広島東洋カープの戦略

2017年10月31日 06時30分00秒 | 少年野球

先日書かせて頂きました『CS 2ndステージの広島東洋カープ』についての補足です。

セリーグは広島が2位 阪神に10ゲーム差をつけての優勝です。

広島は黒田が抜けても新たな戦力(薮田、九里など)が出てきて、カバーをする戦略が非常に上手なチームです。

打者も1番(田中)から4番(鈴木)まで、足もあり長打力もある怖いバッターがそろっています。

控えにもベテランの新井や松山、エルドレッドとこれも一発を警戒するバッターが控えております。

また、先発が降板してもリリーフ陣(今村、中田、一岡など)が頑張り、失点を許しません。

更には鉄壁の守備陣が揃い、欠点を見つけること自体が難しいチームですから、優勝するのは当然です。

なぜ、広島は強くなったのか。理由としては

1.トレードやFAでの補強はしない
2.若手の育成方針
3.海外選手の発掘
4.徹底したチーム方針

 

1.FAでの補強はしない

広島は基本、FAの選手を食い止めません。

過去には川口、江藤、金本、新井(戻ってきましたが)、大竹と他チームに行くとチーム力が明らかに下がる可能性があっても引き止めません。

黒田は海外FAで一旦MLBに行きましたが、男気で広島に戻ってきました。 (かっこいい)

すごく地元を愛し愛される選手が多い事も理由でしょうか。

またFA制度が始まって以来、広島に入団した選手はいません。理由は…わかりますよね。

 

2.若手の育成方針

とにかく若手にチャンスを与え、ある程度の失敗は覚悟の采配を行います。

それが花咲くのは数年後になろうが、可能性がある選手はじっくり時間をかけて育てています。

鈴木誠也は一番成功した結果ではないでしょうか。

また、その選手の潜在能力を引き出すこともすごく上手です。

巨人からFA人的補償できた一岡は立派なセットアッパーになりました。素晴らしいです。

 

3.海外選手の発掘

ドミニカ共和国に設立した野球学校であり、NPBの球団では初めて現地出身の選手を発掘・育成して、日本に送り込むための機関です。

特に1990年代は多くの選手を日本に供給しまそうです。

メジャーリーグで大活躍するソリアーノは最初カープにいた事、ご存知ですか?

今では日本球界でも常識的になった「駐米スカウト」の先駆者も、やはり広島だったんですよ。

米国や南米諸国の情報網に頼るのではなく、文字通り日本側から人員を送り込み、駐在して有望な選手を探し、日本球界に送り込むのが駐米スカウトの仕事です。

広島にほぼハズレなしの助っ人を供給し続けている理由です。

豊富とはいえない資金力の広島が、いかに効率よく、選手を揃えるにはどうしたらいいのか?

そのために旺盛なチャレンジ精神と創意工夫を繰り返して、強くなってきました。

 

4.徹底したチーム方針

今年度のドラフトで、広島いち早く「清宮幸太郎」の獲得を回避しました。

言うまでもなく、カープも清宮を高評価していましたが、松田元・オーナーは「うちのスタイルには合わない」と言ったそうですね。

カープは前から足がある選手が主力を張り、伝統の機動力野球を生かす素材を指名してきたからです。

高卒ならば長打力のある選手よりも、守備力、走力は求められます。

支配下選手の年齢構成を考えても、清宮はフィットしない と判断したそうです。

ドラフト、育成を軸にリーグ連覇を達成したカープならではの考え方だと感心しました。

だからそれがぶれることはなかったのですね。

また、そこで足りなり戦力を数年かけてじっくり育成するビジョンをしっかり持っているからです。

 

以上の事から、今後も広島政権は続くと予想されます。

勝つことだけが義務づけられていて、戦略を見誤っている(FAや大枚を叩いて獲得した選手が使えない、若手を育成できない)

某球団に言ってやりたいです!