海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

オバマ大統領来日

2009-11-13 19:37:05 | 米軍・自衛隊・基地問題
 オバマ大統領が来日した。ちょうど今、鳩山首相と日米首脳会談が開かれている。新聞やテレビは、首脳会談では普天間基地の「移設」に関しては深入りせず、問題を先送りすると報じている。オバマ政権、鳩山政権ともに対立点は曖昧にすることで、傷を付け合わないようにしたいようだ。このような報道に接して、首脳会談に対する沖縄県民の期待値は当然にも下がる。両政権が誕生した頃の熱気を思い出せば、かくも早く熱が冷めたことよ、と思わされる。
 しかし、それも当たり前のことだ。「チェンジ」「友愛」というキャッチフレーズも、沖縄は適用外であることが普天間基地「移設」や米軍再編をめぐりあからさまになっているのだから。米国側がオバマ大統領訪日前の決断を無理に迫っていたらどうなっていたか。おそらく鳩山首相は辺野古沿岸部に新基地を建設するという現行案に踏み切らざるを得なくなり、沖縄ではオバマ大統領来日と首脳会談糾弾の声が噴出していただろう。
 そのような状況を回避するために、問題が先送りされたとしても、辺野古現行案の微修正を落とし所にしようとするオバマ政権に対して、鳩山首相は「最低でも県外」といった自らの公約を守り、実行するか否かの決断をいずれ迫られる。「友愛」を掲げる鳩山首相とノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領が、力ずくで辺野古への新基地建設を強行するのか。そういう愚かな結論に至る一里塚とならないように願いつつ、首脳会談の結果に注目したい。
 全国ニュースでは報じられていないだろうが、沖縄では今日、読谷村のトリイ通信基地前で、米兵のひき逃げ死亡事件に対する抗議集会が開かれている。平和運動センターの呼びかけに150人が集まったという。問題は普天間基地だけではないのだ。オバマ大統領に沖縄のこの現実が見えているか。見ようとしているか。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 島袋名護市長の声明のまやかし | トップ | 日米首脳会談と琉球新報社説... »
最新の画像もっと見る

米軍・自衛隊・基地問題」カテゴリの最新記事