咲とその夫

 思いもよらず認知症になった「咲」の介護、その合間にグラウンド・ゴルフを。
 週末にはちょこっと競馬も。
 

土曜ドラマスペシャル「負けて、勝つ」・・・面白い

2012-09-25 23:02:50 | レビュー
 「負けて、勝つ ~戦後を創った男・吉田茂~」が、とても面白い。戦後の政治家を扱ったこのドラマ、冒頭には多くの情報を元にフィクションとして制作とのテロップが流れている。政治家を題材にしたドラマは、暗くて固いイメージが強いが、これがなかなかに面白いのである。骨太のドラマに仕上がっており、また、名前をよく知る政治家の皆さんの若い頃が次々と出てくるものだから、より一層このドラマに引き込まれる。

 先の土曜日、某所で会ったMさんも「“吉田茂”を扱ったNHK土曜ドラマが、とても面白いが見ていますか」・・・と。

 当方、即座に「見ていますよ」・・・と。

 敗戦国日本、その戦後処理にやってきた連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサー、その司令官と真っ向から対峙した吉田茂・・・。

 そのダグラス・マッカーサーを演じるのは、ハリウッドの有名な俳優デヴィッド・モーリスさん・・・今回のドラマを制作するにあたって、プロデューサー氏が、この俳優さんを三顧の礼で迎えたとのこと。マッカーサー役は、この俳優さん以外は考えられなかったとのこと。

 それに堂々と相対する吉田茂役の渡辺謙さん、今では押しも押されぬ国際派の俳優さんであるから、両雄の演技の火花がTV画面を通して視聴者側に“バチバチ”と伝わってくる。

 ドラマの中で、後の首相となった吉田茂と言えば、「バカヤロー」解散の発言が余りにも有名であり、当方もその程度の知識であった。ところが、米国の占領下にあった敗戦国日本において、将来を見据え戦後復興を遂げて世界一の国を創りたいとの壮大な夢を唱える吉田茂。ドラマを介してであるが、このような大きな目標を持って邁進する人物の器の大きさに魅了される。

 そして、その吉田首相を迫力一杯に好演している渡辺謙さん、日本の独立をと唱えマッカーサー司令官に一歩も引けをとらないところが・・・いいね。戦後の歴代首相となった池田勇人、佐藤栄作、田中角栄の各氏の若かりし頃、吉田茂首相の教えを学び将来に備える懸命な姿がちらほらと垣間見える。

 また、恐れ多くも天皇陛下、昭和天皇を演じている大蔵千太郎さん、何とこれがそっくりというか、昭和天皇の雰囲気がとてもよく出ており、凄いなと思いつつ見入ってしまった。

 ところで、この役者さんはどなたかと思っていたら・・・。能楽師大蔵流狂言方であると判明。その道ではとても有名な方のようで、そのような方であるから、どこか品のある役がハマっているのかも・・・。それにしても、よく似ていらっしゃる。

 政治の世界に身を置いた主人公・吉田茂、その粉骨砕身の働きぶりと苦悩が克明に描かれている。そして、苦悩の末、世界が驚く戦後復興を成した宰相、その生き様が展開するこのドラマも残り2回となった。

 じっくりと観賞したい。(夫)


[追 記]
 ドラマのタイトルは「戦争に負けて、外交で勝った歴史がある」という吉田の言葉から取った。中村高志制作統括は「その言葉を実行に移そうと頑張った、誇りある日本人がいたことを視聴者に感じ取ってもらえれば」と期待を込める。
 物語は終戦直後から始まる。日本の占領政策を進めた連合国軍総司令部(GHQ)のマッカーサー元帥(デヴィッド・モース)と渡り合い、サンフランシスコ講和条約の調印などで日本の基本路線を方向づけた吉田の奮闘や苦悩を描き出している。時代設定を占領期に絞り込んだのは「その時期こそが吉田の人生のハイライトであり、総理大臣として吉田が下した決断の一つ一つが現代につながっていると考えたから」(中村制作統括)だ。



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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2012-09-29 22:38:54
このドラマ、一番の面白みは「日本国憲法」を誰がどういう意図で作ったのか。という大きなテーマで、直に渡辺謙演じる吉田茂があらためて視聴者に問い、現代の闇雲に憲法は遵守すべきと考える及び何も考えていない者らへ、訴えているドラマであることが素晴らしい。

アメリカに押し付けられた軍隊放棄憲法の下、皮肉なことにアメリカ軍がいなかったら、ソ連軍にあっという間に蹂躙されていたであろう時代。難しい判断を毎日迫られていただろう時の首相、それが吉田茂である。と考えます。

スミマセンこのドラマには演技力とか、俳優陣とかあんまり興味がわかなくて。。。
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恐れ入ります (咲とその夫)
2012-09-29 23:15:51
 とても、いいコメント恐れ入ります。

 無条件降伏の我が国、アメリカあっての日本であり、アメリカあっての共産化を免れた日本。

 そろそろ、独立した日本の本来の憲法を作り上げるべき時期に来ているものと思われます。強い日本となるために・・・。
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