海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

沖縄防衛局の新型コロナウイルス対策のやる気のなさが目に余る

2020-11-06 23:59:05 | 米軍・自衛隊・基地問題

 6日(金)は午後4時に新基地問題を考える辺野古有志の会とティダの会で嘉手納町の沖縄防衛局を訪ね、〈キャンプ・シュワブにおける米兵の新型コロナ感染に関する緊急申入れ〉を行った。

 キャンプ・シュワブで米兵11人が新型コロナウイルスに感染したことが10月30日に米軍から発表された。辺野古区民のなかでは集落内を歩く米兵に対して不安が高まっており、米兵の外出禁止とキャンプ・シュワブの即時封鎖を求めた。

 あわせて基地従業員や基地内で工事を請け負っている作業員、警備員への安全対策強化も要請したのだが、沖縄防衛局の対応を見ていると、そのやる気のなさに寒々とした思いに駆られた。新型コロナウイルス対策については沖縄県と米軍が協議している、とくり返すばかりで、沖縄防衛局として基地従業員や作業員、警備員を守ろうという姿勢がまったくない。

 新型コロナウイルスの感染者を出したくないという思いは、私たちも皆さんも同じだと思います。有志の会やティダの会はそう語りかけ、沖縄防衛局としても感染防止に努めてほしいと丁寧にお願いしたのだが、沖縄県と米軍で協議している…とまるで他人事のような反応が返って来るばかり。

 米兵と接する基地従業員は不安に感じているはずだ、希望者には定期的にPCR検査を受けられるようにすべきではないか、と問うても、まともな返答はない。辺野古区民の中にも基地で働いている人がいる。そういう人が感染すれば、家族や親戚、地域住民にも広がる可能性があり、それは沖縄防衛局にとってもまずいことのはずだが、主体的に取り組む意思はまったく感じられなかった。

 日本全体の感染者が1日に1000人を超すようになり、寒くなるにつれて感染者が増えつつある。米国では1日に10万人を超す感染者が出ている。沖縄防衛局の無責任な姿勢を許してはならない。自分たちは不織布マスクを使用しながら、テイケイのマウスシールドを放置している問題についても、今日の要請で話した。この問題については継続的に取り組んでいきたい。

 嘉手納町に行く前に、午後2時9分頃、瀬嵩の海岸から大浦湾の様子を見た。K9・K8護岸で土砂の陸揚げは行われていなかった。土砂を積んだランプウェイ台船やガット船(美鍛丸)にも変化は見られず、月曜から金曜まで土砂の陸揚げ、埋め立て工区への投入は行われていない。

 午後2時24分頃、豊原の高台から辺野古側埋め立て工区の様子を見た。K9・K8護岸で土砂の陸揚げが行われていないので、当然埋め立て工事も行われていなかった。

 K4護岸上に片付けてあったオイルフェンスを再設置する作業が行われていた。辺野古崎と長島の間はすでに張られていて、K3・K4護岸付近で作業和船が再設置作業を行っていた。

 沖縄防衛局との交渉のあと、少し早いが午後5時過ぎに美浜の回転寿司屋に入った。6時までの間に客は私1人だった。外国人観光客が店の前で時間待ちで並び、あれほど賑わっていたのに、新型コロナウイルスの影響の大きさを実感させられた。美浜は米兵や米軍属がよく訪れる場所であることも影響しているだろう。

 辺野古新基地建設工事では、警戒船に乗っていたウミンチュの中からも感染者が出ている、との話がある。名護市が発表している集計を見ると、10月18日に発病し22日に確定した50代男性の職業が〈漁業〉となっている。沖縄防衛局は情報隠しや責任逃れをせずに、基地従業員や作業員、民間警備員、警戒船を出すウミンチュへの感染症対策を主体的に行うべきだ。同時に、基地周辺住民をはじめ沖縄県民に感染を広げないよう、米軍兵士に対する規制強化を求めるべきだ。

 


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 安和で土砂搬入に抗議 | トップ | 資料:「金武湾を守る会ニュ... »
最新の画像もっと見る

米軍・自衛隊・基地問題」カテゴリの最新記事