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海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

『部落解放』2月号

2008-02-05 19:33:06 | 読書/書評
 雑誌『解放』2008年2月号が〈軍命は続いている/切り捨てられる沖縄〉という特集を組んでいる。その中に〈教科書検定問題を読み解く〉という一文を書かせてもらった。他に野村浩也氏〈軍命は続いている〉、高嶋伸欣氏〈「集団自決」と沖縄差別〉、新崎盛暉氏〈日本の中の沖縄〉、松本剛史氏〈米軍再編と負担軽減の虚飾〉などのエッセー、評論が載っている。また、〈11万6000人集会の軌跡と波紋〉と題し、沖縄県高教組書記長の福本勇司氏、沖縄県子ども会育成連絡協議会会長の玉寄哲永氏、〈新たな「琉球処分」は許さない〉と題してヘリ基地反対協議会共同代表の安次富浩氏ら三名のインタビューが載っている。
 「集団自決」(強制集団死)の教科書検定問題や沖縄の基地問題に関して、『世界』の臨時増刊号に次ぐ特集だと思う。
 拙文では、今回の教科書検定問題の背景にある動きとして、2004年12月に新防衛計画大綱が打ち出され、米軍再編と連動して沖縄の自衛隊強化が進められていることについて触れた。台頭する中国への日米両軍の対抗拠点として、沖縄が位置付け直されていること。そのことについてもっと考察を深めなければならないと思う。
 それは今回の教科書検定問題がまだ始まりであり、沖縄県民の反軍感情を払拭し、自衛隊に協力する社会状況が作られるまで執拗に行われることをも意味している。
 教科書は全国で使われるものだから問題は沖縄に限定されているわけではないが、沖縄以外の地で生じる問題と、沖縄で生じる問題の質の違いにも注目しておく必要がある。

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