倫敦 とっかあた

ロンドン在住チェンバロ、ピアノ弾き のブログ。同居人は、不良猫と宇宙人かもしれないチェリストの旦那。

パーセル歌曲のコンサート終了

2014年09月22日 | 日記
コンサート終了後は、
数日、もしくは1週間程、
アフターケアを要します。
頭が普段よりも、
ぼーっとし、
やる気なし子になり、
ダラダラしたい一方です。

といっても、
教える仕事は普通にあり、
アフターケアなどとは、
言ってられません。

結果、頭痛を抱えて、
不機嫌を吹き鳴らし
教えに向かいます。

こんな疲労を伴って、
企画実行した
パーセル歌曲のコンサートですが、
聴衆の温かい反応を見て、
ホッと安堵でした。

ヘンリー・パーセルは、
イギリスの生んだ天才的作曲家。
意外に知られていません。
エルガーや、ビートルズに、
かなり、おされ気味です。


渡英して3年後、
ギルドホール音楽院の伴奏科で、
初めてパーセルの歌曲に遭遇。
ピアノ伴奏譜を渡され
もともと通奏低音の曲とは
つゆしらず、
無知蒙昧まっしぐらで
弾いていました。
今思うと恥ずかしい限りです。

チェンバロを始めてから、
パーセルの歌曲の
本来の演奏形態を学び
その魅力を知る事となりました。


モンテヴェルディなどもそうですが、
楽譜に記されている情報が少なく、
演奏者の即興的能力を要する故、
音楽の魅力が
充分に発揮されるかは、
演奏者にかかっています。
奥の深い傑作です。

英国の歌手で
パーセルの演奏が素晴らしいのは、
エマ. カークビーや、
エヴェリン・タブや、
ロビン・ブレイス
など。

私達のコンサートでは、
歌手のエミリーと、キャスが、
充分にパーセルの醍醐味を
表現してくれました。
特にエミリーは、
パーセルにぴったりの声。
パーセル的表現も
美しく自然に散りばめ
心にすっと入ってくる感じが魅力の
歌手です。

普段はチェリストの旦那が、
今回は、パーセルのスタイルに適切な
ガンバとベースヴァイオリンの
2つの楽器を弾き分けることに。

更にテオロボ兼バロックギターの
トビーも加わり、
豪華なコンティヌオチームです!

こうした楽器編成で演奏すると、
パーセルの天才が、
より味わえます。

音大生達(過去の自分も含め)が、
ブリテン版や、ティペット版、
更にはもっと劣悪な版を
鵜呑みにして
演奏しているのは、
何とも残念。

今年も担当するバロック講座、
そんな点も
しっかりカバーしたいと思います。
作品の真の良さを掴むには、
エディションの比較選択、
スタイルの理解は
大切な鍵。
自分本位の演奏を避ける為にも、
怠らないようにしたいものです。











コメント
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