左上から 佳菜穂(高3) / 眞田(社会人) / 下 中崎(大学生)
目がカピカピです、一平です!本日はミオスにもアシスタントで来てくれているカナホ、土曜クラスの眞田さん、水曜クラスの中崎さんの3人の水粘土をご紹介します。
まず上段の手の作品ですが、僕はデッサンで「粗密の関係」という話をよくすると思います。これは大きく開けた空間と、ギュッと詰まってものが密集した空間が1つの画面の中にあると絵が間抜けにならず良いバランスでデッサンを進められるという構図の考え方の話ですが、僕は水粘土でも同じ事が言えるのではないかと考えています。こちらの手、デッサンなら複数モチーフがあるから粗密が作れるけどこっちは手だけでどうするんだ!と思った方もいると思いますが、手をそのまま見るではなく骨、関節、指と細かく見ていくとどうでしょうか。手を作るにしても指が伸び切ったパーのような手では単調でつまらない、粗密でいう「粗」だけの作品になってしまいます。逆にギュッと握ったグーの手ではドラえもんの手のような感じで人間の手らしさ、手の良さが出てきません。粗密の「密」だけですね。なので、適度に握っていて適度に開いている、そんな手を目指すと凄く考えやすいと思います。2人とも小指と薬指が少し握られていて親指から中指は少し開いているような見せ方です。ここに空気が抜けるような空間感を感じることができます。親指の肉の盛り上がり方や関節のゴツゴツ感など結凄く人間の皮膚の表情になっていて素晴らしいですね。
また、下段の中崎さんの作品はご自分のスニーカーを参考にしての製作でしたが、もちろんスニーカー自体の量感やソールとアッパー、タンなどのディティールへのこだわりが見えて完成度がとても高いのですが、僕が痺れたのはこの靴紐のたるみ方です。スニーカーの平たい紐の独特のたるみ方に勝手に共感し、「確かにこうなるよな…」と一人でニヤニヤしていました。観察力の賜物ですね。是非今度はもっとパーツの多い細かい物を作ってみて欲しいなと思います。
中崎さんの以前作った水粘土『手』の作品はこちら
粘土は子供達が工作によく使っているイメージだと思いますが、沢山の種類があり奥が深く面白いです。レンジでチンして固くしたり、食べれる粘土だったり本当に様々なので普段絵を描いている人達もたまにやれば新鮮で楽しいですよ!