で、街のあちらこちらにハングルの看板が見られました。
シェリムアップは、首都プノンペンから北西に250キロに位置し、はるか昔より歴代の王たちが、都城を築いてきた地です。アンコール・ワットは、それら遺跡の中で最大の規模と、宗教建築美の結晶とも言える造形で訪れた人々を圧倒し続けてきたアジアを代表する世界遺産です。アンコール・ワットの建造は、12世紀初頭から当時の王ジャヤバルマン2世によって30年かけて行われました。9世紀から15世紀まで続いたクメール人によるアンコール王朝は、一時はインドシナ半島の大部分とマレー半島の一部を支配した大帝国であったと言われています。その中心にあるこの遺跡は、ヒンドゥー教の神々と地上の王を交信させる地上の楽園を表現したものであり、大農業王国を維持する水の都として、雨乞いなどの儀式をつかさどる大切な場所でもあったのです。アンコール・ワット(寺院の町)の建造から半世紀後、ジャヤバルマン7世の時代、王朝はその最盛期を迎えることになります。この王によって造営された最後の王都がアンコール・トム(大きな町)です。
アンコール・トムは、宗教的にはヒンドゥー教から大乗仏教に帰依した王の影響を受け、その中心に位置するバイヨン寺院は、穏やかな笑みをたたえた四面観音菩薩は有名です。
その表情には、実り豊かな国土を狙って、西のタイ、東のベトナム、南のチャンバ王国(ベトナム中部)が絶えず侵攻され、戦いの絶えない中、平和を願った王や国民の思いが込められているように感じました。
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