倫敦 とっかあた

ロンドン在住チェンバロ、ピアノ弾き のブログ。同居人は、不良猫と宇宙人かもしれないチェリストの旦那。

幸福とattitude

2013年05月12日 | 日記
以前に紹介した A Little History of Philosophy という本の中で、
最近ナルホドっと思った節があります。


簡単に掻い摘むと、、
人生において、様々な事が、
「運」によって左右されます。
でも、「運」は、外的要因なので、
自分でコントロールする事は
無理です。
では、コントロール出来る事は
何かというと、
Attitude というわけです。
この言葉の直訳は、'態度' ですが、
実際には、物事にどう取り組むか
物事をどう捉えるか、どう感じるか
などなど、広い意味で使います。


確かに、どれだけ努力をしても、
強く望んでも、
手に入らないものって
一杯あります。
かと思うと、世の中には、
満ち足りたラッキーな人が
あちこちに、いる気がします。


なかなか手に入らないものへの
願望を大切にして
努力するのは
大切なことです。
ただ、それでも努力が
報われないことは
多々あります。
そんな時
原因が外的であれば、
出来るのは、自分の考え方
attitude を
変えることのみです。





だからこそ、
幸福とは、自らの内に見出さねばならない。
外的な事や、物質に
幸福を見出していても
それらは突然変化する可能性に
あふれているからです。

そういった事が、
書かれていました。
そりゃあそうだ!と、
当たり前の事なのに、
コロンブスの卵です。


この考え方を書いた著者は、
ボエティウス 紀元前6世紀の人です。

彼は、ある時まで鰻登りに出世し
何の不自由もない人生を
歩んでいたのに、
ある日突然、
政治的陰謀の被害者となり
投獄され、一年後に死刑という宣告を受けます。

その獄中で、執筆したのが、
この本でも紹介されている哲学書 "哲学の慰め" だそうです。
彼の人生を考えると、
幸福は、内面に見出すべきという
言葉が、
非常に切実に感じられます。

ボエティウスが、
死を前に、自問自答していく中
記された思想、
きちんと読んでみたいものです。











コメント
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