国葬に相応しくなき九月場所
こくそうにふさわしくなきくがつばしょ
英国は女王への賛美日本は異議ありの声巷に溢れ
ABCテレビ解説委員の木原善隆氏が26日、ABCテレビ「news おかえり」(月~金曜後3・45)に生出演。27日に東京・日本武道館で行われる安倍晋三元首相の国葬について、岸田文雄首相の姿勢を批判した。
国葬には210超の国・地域・国際機関の代表団700人程度が参列予定。
岸田首相は26日、来日した各国首脳らとの弔問外交をスタートし、安倍氏の外交遺産を受け継ぐ姿勢を強調した。
木原氏は「岸田総理は国葬の是非について『弔問外交の結果や、葬儀も全部見た上で判断してほしい』と言ってますよね。
でも、ポイントはそこじゃないんです」と指摘。
「弔問外交は行われるでしょう、葬儀も滞りなく行われてほしいと思いますが、そういうものはきちんと行われて当然なんですよ。
むしろ少しでもミスがあれば国際問題になってしまう」と説明した。
その上で国民感情について、「国民が反対しているのはそこじゃなくて、国葬にした根拠であるとか、説明がなかったことに反対しているわけなんで、いくら弔問外交をやったからといって、国葬の是非論に影響を及ぼすとは思えない」と述べ、岸田首相の発言に疑問を呈した。(スポーツニッポン新聞社より)
安倍元総理大臣の「国葬」をめぐっては、学者などの間でさまざまな議論が起きています。
2人の識者に聞くと、大きく4つの論点が浮かび上がりました。
意見を聴いたのは、▽憲法学者で京都大学大学院法学研究科の曽我部真裕教授と、▽行政法が専門の成蹊大学法学部、武田真一郎教授です。
1つめは「法的根拠」です。
戦前、「国葬」は1926年に勅令として出された「国葬令」が法的根拠とされていましたが、日本国憲法の施行に伴ってその効力を失いました。
政府は今回の根拠として、「内閣府設置法に、内閣府の所掌事務として国の儀式の事務に関することが明記され、閣議決定を根拠として行うことができる」としています。
これについて曽我部教授は、「国民の権利を制限する場合には法律が必要だが、今回は必ずしも必要ではなく、政府の説明はそこまでおかしくはない。
一方、国葬は広く追悼の意を示すことが求められるので、論争がある中で行われるとその意義が失われてしまう。
そういう意味では手続きを定めた法律があるほうが望ましい」としています。
一方、武田教授は、「内閣府設置法は役所の基本的な仕事を例示しているだけで、具体的な権限を行使する根拠とは言えない。
財務省設置法の国税庁の規定に基づき、国税庁が勝手に税率を変更することができないのと同じだ」と否定的です。
政府は安倍元総理大臣について「歴代最長の期間、総理大臣の重責を担い、内政・外交で大きな実績を残した」などとしていますが、特定の政治家の葬儀を行うことについて、さまざまな意見が出ています。
武田教授は「アベノミクスや安全保障関連法への評価が定まっていない段階なので、国葬をすべきかどうか、国会で十分に議論すべきだった」としています。
1967年に行われた吉田茂元総理大臣の「国葬」では、学校や会社なども哀悼の意を表すよう協力を求められました。
武田教授は、「国葬には政治利用の側面があり、弔意を強制する効果は避けられない」と懸念を示しています。