世の中には
「携帯の電波がとどかないとき、携帯を振るとつながる」
のだとかいう都市伝説がある。
これは時折、プロの無線屋さんの間でも語り継がれている。
ただし、
「モノを知らんというのは何と恥ずかしいことだ」
という戒めの代わりに使われる。
もちろん、携帯を振ったからといってどうこうなるものではないのは自明だという事が前提であり、プロの無線屋で
「携帯を振ると電波がとどく」
などと真顔で言うヤツがいたとしたら、そいつはヘタレ扱いされるのは間違いない。
そこで!
おもしろいから、試しに携帯を振ると電波がとどく根拠をコジツケで考えてみたいと思う。
① 偏波面ダイバーシティ説
携帯の基地局アンテナを見てみるといい。
基本的には地面に鉛直に立っている。
小難しく言うと、電界が垂直方向に励振されるので垂直偏波になっている。
したがって、理論的には横向きに寝せたアンテナでは全く受信できない。
ユーザーが携帯を寝かせて使っていた場合、理論的には電波を受信しづらい。
だから、携帯をタテにしたりヨコにしたりとアンテナの角度を変え、偏波面が基地局アンテナと一致すれば、より感度が良くなり携帯がつながるようになる。
しかし、携帯をブンブン振るよりも、ゆっくりと回転させてたまたま受信できる角度を探していったほうがマシだ。
② 空間ダイバーシティ説
遮蔽物のない広場での使用では影響はまず出ないが、都市部では電波を遮蔽したり反射したりする構造物が非常にたくさんあって、基地局アンテナに近いわりには受信状態はあまり良くない。
運が悪いと、変な方向からの反射波がちょうど逆位相になっていて信号を打ち消してしまうことがありうる。
その場合、少し携帯の位置をずらすとうまく反射波の影響を回避できる位置が現れる。
ここで言うところの少しというのは1/2波長くらいの距離のことで、2.2GHz帯の携帯なら6.8cmくらいのことだ。
だから携帯をブンブン振るのは意味がなく、少しだけずらしてみるほうがマシだ。
③ 故障ぎみ説
いまの携帯電話の実装密度は極めて高い。
それは良いことだ。
しかし、小さくなったということは、熱はこもるし、熱応力が発生した分を吸収できるスペースも無くなったということだ。
熱応力をいよいよ吸収できなくなると、たいがいはどこかの接合面が剥がれて導通不良になる。
それも、1ミクロン以下とかの極小さな隙間があいて導通不良になる。
だからもし導通不良ぎみなのであれば、物理的な加速を加えることでたまたま接合した状態に戻るかもしれない。
しかし、携帯をブンブン振るよりも、コンコンと携帯を叩いて様子を見たほうがマシだ。
④ 高さ調整説
これは少々②に近いかもしれん。
一般論として、アンテナの地面からの高さが高いほど電界強度が強くなる。
TVのアンテナを屋根の上につけるのもそれが理由だ。
携帯も通信状態が悪いときには地面からの高さを上げてやれば、理論的には少しは良くなる。
だから、いつも使っている胸の位置よりももっと高い位置まで持ち上げると良くなるかもしれない。
しかし、携帯をブンブン振るよりも、ただ冷静に持ち上げただけのほうがマシだ。
まあ良くなるとは言っても1dBも変わらんと思うが。
「携帯の電波がとどかないとき、携帯を振るとつながる」
のだとかいう都市伝説がある。
これは時折、プロの無線屋さんの間でも語り継がれている。
ただし、
「モノを知らんというのは何と恥ずかしいことだ」
という戒めの代わりに使われる。
もちろん、携帯を振ったからといってどうこうなるものではないのは自明だという事が前提であり、プロの無線屋で
「携帯を振ると電波がとどく」
などと真顔で言うヤツがいたとしたら、そいつはヘタレ扱いされるのは間違いない。
そこで!
おもしろいから、試しに携帯を振ると電波がとどく根拠をコジツケで考えてみたいと思う。
① 偏波面ダイバーシティ説
携帯の基地局アンテナを見てみるといい。
基本的には地面に鉛直に立っている。
小難しく言うと、電界が垂直方向に励振されるので垂直偏波になっている。
したがって、理論的には横向きに寝せたアンテナでは全く受信できない。
ユーザーが携帯を寝かせて使っていた場合、理論的には電波を受信しづらい。
だから、携帯をタテにしたりヨコにしたりとアンテナの角度を変え、偏波面が基地局アンテナと一致すれば、より感度が良くなり携帯がつながるようになる。
しかし、携帯をブンブン振るよりも、ゆっくりと回転させてたまたま受信できる角度を探していったほうがマシだ。
② 空間ダイバーシティ説
遮蔽物のない広場での使用では影響はまず出ないが、都市部では電波を遮蔽したり反射したりする構造物が非常にたくさんあって、基地局アンテナに近いわりには受信状態はあまり良くない。
運が悪いと、変な方向からの反射波がちょうど逆位相になっていて信号を打ち消してしまうことがありうる。
その場合、少し携帯の位置をずらすとうまく反射波の影響を回避できる位置が現れる。
ここで言うところの少しというのは1/2波長くらいの距離のことで、2.2GHz帯の携帯なら6.8cmくらいのことだ。
だから携帯をブンブン振るのは意味がなく、少しだけずらしてみるほうがマシだ。
③ 故障ぎみ説
いまの携帯電話の実装密度は極めて高い。
それは良いことだ。
しかし、小さくなったということは、熱はこもるし、熱応力が発生した分を吸収できるスペースも無くなったということだ。
熱応力をいよいよ吸収できなくなると、たいがいはどこかの接合面が剥がれて導通不良になる。
それも、1ミクロン以下とかの極小さな隙間があいて導通不良になる。
だからもし導通不良ぎみなのであれば、物理的な加速を加えることでたまたま接合した状態に戻るかもしれない。
しかし、携帯をブンブン振るよりも、コンコンと携帯を叩いて様子を見たほうがマシだ。
④ 高さ調整説
これは少々②に近いかもしれん。
一般論として、アンテナの地面からの高さが高いほど電界強度が強くなる。
TVのアンテナを屋根の上につけるのもそれが理由だ。
携帯も通信状態が悪いときには地面からの高さを上げてやれば、理論的には少しは良くなる。
だから、いつも使っている胸の位置よりももっと高い位置まで持ち上げると良くなるかもしれない。
しかし、携帯をブンブン振るよりも、ただ冷静に持ち上げただけのほうがマシだ。
まあ良くなるとは言っても1dBも変わらんと思うが。
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