鈴蘭を小瓶に活けて眺むれば甘き香りやほのか立ちくる
青インク花瓶の水に少し入れ青に変わらむスズランの花
(赤インクを垂らすとピンクの鈴蘭になります。)
・・・・・・・・・・・
フランスでは、5月1日に愛する人やお世話になっている人にスズランを贈る習慣があります。
スズランをもらった人には、幸運が訪れると言われているそう。
フランス語でスズランのことを「muguet=ミュゲ」ということから、5月1日を「ミュゲの日」と言います。
ともとスズランは中世の頃からヨーロッパにあり、春の訪れをあらわす象徴の花でした。
ケルト人にとっては、春の象徴であり、幸運をもたらすものと考えられていたようです。
ヨーロッパの冬は長く寒く、春の訪れを祝う気持ちは日本などに比べても強いのでしょう。
また、スズランは恋人たちの出会いの花でもありました。
ヨーロッパでは古くから『スズラン舞踏会 bals du muguet』が行われていました。
女性にとって、父親が口出しできない、その年の唯一の舞踏会だったということです。
舞踏会では、女性は白いドレスを身にまとい、男性はジャケットのホールにスズランの花を飾りました。
公式に『スズランの日』が5月1日と制定されたのは、1560年代のシャルル9世の頃。
一茎のスズランが幸運をもたらすとして、シャルル9世は、毎年5月1日に宮廷の女性にスズランを贈ることを決めました。
これが1561年のことです。
そこから、『5月1日はスズランの日』として、フランスで親しまれる行事になったのですね。
スズランの花言葉は、『溢れ出る美しさ』『希望』『幸福の再来』『純愛』など。
春を迎えた希望と、恋人の花にふさわしいロマンチックな花言葉がついていますね。
英国王室のウエディングブーケにスズランが使われることが多いのを見ても、ヨーロッパでは特別な位置づけの花なんだなあ、と思います。
スズランの日には、日ごろお世話になっている人や好きな女性にスズランを贈ります。
日本ではゴールデンウィークの真っ最中&こどもの日&母の日前ということで、お花屋さんでもなかなかきちんとキャンペーンがしづらいです(笑)
それでも、感度の高いお花屋さんならきっと、この日に合わせてスズランの切花を並べているはず。
小さなブーケ状にして売られていることが多いので、自宅用に買うのもいいですね。
初夏にはぴったりな、さわやかで清楚な花。ほかの季節にはなかなか手に入らないので、この機会にぜひ飾ったり贈ったりしてほしいです。
スズランを楽しもう!と思ったとき、方法はふたつ。
・切花を買って花瓶に活けて楽しむ ・鉢植えを買って咲かせて楽しむ
切花のスズランは、5月~6月頃お花屋さんに並びます。ただ、丈が短く普通の花束には使いにくいので、いつも常備している花…という感じではありません。
5月1日のスズランの日に合わせて店頭に並ぶことが多いので、お店でチェックしてみましょう。
苗や鉢植えのスズランも出回っています。花付きのものは、初夏に花屋や園芸店に出回ります。
暑さにやや弱いですが、きちんと管理すれば翌年も花を楽しむことができます。
環境が合えば、株がふえて株分けすることも可能。庭に地植えにしている方もいます。
水はけのよい土を使うこと、暑さに気をつけることがポイント。
暑さをしのげれば、それ以外は比較的育てやすい植物です。
スズランには、強い毒性があります。
成分はコンバラトキシンなど。すべての部分に含まれますが、特に花の部分に多く含まれています。
摂取すると、嘔吐、頭痛、眩暈、心不全、血圧低下、心臓麻痺などの症状を起こし、重症の場合は死に至ることも。
花、茎、葉などはもちろん、スズランを活けた水も口にしないように。
口にしなければ問題ないですが、植え替えなどをするときはゴム手袋をすると安心です。
とても可愛いスズランですが、ペットや小さなお子様がいる家庭は要注意なのです。
・・・・・・・・・・・
鈴蘭には思い出があります。
一つは高校時代の制服を着たままの遠足で12~13キロくらい歩きました。
到着地の牧場の中に鈴蘭がたくさん咲いていました。
電電公社が民営化されたとき職員が各家庭を訪問した時があり、ある家に行ったとき一人暮らしの70歳くらいの男性で、いろいろな想いがあったらしく四時間くらい話を聞かされ、最後に花畑の鈴蘭をくれました。
私も若かったのでその方の話を一生懸命聞きました、あ~しんどかった。
~~~~~~~~~~~
今日は母がショートステイから帰ってくる日です。
今日も気温は低いようです。
桜も白っぽくて寒そうです。