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9日(土)の夜、時代劇専門チャンネルにて放送された『闇の歯車』(原作:藤沢周平)、最後まで見入った。
同局が時代劇の灯火を消さないようにと、独自に時代劇を制作してきている一遍である。
藤沢周平作品としては、とても珍しくハードボイル作品であった。
池波小説のような感覚であるが、ちょっと雰囲気は違うけど、面白く見ることができた。
主人公は、遊び人で時おり裏の仕事を引き受けている佐之助(瑛太)、博打稼業で女にも逃げられていた。
裏家業の仕事を終えた後、一杯飲み屋にて人の良さそうな老齢の男に声を掛けられた。
この男は、伊兵衛(橋爪功)といって裏では盗人家業を差配している人物だった。
あるお店(たな)に押し入るため、見知らぬ素人衆を物色していたらしい。
この一杯飲み屋は、高齢の繁蔵(中村嘉葎雄)と身重の若い女房が営んでいた。
この店にやって来る脱藩者の伊黒清十郎(緒方直人)、からくり細工師の老人・弥十(大地康雄)、縁談が持ち上がっている商家の息子で愛人のいる仙太郎(中村蒼)、この仙太郎は夜目が効く男だった。
そのほか多くの町人や職人たちも出入りしている一杯飲み屋。
伊兵衛が目星をつけているお店は、大金がはいる日取りも分かっていた。
“逢魔が刻(おうまがとき)”には、向かいのお店が先に暖簾を引き、その後狙いのお店が暖簾を引くことも分かってきている。
伊兵衛はその瞬間が狙い時であると判断。
一人百両の仕事があると佐之助、伊黒清十郎、弥十、仙太郎を言葉巧みに誘い込み、これまで練ってきた計画を伝える。
つまり、“逢魔が刻”に押し込むなら必ず成功すると・・・。
一人も殺めず、仕事を終える段取りもよくうまく運んでいた。
それぞれ、裏口などから消えた仲間たち。
ただ、伊兵衛と佐之助は、表戸から堂々と出る手はずであった。
ところが、思いもよらない事態が発生・・・。
その後、盗人を働いた佐之助、伊黒清十郎、弥十、仙太郎たちに様々なことが起こり、歯車が欠けるがごとくの短い人生となって行った。
ところが、したたかな伊兵衛は、同心や岡っ引きに捕縛され受牢されるも、生き延びる算段を抜け目なくやっていた。
時代劇を作り上げる太秦の職人たちが、光と影などを巧みに操りながら、映画の如く作り上げている。
その職人たちの心意気が、視聴者にヒシヒシと伝わってくる本格的な時代劇であった。
このドラマの最後の、最後にオチも描かれており・・・痛快である。
昨今は、時代劇専門チャンネルやNHKBSが、本格的時代劇を作り続けているから嬉しくなる。
その灯火を消し去ってほしくないと思っている。(夫)
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