脳梗塞で左半身麻痺になり、自宅で8年介護してきた母が4月7日の朝他界した。 庭の梅がようやく小さな蕾になりかけてきたばかり、母の名は梅子といい、折りしも同じ名前の主人公の連続テレビ小説がこの春から始まったばかり。人から「梅ちゃん、梅ちゃん」と親しみをもって呼ばれるところは母と重なって見える。 「ありがとう」 「すみません」 「あーよかった」 自分では歩くこともできなくなってからは誰にでも感謝の言葉がでる人だった。看ている側でも感謝の言葉ばかりで介護する苦労などまったく感じなかった。 好きに動くことができない、支えられて生きている、床の上で長年葛藤してきただろう、そんな生きてゆく手段として自然とそうさせたのだろうか。 人を心から動かせるのは富や地位や名誉ではない、言葉だってことを母から教えてもらった。 ありがとう |