倫敦 とっかあた

ロンドン在住チェンバロ、ピアノ弾き のブログ。同居人は、不良猫と宇宙人かもしれないチェリストの旦那。

チェンバロとピアノの両立

2024年01月21日 | 音楽
以前にも書きましたが
今年は
両方の楽器でお仕事が
入ってきそうなので
両立の為の注意事項⚠️
備忘録を兼ねて記そうと思います。

(チェンバロ始めたばかりの方へ)
個人差ありますが
基本的なタッチが身につくまで
一年くらいはチェンバロに集中!
それが無理なら
絶対同じ曲をピアノで弾かない!
(これは私今でも気をつけています)。

さてタッチの違いですが
色々な事が
まことしやかに囁かれております。
例えば
腕を動かすな!
肘も動かすな!
上半身は動かすな!
などなど






これを守ろうとして
コチコチになり
音楽までカチカチ🥶になる方が
プロでも沢山いらっしゃります。

実は
私の恩師達は
〜するな!ではなくて
腕は脱力しよう!
手首の力も抜こう!
指先は鍵盤と仲良く!
くる節からモゾモゾ動かそう!
といったような
〜しよう!系の指示を
常に飛ばして下さいました。
なので萎縮せず
自然に色々気をつけられるようになりました。






チェンバロとピアノの
決定的な違いは
弦を弾く際の抵抗の瞬間。
この瞬間を
指で感じて
表現に繋げるのが大切です。
そして
指は鍵盤と仲良く=
レガートにしたい所や、同じハーモニーやフレーズ内のオーバーホールドを最大限に使う。

アーティキュレーションを
常に叫ぶ演奏家や生徒さんの中には
パツパツと
フレーズを切って
指も上げて
音楽がブツ切れ事件
結構発生しています。
時折
アーティキュレーションを
つけなければ
死んでしまう病
みたいな方もいらっしゃいます。

私の恩師達の口癖は
「貴女は音楽を奏でるべきで
アーティキュレーションを
奏でるべきではない!」
「チェンバロは美しいレガートで弾く方が
難しい。だからこそレガートが大事!」
💓
と言っていました。
アーティキュレーションに
こだわるのに有名なダッチスクールですが
例えば
Bob van Asperen
 は
結構レガートに拘っていました。

真に音楽の解釈を
大切にしていて
腕を動かすなど云々の
表面的な事より
どう表現するか
どう聴こえるか
を細かく細かく細かく追求。

レガートに弾くために
え!?そんな運指するの?
みたいな指示もあり
タジタジ😅

でも自分の恩師達も
特にニコラス・パールは
その路線まっしぐらなので
私は首を縦に振り続けたのを
覚えています。

という事で
ちょっと脱線しましたが、
両立する際の
実践ティップは、
曲を分ける
日を分ける
両方の楽器共、練習前に身体と心を整える*
(これの方法は別記事で)
少しさらったら録って自分の音をチェック
新しい曲は表現と繋がる運指を先ず考える




もうひとつ
例えば副科で
チェンバロのレッスンを受けて
楽器が弾けるようになる=チェンバロ弾ける
ではないという点は
残念ながら
指摘したいと思います。


バロックや古楽の
様式や
パフォーマンスプラクティスを
勉強して
初めて
楽器への
アプローチなども
深まっていきます。
ソロのみでなく
通奏低音などの経験も
大事です。
私も2年間は
古楽科でみっちりと
その辺りも勉強、
その後も勉強の連続です。
😅
奥が深いですね、
学べば学ぶほど
自分の不勉強を痛感します。
という事で
今年も
頑張ります!
















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