咲とその夫

 思いもよらず認知症になった「咲」の介護、その合間にグラウンド・ゴルフを。
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集団抗争時代劇・・・

2011-05-11 20:16:30 | レビュー
 団塊世代の当方が、少年時代見ていた懐かしい時代劇。昭和30年代には、東映・大映・松竹・東宝などで多くの時代劇が作られ多くの映画館で掛けられていた。

 特に東映時代劇は、華やかできらびやかな衣装、豪華な配役陣など、正に映画スターと呼ばれ、近寄りがたい本物の俳優人(男優・女優)がたくさん出ていた。

 そして、極めて個性的な脇を固める俳優人も、今思えば渋い役者さん揃いであった・・・・あの頃。

 そのようなキラキラとした豪華版の時代劇の中で、リアルな時代劇を追求した映画も作られていた。

 特に黒澤明監督作品は、少年時代にはちょっとその良さが分からなかったが、大人になるとその素晴らしさが分かってきた。一つ、ひとつのカットが絵画になっており、カメラワークと光と影など・・・・本当に凄い作品であると。


 華やかな時代劇が作られていた頃の作品群の中で、異色の作品と思われる工藤栄一監督の“集団抗争時代劇”と呼ばれた作品がある。

 「十三人の刺客」「大殺陣」「十一人の侍」などの映画が上映された当時、泥臭くて、この作品の良さが分からなかった・・・・難しい映画と思っていた。

 その後、映画の世界も衰退して徐々に時代劇作品も少なくなり、テレビ時代劇に移り変わって、余り凝ったものは作られなくなった。

 特に最近の時代劇の中には、言葉遣いなど現代劇なのか時代劇なのか理解しがたい作品が多い・・・・無理からぬことではあるが。


 9日~10日、NHKBSプレミアムの午後の映画放映時間帯に「十一人の侍」と「大殺陣」が放映された。

 懐かしさもあって、2日間とも観てしまった。ところが、これが新鮮でとても良かった・・・素晴らしいカメラワーク。

 今では当たり前であるが、手持ちカメラで殺陣のシーンなどに迫っているのである。人の動きに合わせてカメラがついて回る・・・カメラレンズに泥が付着してもお構いなしに回している。

 工藤栄一監督作品は、光と影の対比が有名である。この2本の映画が白黒であることから、光と影がさらにクローズアップされており、よりリアルに作られている。

 出演している懐かしい今は亡き役者さんたちの素晴らしい演技の競演、武士の言葉づかいと立ち居振る舞い、これが本当の時代劇である・・・・。

 時代劇大好きな、古い人間でございます・・・・満喫いたしました

 この2本の映画の前に作られた「十三人の刺客」は、2010年、三池崇史監督によりリメイクされている。(夫)



「十一人の侍」


[追記1]~十一人の侍~
 館林藩主・松平斉厚の短気から、忍藩主・阿部正由が殺された。忍藩家老の榊原帯刀は、老中水野越前守に訴状を届けるが、斉厚が将軍の弟であることから逆に阿部正由の非とされ藩の取りつぶしに追い込まれる。
 主君の敵を討つべく、帯刀より密命を受けた仙石隼人以下11人の暗殺隊は、日光街道を行く斉厚一行の大名行列に壮絶な闘いを仕掛ける…。
 「十三人の刺客」「大殺陣」の工藤栄一監督による集団アクション時代劇

[追記2]~大殺陣~
 4代将軍家綱の危篤にあたり、大老酒井雅楽頭は自分の思い通りになる甲府宰相綱重を5代将軍に推し、天下を我が物にしようとたくらむ。
 これに対し軍学者・山鹿素行は一党を組織し、綱重暗殺計画を立てる。「十三人の刺客」で時代劇に集団闘争という新たなスタイルを築いた工藤栄一監督が、江戸史の謎とされる甲府宰相の死に想をえて、幕府大老の陰謀に挑む暗殺者たちの壮絶な闘いをリアルに描いた時代劇。
(出典:NHKBSプレミアム 抜粋)



「テレビに夢中の孫」


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