紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

『あめふり』の新イメージ?

2008-11-24 23:25:43 | ラジオ
 本日はNHK-FMにて『今日は一日童謡/唱歌三昧』という番組をしていることをお昼に知る。今までにもう充分!というほど聴いたに違いない童謡『あめふり』を聴いているうちに、この主人公の男の子にどしどし突っ込みたい気持ちがむくむくと湧いて来た。

 出だしから、いきなり『♪あめあめふれふれ』である。明らかに雨が激しく降る事を喜び、なおかつ、それを大変願っているフシさえある。八代亜紀はこの後『♪私のいいひと連れてこい~』と歌ったが、彼の場合、『かあさんがジャノメでお迎えうれしいな』という確信犯なのである。『連れてこい~』と命令形もあんまりだと思うが、命令するまでもなく「かあさんは来るに決まってる♪」という傲慢な思い込みに、ややむっとする。

 しかも命令形の八代亜紀でさえ、『♪あめあめふれふれ』のフレーズは中盤の山場でやっと登場するというのに、頭からいきなり『♪あめあめふれふれ』とは、なんとエゴイスティックな性格の男子であろうか。雨が降れば困る子もいるのである。雨が降ればお母さんが呼ばれずとも迎えに来てくれるようなクラスメイトばかりではないことに気付かぬのであろうか? むかむか。

 歌詞の最後は必ず『ピッチピッチ ジャブジャブ ランランラン♪』で締められる。いかにも無邪気な男子を装っている用意周到なところも、憎らしい。

 3番では雨に降り込められ、傘も、むろん母親のお迎えなどあろうはずもない子と、この恐るべき男子との邂逅が歌われる。以下が3番の歌詞である。

あらあら あのこは ずぶぬれだ
やなぎの ねかたで ないている
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン


ずぶぬれになるほどの雨を望んだのは彼なのに、「あらあら」なんて、白々しいにもほどがある。しかも「泣いている」子を見ながら『ピッチピッチ ジャブジャブ ランランラン♪』と楽しげなのだ。このあきれた裏表さ加減の次に、いよいよ4番が来る。

かあさん ぼくのを かしましょか
きみきみ このかさ さしたまえ
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン


 なんたる偽善! もしくはたくらみ! 
 楽しげな『ランランラン♪』の後に『ぼくのを かしましょか』とくればもう、下心は見え見えだ。もちろん泣いている子は美少女なので、これをキッカケにお付き合い出来れば・・・という思惑が見え隠れする(ような気がする)。

 しかも唐突に『きみきみ このかさ さしたまえ』って!! 『さしたまえ』って、とてもあどけないお子様のお言葉とは思えません!!

 山上たつひこ先生のマンガ『がきデカ』で、主人公のこまわり君がふいにメガネをかけ腕カバーをしたサラリーマンのおっさんに変貌するシュールなシーンがフラッシュバックした。なんせ『さしたまえ』ですよ!

 そしてラストは 

ぼくなら いいんだ かあさんの
おおきな じゃのめに はいってく
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン


 なのだ。マザコン振り全開である。母親と相合い傘で『♪ランランラン』なのだ。ナンパもどきを実行しながら、脇が甘すぎる! せっかくのオトナな『さしたまえ』が、あまりのギャップで空疎に響く。

 私は、ずいぶん永い間、無邪気な『ピッチピッチ ジャブジャブ ランランラン♪』に騙されていたような気がする。危ないアブナイ。しかしなんて長期間騙されていたのであろうか。『あめふり』、そして作詞を担当した北原白秋、恐るべし!


最新の画像もっと見る

コメントを投稿