
時間切れ迫る
パリにおける来年12月の会議の目的は、世界の気温上昇を最大2℃にとどめるための合意形成づくりである。
新しい合意では、明確でかつ信頼できる排出規制を策定し、すべての参加国から、特にもっとも意欲的な同意を必要とする先進諸国が含まれるが、実効性のある同意を取り付ける必要がある。
2015年のパリ会議に先立ち、バラク・オバマ米国大統領と習近平中国国家主席は気候変動を克服するための共同声明を発表した。
これによるとアメリカ合衆国は、2025年までに2005年レベル以下となる26%から28%の二酸化炭素削減を行う。
これは過去における約束の2倍にあたる数値目標である。
アメリカは、京都とコペンハーゲンでは署名しなかったが、2005年から2020年の間で17%の排出量を削減する取組みを現在行っている。
中国は、特に深刻な大気汚染が引き金となり、石炭から得られるエネルギーの割合を削減し、炭素排出量取引を試行することによって低炭素地帯を作ることを約束した。
それには、排出量のピークを2030年と設定し、2030年までに今日の10%以下からおよそ20%まで非化石燃料の割合を増加することを担保した。
インド首相であるナレンドラ・ダモダルダス・モディ氏は、太陽光発電を拡大し、現在電力を利用できないでいる3億人の人々に電気を供給することを約束した。
EUは、家庭における排出量を40%削減することを求めた一括法案に同意した。
それは再生可能なエネルギーの利用を27%増加させ、エネルギー利用効率を少なくとも27%まで高めることを目的としている。
2008年に全会一致で可決したイギリスの気候変動法案は、排出量を削減するための世界で最も長期にわたる、法的規制のある、国家的な枠組みである。
この中で、2050年までにイギリスの排出量を80%まで削減するために5年間の炭素収支を設定している。
最近では、世界中で、およそ500にのぼる気候関連の法案が可決されており、それには二酸化炭素排出量が多い66か国が含まれている。
2005年には、世界中からロンドンを含む40の大都市の市長が集まり、C40 Cities Climate Leadership Groupを結成した。
彼らは気候変動を制御するために4734の行動計画を策定し、その75%を実施してきた。
個別においても、多くの人たちが、家庭や専門分野・公共の場において、ソーラーパネルを設置したり家庭や車・電化製品のエネルギー効率を高めたり、公共輸送を利用したり不必要な旅行をやめたり、食生活を変えたり排出量を生み出す活動を差し控えたりすることによって、気候変動に関連した影響を削減する手段を講じはじめている。
人々は、また職場において可能な変革を推進しており、関連した国会議員に手紙を書いたりしている。
また、この問題に関する学習会を開いたり、友人や家族や共同体の間で話し合ったりしている。